「お替わりはいかが? 〜1560〜」

1999.10.11 (Mon) ==========================

□ 生まれ変わってからの京都駅

 先日、所用があって京都に行ってきた。正確なことは覚えていないが、前回
京都に行ったのは三年くらい前になるかもしれない。そのときは新京都駅ビル
が工事中の無様な姿であり、東京方面からの新幹線がホームに滑りこむときに
みえる京都の寺の屋根などが、京都へ来たという風情をかもしだしてくれたも
のだ。しかし、駅ビルの工事が始まって京都駅の北側(旧烏丸口と旧中央口方
面)への景色を望むことは不可能になった。

 新しい駅ビルが出来てから初めてになるのだが、八条口方面は以前とはかわ
らないけれど、北側は見違えるようになった。新幹線改札を地下鉄側に出ると
南北地下自由通路のほうに出る。そこを北のほうに向かうと、以前なら京都駅
前地下街のポルタに出たのだが、今はその途中に駅ビルへ向かう入口が出来て
いる。

 駅ビルにはホテル、専門店街、百貨店が入っており、そのデザインはきわめ
て斬新である。駅の側と街側から見れば、どちらも壁のような濃いグレーの建
物があるだけだが、中のつくりがユニークだ。東京寄りは専門店街、大阪寄り
は百貨店のJR伊勢丹がある。どちらも品揃えは若者中心で数的にも呼び寄せる
に十分なもので、従来は京都の中心は四条河原町あたりだったのが、その重心
がかなり京都駅よりになった。駅ビル内には京都CATがあり、JALではここから
チェックインして身軽になり、そのまま関空までの直通電車にのって行くこと
ができる。昔はリムジンバスで伊丹空港まで行かねばならなかったのとは大違
いだ。

 さて、ユニークなつくりの建物だが、どうなっているかというと、大阪寄り
の建物部分は駅側と街側の建造物に挟まれて、その間が空洞になっており、十
一階あたりから、二階だか三階ま巨大な階段になっていて、全部を降りること
も出来るし、エスカレータで降りることも出来る。こういう作りになっていて
何が面白いのかわからないけれど、駅ビルとしてはきわめてユニークな構造で
あるのは間違いない。

 京都駅付近というのは、昔は実に不便な場所だった。ぼろい駅ビルと土産物
屋だけがある、いかにも観光地でございといったものであった。それが地下街
のポルタが出来、八条口にはちょっとしたショッピングができるアバンティが
出来てちょっと便利になった。さしずめ八重洲地下街と東京駅といった組み合
わせに近い。それが新しい駅ビルができ、一気に便利になり街の中心的な存在
になった。

 こういう変化が良いのか悪いのかよくわからない。いつまでも昔の京都であ
るべきだとも思う一方で、そういうのはそこに住んでいない外野席の野次に過
ぎないとも思う。難しいところだ。