「お替わりはいかが? 〜1563〜」 1999.10.14 (Thu) ========================== □ JRのほころび 先週末の土曜日、所用で京都へ出かけたのはすでに書いたが、実はその日の 朝、山陽新幹線のトンネル内の始発電車前の線路点検で、長さ2メートル、重 さ200kgを超えるコンクリートの塊がトンネル内からはがれ落ちて線路にあっ たため、急遽一時的に山陽新幹線の運転が中断された。 幸いなことに、私が指定席予約をしていた東京午前十一時発の「のぞみ」に はダイヤ遅延はなくて、定刻通り東京を発車し定刻通り京都に到着した。これ が東海道新幹線にもおよび、東海道・山陽新幹線が全線半日以上ストップって なことになれば私は京都なんぞに行かなくて済んだのだが、結果的にはほとん ど遅延もなかったから予定を実行するはめになった。 それはともかくも、トンネル内のコンクリート壁がはがれ落ちたかと思えば、 橋梁のコンクリートがはがれ落ちて落下したりと、新幹線のコンクリート部分 にまつわる事故が多い。これは建設時期がバブルの時期で建設ラッシュのため、 コンクリート材料が不足し、普段なら使わないような海砂をコンクリート材料 に使ったため含まれている塩分で鉄筋が腐食してもろくなったとか、コンクリ ートそのものが薄いとか、いろいろな説があるが、とにかく建設そのものに問 題があったのは確かなようだ。 こうした設備面に起因するJRの事故といえば、なんといっても首都圏の特に 中央線にまつわる事故だ。運行設備の故障により中央線はしょっちゅう止まっ ている。さらにそれに拍車をかけるように、何故か中央線では飛び込み自殺者 が多く、これまた多くの人に多大の迷惑をかけている。自殺で家族に迷惑がか かるのはいたし方ないとしても、赤の他人にまで迷惑はかけてほしくないもの だ。死んだ当人はそれで楽かもしれないが、自殺は自分の責任を他人におしつ ける逃避以外の何物でもない愚かな行為だ。 JRはその営業距離の長さから言えば、一般の民鉄の比ではないだろうし、当 然保線や設備維持管理には膨大な手間と費用が要求されるから、一概に他の民 鉄と比べるのは酷であろう。しかし、だからといって安全管理に手抜きが許さ れる物ではないし、また利用者側も安全のためにはある程度の負担を受任する べきであろう。とはいえ、中央線の状況はあまりにひどい。自殺者はともかく としても設備を原因とする運転遅延が他と比べてあまりにも多い。年に一〜二 度ならともかく月一度でも足りないというのは異常だ。確かに設備が古く利用 者は増加し運転本数は増える一方だというのはわかるが、根本的な対策がとっ くの昔に行われていなければならないはずだ。新幹線のトンネル壁崩落にして も、小手先の点検で安全宣言を出した尻からこのざまである。 今のJRに必要なのは、無理を承知で言うならば、長期に運休してでも設備の 点検補修と社員や経営陣の根性を叩きなおすことだろう。まあ、この先何があ るにせよ、JR沿線に住んでJRを通勤手段にするのはやめたほうがよさそうだ。