「お替わりはいかが? 〜1541〜」 1999.09.22 (Wed) ========================== □ 台湾地震でPC値上がり? 台湾地震はかなりの被害を呈しているようだ。台湾中央防災センターの発表 では、23日午後5時(現地時間)現在で、地震による被害者は死者2106人、負 傷者7821人、行方不明者2841人となったという。日本人としてはさきの阪神淡 路大震災と重なる部分が多く胸が痛むと同時に、人間という物がいかに自然の 活動に対して無力な存在かを思い知らされる。 救出活動については、地震発生後、各国から救援部隊が到着し、現在26ケ国 から700名近くが59頭の救援犬とともに救助活動を行っている。日本は国際緊 急援助隊を派遣する考えを21日に発表し、同日中には第一陣70名、翌22日には 第ニ陣30名を現地に向けて派遣した。台湾と日本とは正式な国交がなく(そも そも中台関係の問題もあり台湾が国か地域かという問題もあり背景は複雑だ)、 国際緊急援助隊の派遣にもかなり手間取るかと心配していたが、今回は台湾当 局からの援助要請ではなく、国連人道問題調整事務所と外務省国際緊急援助室 が連絡をとって素早い対応となった。 台湾と日本とはとりわけ経済的な結びつきも強いが、とりわけPC関連では台 湾は日本のみならず世界市場の動静を握っているといっても過言ではない。半 導体メモリもそうだが、特に重要なのはマザーボードである。これは国内有名 メーカー製のブランドPCからショップブランドのPCに至るまで、広く使われて いる。国内でもトップクラスのシェアを誇る某社がノートやデスクトップに昔 から台湾製のマザーボードを使っていたのはよく知られた話だが、今や某社だ けではなく、数多くのメーカーが使っている。 報道によれば、工場その物は震源地から離れているので、工場が崩壊したと かいう話は聞いていないが、問題は工業用電力が復旧していないことだ。聞く ところでは、この手の工場の電力供給が一旦完全に停止してしまうと、稼動再 開までに最低二週間が必要になるという。つまりこの間製造ができなくなって しまうことだ。すでに日本でも企業向けの大量導入については、納品日未定と いう通知を出さざるを得ないところも出てきているというし、そのうち店頭価 格も上昇するか下がるはずのものが下がらない、あるいは納品可能機種が減っ て行き欲しい物が手に入らない可能性も出てくる。 最近はどこのメーカーも製品在庫、部品在庫削減のため、必要な在庫をぎり ぎりまで絞り込んでいるし、GATEWAYやDELLが得意なBTOについては製品在庫は ゼロだ。つまり部品供給が途絶えると次の瞬間製品供給も途絶えるわけで、部 品供給の途絶を吸収するバッファがないのだ。 パソコンが一時買えなくなったとしても、米がなくなるほどの重大な影響は 無い。趣味でつかっている人は我慢すればよいし、企業もPCの導入計画を延期 すればよい。しかし、ようやく情報インフラへの投資にまた活気が見え初めて きたところだから、供給途絶が長引くと景気への影響も多少は考えられるだろ う。 どちらにせよ、一刻も早い救助と復旧を祈るのみだ。