「お替わりはいかが? 〜1497〜」

1999.08.09 (Mon) ==========================

□ 深夜営業と住環境

 日曜日のTBSテレビの番組「噂の東京マガジン」で深夜営業のディスカウン
トストアと周辺住民との摩擦の問題を取り上げていた。都市部やその周辺では
若者を中心に生活時間帯が深夜遅くにまでシフトしている。だから24時間営業
のコンビニは深夜でもそこそこ若者客が入っている。我が家の目の前にもコン
ビニが二件ほどあるが、たまに深夜にもかかわらず排気音が異様にうるさい車
やバイク、深夜でもカーステレオをガンガン鳴らして窓を開けている車もある。
そのようにマナーに反するものではなくとも、早朝には商品配送の車がとまり
ガチャガチャとやかましいこともある。

 くだんのディスカウントは当初は営業時間を23時までとしてオープンした
が、オープン後一ヶ月で法にのっとった手続きを経て、そのチェーン店の他店
同様深夜3時に延長した。あるいは他店は営業時間は午前零時までということ
なのに、それ以降も営業している。行政側の指導に対し閉店は指導どおり午前
零時で、午前零時一分が開店時間、その後午前三時に一旦休憩に入り何時間か
後に休憩終了で営業を再開し午前零時に閉店するという。行政側は閉店とは一
旦客をすべて店外に出して店を閉めることなどが必要であると指導しているが、
どうも埒が飽きそうも無い。

 企業としての利益を求める姿勢と地元の利益とは一致することもあるが、環
境などでは相反することも多い。高度成長時代にはとにかく企業利益が最優先
にされ、その結果公害たれ流しなどの問題が発生した。その後低成長時代、マ
イナス成長不況時代に突入し、利益だけを求めていては企業は生き残れないこ
とが明らかになってきた。だから、メーカー系企業では企業倫理というものを
重視し、企業そのものが利益を求めるだけではなく、社会に害をたれ流さない
のはもとより、社会への貢献というのも重視するようになってきている。当然
構成員である社員にも、その企業に在籍する限り公私を問わず厳しい倫理規定
を定めてその履行をもとめるようになっている。だから勤務時間外であっても
重大な交通事故を起こしたり犯罪を起こしたりすると懲戒規定に基づき懲戒免
職になったりする。

 大手メーカー系ではようやくこのような企業倫理が重視されるようになって
いるが、それ以外の業種、一流デパートを除く流通業の多くや土地開発、廃棄
物処理などいろいろな業種ではまだまだ倫理は地を這うようなものでしかない。
さきのディスカウントにしても、客が求めるからそれを提供して利益を得て何
が悪いという姿勢が垣間見え、地元への配慮などは無いに等しい。単に客のニ
ーズを満たすだけが企業の存在価値を決めるものではない。自分の利益だけを
守ればよいというものではないことを、地元も企業も考えるべきであろう。