「お替わりはいかが? 〜1562〜」

1999.10.13 (Wed) ==========================

□ 大規模踏み切り事故続発

 昨日、関西と関東の両方で大きな踏み切り事故が発生した。関西のほうは京
阪電車本線で、関東のほうは西武鉄道新宿線でのことだ。

 京阪電車のほうは、報道によれば踏み切り警報がなっているのに59歳女性
の運転する乗用車が無理に突っ込んだらしく、電車の運転士が急ブレーキをか
けたが間に合わず普通電車は乗用車に追突し、そのまま次の踏み切りまで引き
ずりようやく停止した。乗用車は大破して単なる金属や合成素材の塊と化し、
運転していた女性は即死だという。

 西武鉄道のほうは、電車が衝突したのは乗用車を搭載したトレーラーで、踏
み切り先の道路の空き具合とトレーラーの車長の目測を誤ったのか、あるいは
前方がすぐに空くであろうと安易に考えたのか、とにかく渡りきれずにトレー
ラー後部が踏み切り内に残ってしまった。トレーラーの運転手は対向斜線にト
レーラーを逃がそうとしたが、それも間に合わす、発煙灯を焚こうとしたが間
に合わずに電車が突っ込んで、電車の乗客十数名が怪我をしたという。

 不幸中の幸いは、どちらも満員状態の通勤ピーク時間帯ではなかったことだ。
気の毒なのは鉄道会社、電車の運転士、電車の乗客、影響を受けた数多くの乗
客達であり、京阪電車の事故を招いた女性ドライバーは死亡したとはいえ同情
の余地はまったく無い。それどころか死亡を理由に捜査の手や賠償は緩められ
るべきではなく厳しく追求されるべいだ。また踏み切りそのものにも構造的・
地理的な問題が無かったか、それについて鉄道会社側が改善すべき点を見逃し
ていなかったも今後の事故防止の為に捜査されるべきだろう。

 とにかく、どちらも直接の原因は車のドライバーが安直にも、警報がなって
いる渡れるであろうと警報がなっている踏み切りに突っ込んだり、前方がつか
えているのに車長の長いトレーラーを突っ込んだりしたことにあり、100%原因
はドライバーにある。これらに対しては刑事罰も当然の事ながら、鉄道会社か
らの何千万円だか何億円だかの賠償という民事訴訟も厳しく行われねばならな
い。このドライバーにしても単なる過失傷害ではなく、意図的な傷害罪が適用
されてしかるべきものだ。これは決して過失などではなく限りなく故意に近い
ものであり、刑事・民事ともに厳罰に処せられるべきだ。

 こうした踏み切り事故はあきらかに避けることができるものである。警報が
鳴り始めたら踏み切りでは停止線の手前で停止して電車が行きすぎるのを待つ、
踏み切り内に進入する際は、踏み切りの前方に自分の車が入れるだけの十分な
空きが無い限り踏み切りには進入してはいけない。どちらも教習所の学科の基
本的なところで習うはずで、よもや忘れていたわけではあるまい。これらの違
反による事故ではいかなる言い訳も絶対に通らない。何のために踏み切りがあ
り、平時においてはいかなる車両よりも電車に最優先通行権が与えられている
のか、そのところをよく考えるべきだ。

 電車乗客や運転士が死亡するような大きな事故に至らなかったのは幸いであ
るが、これが万一大規模な脱線事故になり、乗客に何十名もの死者がでたら、
どう償うつもりか。万一そうなっていたら、それは単なる過失傷害ではなく、
限りなく故意に近い大量殺人であろう。私は普通自動車運転免許を所持してい
ないが、ドライバー諸君はぜひとも注意してもらいたい。自分の油断が自分の
家族や何十名何百名という人々やその家族を不幸のどんぞこにたたきこむこと
を忘れてほしくないものだ。