「お替わりはいかが? 〜1582〜」 1999.11.02 (Tue) ========================== □ 近頃のデジタルカメラ 〜2〜 さて、もう一つのトピックは画素数だ。単純に考えれば画素数は多いほうが 解像度が高くなって画質も高くなる。おおむね事実である。しかし、デジタル カメラで撮るというのは、なんらかの目的があって撮るわけで、その目的をは るかに超える画質というのが必要かどうかという問題がある。さらにデジタル カメラは単なる画像入力装置であり、出力装置との性能バランスという問題も ある。 デジタルカメラが売れているらしいが、購入者はいったいどういう用途のた めに購入するのであろうか。Webページ用だろうか、メモ用だろうか、年賀状 用だろうか、はたまた自分でプリントアウトしたり業者に持ちこんで綺麗なプ リントを得るためだろうか。本当に高画質が生きてくるのは、業者に持ちこん で高性能なプリンタで印刷してもらうときであろう。しかしそのためにわざわ ざデジカメを使うのは馬鹿げた話で、フィルムカメラなら今ならフィルム代+ 1枚10円程度のプリントでそれなりに綺麗なプリントが手に入る。それに普段 家庭でよく使うサービスサイズ程度のプリントアウトなら100〜150万画素で十 分であり、200万画素を使うメリットはキャビネとかに引き伸ばすときだ。し かし家庭用の安価なインクジェットプリンタでは元の画素以上に、プリンタや インクによる印字品質、用紙の品質による差のほうがはるかに大きい。 デジタルカメラでは画像を蓄積するストレージが必要で、今の主流はコンパ クトフラッシュやスマートメディアだ。撮影画素数を多くするモードであれば あるほど一枚の画像に必要なメモリも多くなる。確かに画素数というのは重要 で、Webページに掲載するだけなら80万画素程度でも十分過ぎるし、年賀状に 印刷する程度の大きさならこれで十分事がたりる。ただ、綺麗な仕上がりが期 待できるプリンタ・インク・用紙の組み合わせでは、サービスサイズ程度にま ですると確かに物足りないと感じることがある。 ではどれくらいあれば十分なのだろう。好みや用途によるし出力環境によっ て大幅に変わってくるが、一般家庭では150万画素もあれば十分で、それも 150万画素のモードを常用するのではなく、普段は80とか100万画素程度の解像 度のモードで撮影しここぞというときに150で撮るというのが得策だろう。そ ういう意味では200万画素のカメラで普段は150万画素程度のモードがあればそ れで使っていて本当に解像度を高めたいときに最高のモードを使うという手も ある。撮影後処理時間が2秒以内程度ですむならそれもまた一興かもしれない。 (続く)