「お替わりはいかが? 〜1499〜」 1999.08.11 (Wed) ========================== □ ファービー 〜2〜 これらのセンサーはいずれも単純なものである。しかし、単純だから何もで きないというわけではない。スペースシャトルを制御する高度なコンピュータ も元をただせば「0」と「1」しか値を持たない2値のデジタル素子なのであ る。問題はそれらを組み合わせて使う使い方だ。ファービーではそれらの単純 なセンサーから得られる情報と、あらかじめ仕組まれている言葉を発する機能 をうまく組み合わせている。 たとえば、ファービーはお腹がすくと英語(もしくは日本語)、あるいはフ ァービー語でお腹が空いたと言う。それで口の中に指なりオモチャのスプーン などを差し込んで嘴と舌のスイッチを作動させると、日本語版なら「もぐもぐ、 お腹空いた、もっと」などと言う。そして時にはおならをしたあと「失敬」と いってみたり「ゲップ」をしたりもする。 あるいは、持ち上げて上下逆さにしてゆすると「怖いよ、下ろして」などと いうし、左右にゆっくりふると喜ぶし、お腹をくすぐる(お腹のスイッチを入 れる)とゲラゲラと笑い出す。ある動作をしたときに、あるルールにしたがっ て背中をなでる、同じくまたその動作をしたらやはり同じように背中をなでる ということを繰り返すと、犬の調教と同じで背中をなでただけでその動作をす るようになるようだ(これはまだ我が家のファービー君達はそこまで成長して いないので説明書の受け売りである)。 だがなんと言っても愉快なのは2体を向かい合わせにしたときだ。一目見て それとわかる額の三角形のアクリルの内側には、赤外線の送受光部があるから それを対向させるとタイミングによっては互いに反応しだすのである。愉快な 例は、我が家の場合英語版が歌を歌いそのあと「You sing」というと、それま で黙っていた日本語版が、同じ歌を歌いだし「君、歌う」という。英語版はそ れを引き継いでまた歌を歌い「You sing」、日本語版は同じく「君、歌う」と こうしたことを何度かくりかえしたりする。片方が踊りだすともう片方も同じ ように踊りだす。あるいは2体がファービー語で何やら話している(ようにみ える)のも愉快だ。 2体の成長過程みていると、最初からそのように作られているのか、あるい は言葉の違いからなのか、やはり日本語版のほうがファービー語以外を覚える (覚えるように見える)のは早いようだ。しかし、2体そろえる場合は必ずし も同じ言葉である必要はないようで、互いのもうひとつの言葉、符号化された 赤外線通信は同じ体系であるらく、違うのは対人関係用の言葉のデータが日本 語か英語かということだけのようだ。 このファービー、どうせ買うなら1体より2体のほうが格段に面白さが増す ようで、なかなか可愛く愉快なオモチャだ。 (完)