「お替わりはいかが? 〜1521〜」 1999.09.02 (Thu) ========================== □ 長期休暇 〜2〜 もちろん、この世代の人がみなこのようなワーカホリック(仕事中毒)だと はいわないが、この世代に多いのは確かだ。だが、皮肉なことにその滅私奉公 を会社はそれほど恩に思わず、それどころか何ら評価をしていないということ が、ここ数年の不景気によるリストラでようやくわかってきつつあるようだ。 会社にとって大切なのは過去の栄光と過去のヒーローではなく、現在と将来 でありそこに活躍できる人材なのである。いくら過去に滅私奉公で会社に寄与 しても、今の時代の変化についてゆけずあまりのも会社にお荷物になるようで あれば、躊躇せず即刻クビをきるべきだ。 会社は従業員にお金を恵んでくれるところではないのである。サラリーマン とは自分の知識・技能・体力を商品として扱う自営業居であり、それを販売し て金をもらっている厳しい商売なのだから、自分の怠慢の結果、売るべき知 識・技能・体力がなくなったら金もなくなって当然だろう。もちろんこれとは 別に社会全体として、業務上の傷病やリタイアした後の労働者の生活というの は考えてゆく必要があるが、これは別の次元の問題だ。とにかく、そんなふう にがんばって仕事をするためにはリフレッシュも必要であり、そのために有給 休暇があるのだ。有給休暇は愚かな二日酔い対策のためにあるのではない。 ともあれ、この世代の未だにワーカホリックで滅私奉公な人が課長や部長で あるような部署は悲惨である。下手すると病気で休むのさえ罪悪視され嫌味を いわれる。そしてそれがいやで無理して仕事をして体をこわし、最悪は会社を 去らねばならないようなことになる。これは滅私奉公どころか、その上司に健 康と職を奪われたようなものだ。 一日、二日の有給休暇でも非常に遠慮しなければならないような職場がある のは事実であり、そのような職場にとっては欧米のような二週間とか三週間の 連続有給休暇などというのは、別世界の出来事でしかない。それどころか土日 前後に休暇を二日とかとって、ちょっと旅行に行くようなこともかなり冒険、 あるいはめったに実現しない夢でしかない。私の場合比較的恵まれたほうで休 暇はとりやすいのだが、それでも有給休暇の連続取得は、土日に挟まれた平日 五日間を取るくらいが限度で、欧米のように三週間取得というのは絶対不可能 ではないにせよ難しいだろう。 (続く)