「お替わりはいかが? 〜1524〜」

1999.09.05 (Sun) ==========================

□ 厚底靴

 婦人靴店の店頭には、紳士靴店のそれと違って季節がある。夏が近づくと色
々なデザインでカラフルな色のサンダルがところ狭しと並び、秋から冬になる
とブーツが店頭を飾るようになる。そして店の奥には一年を通して定番となる
パンプス類が、季節毎にデザインは変われども同じように並んでいる。

 店頭で眺めると、どこの靴屋での必ず目に付くところで厚底靴にお目にかか
る。夏の間は厚底サンダルだったのが、厚底靴や厚底ブーツが店頭に並び始め
ている。これは東京に限った話ではなく、札幌のデパートでも厚底靴や厚底ブ
ーツ、あるいは北国らしく内側にナイロンのボアや本物の羊の毛皮であるムー
トンをつかった暖かそうな靴やブーツにまで厚底バージョンがあるから恐れ入
る。

 厚底靴やら厚底サンダル履いている女性を後ろや横からみていると、歩き方
がひどく妙なことに気づく。通常ならつま先で地面を蹴るようして前に進むの
がだが、厚底靴では靴のつま先だけが足の動きにそって曲がるような事ができ
ないために、足を引きずるような感じで歩いているのである。また、極端に底
が厚いものだから安定性に欠け、ちょっとしたことで足をひねったりしてしま
う。なんでも接骨院やら整形外科での若い女性の捻挫や足首骨折は以前より二
割ほど増えているとかいった話も聞く。一度足首骨折などして懲りてもう二度
と厚底を履かないかというと、さにあらず。文字どうり自分の身を犠牲にして
も流行に身を浸さなければならないらしく、性懲りも無くまたもや厚底を履く
というから恐れ入る。

 先日、札幌で厚底嬢が転ぶところを見た。となりを歩いていた友達につかま
るような感じで転んだので、残念ながら捻挫や骨折などにはならなかったよう
だが、サンダルの足の甲にかかっている部分と靴底とのつなぎ目が切れてしま
ったらしく、その厚底サンダルではあるけなくなってしまったようだ。厚底靴
で足首骨折で入院するのもこれまた一興というものなのに残念だ。

 厚底族の中には赤ちゃんを抱いた厚底ママがいるのは驚く。これは転んだと
きに赤ちゃんを怪我させたり、最悪は赤ちゃんの頭をコンクリートに強打させ
死なせてしまったりすることもあるから、絶対にやめていただきたい。そうい
う意味では階段で厚底嬢が転んで落下し、それに巻き込まれる事だってありそ
うだから、やはりやめてもらいたい。厚底さんが自分だけ怪我をしたりするの
は勝手だが、自分以外をそれに巻き込むことはやめていただきたい。

 あと一つ、本人は気づいているかどうか知らないが、厚底を履くことで膝と
地面の距離がながくなり階段やエスカレータでは見えやすくなるのだ。それに
座った時に膝の位置が高くなるので、タイトスカートで電車に座ったときも見
えてしまうことも多いのを知っておく必要がある。まあ、こちらのほうは転ぶ
のに比べたら害が無いので別段かまわないのだが...。