「お替わりはいかが? 〜1507〜」

1999.08.19 (Thu) ==========================

□ 札幌紀行 '99

第一日目 〜2〜

 機体はB747-400(通称 dash400)なので、離着陸時は機首カメラからの映像が
映し出される。その映像もスーパーシート席前部にあるモニターで非常に良く
見えてなかなか楽しい。離陸直前までは機首下部から前方を写すカメラからの
映像だが、離陸した瞬間に映像は下方を写すカメラに切り替わり、どんどん小
さくなってゆく滑走路が写る。着陸時はその逆で進入を始めると下方カメラか
ら前方カメラに切り替わり、ターミナルのそばでは前方のマーシャラー姿が良
く見え、機体の動きと彼(彼女かもしれない)の両手の動きはぴったりと同期
しているのがよくわかる。B747-400の巨大な図体を、所定の停止位置にぴった
り止めるこの技はすごいものだ。停止線や信号はあっても無いのと同じような
大阪のドライバーのマナーの悪さとは大違いである。もっともこれは腕の違い
ではなく心と頭とマナーの違いであろう。

 飛行機の旅で好きなのは何と言っても離陸の瞬間である。誘導路をゆっくり
と進み滑走路端の所定の位置に一旦停止し管制塔の離陸許可を待つ。離陸許可
がでるとB747-400は四機のエンジンを全開にして機体を震わせて離陸をはじめ
る。体はややシートに押し付けられGを感じなんとも興奮する瞬間だ。国内線
であるか国際線であるかを問わず私がわくわくする瞬間だ。飛んでしまうと時
々ゆれる程度だし、着陸もなんのことはなく終わってしまうのであまり面白く
ないのだが、離陸の直前のエンジンの高まりから機体が地上を離れるまでの短
い一時が何物にも代えがたい興奮を感じる瞬間だ。旅行出発時のこの瞬間が終
わって飛び立つと気分的には旅行の大半が終わったような気になる。

 さて、私の乗るJL509は計器取替えのため定刻より十五分ほど遅れて離陸し、
正午を十数分くらい過ぎた頃に新千歳空港に着陸した。スーパーシートなので
ドアに近く機内から出るのも早い。バゲッジクレームで待つことしばし、ター
ンテーブルが回り始めて荷物が出てくるが、スーパーシートの荷物が優先され
て出てくるので私達家族の荷物も数個目には出てきたが、これもエコノミーク
ラスでは考えられないことだ。荷物を預けた他の乗客の大半がターンテーブル
の周りに人垣を作っているのを後に出てゆくのはちょっとした優越感もあって
気持ちの良いものだ。また荷物にもわざとらしく「スーパーシート」のタグが
ついているのもその優越感に輪をかける。四千二百円の差を高いと感じるか、
安いと感じるか、私は手ごろな価格だと感じた。

(続く)