「お替わりはいかが? 〜1576〜」 1999.10.27 (Wed) ========================== □ ノートPCのCPU速度 インテル社がPentiumIIIシリーズの新しいCPUを15種発表した。ノート用の インテルCPUは現行製品ではMobile Pentium IIとMobile Celeronがあったが、 PentiumIII系列はなかった。今回発表された中にMobile PeintumIIIがあり、 クロック周波数は400MHz、450MHz、500MHzだという。 これと同時にノートPCメーカー各社もMobile Pentium III搭載の新製品を発 表した。全部を良く見たわけではないが、ちらと見たところではどれもA4フル スペックのヘビータイプのもので、モバイルではなく省スペースデスクトップ 用途のもののようだ。 個人的には、ノートPCでCPUだけを高速化してゆく現状にはやや疑問がある。 PCの性能は単純にCPU速度だけで決まる物ではない。バスの速度、メモリアク セス、ハードディスクのアクセス速度、グラフィックアクセラレータの速度な どの性能を合わせた総合的なものであろう。現状のノートPCではこれらすべて を満たすのは不可能なので、使う目的なのかによって、そのなかでも妥協でき ない部分と切り捨てる部分が出てくる。ゲームとは無縁のオフィス(事務)用 途ならグラフィックスアクセラレータはさほど高性能な物でなくてよいし、他 の性能もそこそこでよい。計算メインになるのならCPU速度が速いほうがよい、 ディスクアクセスが非常に多いアプリケーションを使うなら高速なディスクが 必要だ。 可能・不可能はべつにして、ノートPCで自分のニーズをよく把握した上で、 ある程度の割り切りが必要なのだが、どうも供給側はとにかくCPUだけに早い 物を載せて新製品にして購買意欲をそそろうとしているようだ。ノートPCを使 い込むにつれCPU速度は確かに重要だが、実はそれは重要な要素の一つに過ぎ ないことがわかってくる。特に不満を感じるのがハードディスクの速度と容量 だ。回転数だけ考えてもノート用はいまだに4000rpm程度なのが、デスクトッ プ用は7200rpmが主役だ。容量にしても市販ノートに装着されているのは6GBと か8GBくらいだが、デスクトップでは10GB以上は当たり前だしそれで足りなく ても追加や換装が容易だ。 今のノートPCは本来のモバイルに適した物は市場からどんどん無くなってお り、チップメーカーに煽られるかのように、やたら高性能CPU「だけ」を載せ て出てくる。もちろんそれが必要なニーズがあろうことは否定しないけど、本 来のモバイル系の進歩も考えて欲しい。最近は軽量小型系は軒並みWindowsCE に移行しているが、CEは所詮CEで95/98でないとできないこと・使えないソフ トも多いのである。 どうも最近のノートを見ていると「反吐」が出そうな物ばかりで困る。