「お替わりはいかが? 〜1557〜」

1999.10.08 (Fri) ==========================

□ 2000円札 〜1〜

 世間ではいよいよミレニアムの終わりまで100日を切って2000年問題も身近
なものとなってきたと思ったら、小渕首相が2000円札を発行すると言いだした。
「Y2k」に横棒が二本増えて「¥2K」とは随分寒い洒落である。小渕首相
自身が2000円札をつくろうなどと考えついたとはとても思えない、いったいだ
れが吹き込んだのだと思えば、報道ではどうやら大蔵省印刷局のOBが言い出し
っペらしく、それが首相秘書に伝わり、首相秘書から小渕首相の耳に入って、
小渕首相は即断即決で発行を決めたという。まあ、報道とはいえ噂レベルの話
しなのでどこまで本当かは眉唾であるけれど、小渕首相が就任当初から比べる
と随分決断力という面では良くも悪くも成長されたというのは確かのようだ。

 日本の硬貨・紙幣は「5」の倍数で作られている。1円、5円、10円、50円、
100円、500円、1000円、5000円、10000円といった具合で、200円硬貨とか、あ
るいは250円硬貨なんてのは存在しない。他の国は知らないけれど、米国では
確かに2のつく紙幣がある。20ドル紙幣なんてのはその典型で、結構流通量が
多いようで、10ドル紙幣より手元にある枚数は多くなりがちだ。トラベラーズ
チェックを作っても、200ドル分だと20ドルのチェックが10枚で作られる。良
し悪しは別にして米国では一般的になっているのは確かだ。

 2000円は2000年とも絡んで洒落みたいで、自動販売機メーカーやATMメーカ
ーにとっては新しい仕事が確実に舞い込んで来るので大歓迎だろうが、そこに
発注する側、つまり銀行や飲料メーカーなどにとっては、もろに出費となるの
で渋い顔といった具合だ。それでも近頃は何の買い物をしても、1000円一枚で
足りることも少なくなってきたから、それなりに便利にはなるかもしれない。

 2000円は受け入れやすいけれど、日本人にとってどうにもなれないのが、米
国の四分の一ドル、つまり25セント硬貨である。米国の硬貨にはニックネーム
がついていて、彼らは10セント硬貨などとは言わないでそのニックネームを呼
ぶ。1セント、5セント、10セント、25セントについて良く知られた名前があり、
順にペニー、ニッケル、ダイム、クォーターである。硬貨には日本のそれのよ
うに「10」とかはっきりわかる刻印があるわけではなく、ダイムにいたって
は「ONE DIME」という刻印がある始末で、なれないとどれがどれかわからない。
流通量で圧倒的に多いのは、ペニーを覗けばクォーターであり、新聞の無人ス
タンドの販売機もクォーター(25セント)の倍数だ。例えばホノルルアドバタ
イザーはクォーター2枚の50セントだし、USA Todayはクォーター3枚の75セン
トといった具合だ。

(続く)