「お替わりはいかが? 〜1592〜」

1999.11.12 (Fri) ==========================

□ おじさんマウイ一人旅 〜第一日目(2)〜

 成田エキスプレスは東京に停車して乗客を乗せたところでほぼ満席に近くな
った。見ていると「LOOK JTB」の新しいシールを貼り付けたスーツケースがや
けに目に付きJTBという会社の威力の大きさを改めて感じた。ハワイへの旅は
時差の関係で夜が極めて短いから、毎度の事ながら向こうの初日は睡眠不足で
ぼーっとしていることが多い。それを少しでも避けるため、電車のなかでも眠
っておこうと思うのだが、海外完全単独旅行の緊張と興奮でなかなか眠れない。
その上夜も七時近くになり、さすがに腹もへってきてさらに寝付けない。

 それでも時々うとうとしながら空港第2ターミナル駅についたのが七時半。
そのまままっすぐエスカレーターを上がってゆくと、自動的に第2ターミナル
のほぼ中央に出る。さすがわが日本航空はここではでかい面をしていて、チェ
ックインカウンターの半分に当たるG〜Lまでを全部日本航空が占めているの
だ。そのうちGからIまでがツアー(団体)客用チェックインカウンターであ
り年中混雑しているところだ。J〜Lが個人客カウンターでここはいつも空い
ている。特にJはエクゼクティブとファーストクラス専用だからなおさら空い
ている。ここでクレームタグにはホノルル(HNL)経由のカフルイ(OG
G)のタグをつけてもらう。こうしておけばホノルル国際空港でインターアイ
ランド(島間)路線へ乗り継ぐときに国際線到着ロビーを出てすぐ、インター
アイランドの航空会社にチェックインするまえに荷物を預けることができて楽
なのだ。

 機内で少しでも睡眠をとるために食事はいまのうちに済ませておく。第2タ
ーミナル出発デッキの上にある売店やレストランは公称夜九時までの営業だが、
閑散期のこの時期は実際には八時半を回った時点でかなりの店が閉じてしまう
から要注意だ。第2ターミナルビル内のサテライト側ではないほうの免税店も
夜は九時半までだから、JL72便やその近くの時間帯の便で出発される方で免税
店で買い物をしたい方は早めに出国手続きをすませたほうがよい。そうでない
とせっかく楽しみにしていた国内免税店での買い物ができなくなってしまう。

 機内での私の席は33K、つまり成田-ハワイ線のB747-400(通称ダッシュで
は、機首に向かって右の窓際で比較的前のほうだ。となりの33Jは空席らし
く通路側の33Hに一見がっしりした日本人かアジア系にみえる米国人らしき
人が乗ってくる。この人は席に座るなりアイマスクと耳栓を取りだして眠り始
めた。一見変な感じだが実は現地についてから頭をすっきりさせるためにはと
にかく眠っておくのが大切だ。私は喉が渇いたのでJAL特製ソフトドリンクの
スカイタイムだけを貰い食事は断って眠ろううと努力したが、電車の中同様の
理由でなかなか眠れないものだ。

 ハワイ時間で朝七時頃(日本時間の午前二時頃)だろうか、早くも夜が空け
てきて東の空(つまり進行方向)を赤く染める。赤い夜明けの太陽がエンジン
と主翼を照らせてとても美しい。この光景を眺めることができるのは、飛行機
が東に向かって飛んでいるときに限られ、さらに時間的にもほんの一時の短い
もので、なおかつ機上でもごく限られた席に座っている人だけが見ることがで
きるという非常に美しく希少価値の光景だ。本来ならぐっすり眠っていてこう
いう光景も見れないはずだが、少し眠っては眼がさめるからこういう事を知っ
ているのだ。そういう意味では本当はなにも知らないほうが良い。そうこうす
るうちに朝の軽食のデニッシュが配られる。さすがに腹がへったので今度は断
らないし、ここで食べて頭をはっきりさせないといけない。

(続く)