「お替わりはいかが? 〜1593〜」

1999.11.13 (Sat) ==========================

□ おじさんマウイ一人旅 〜第一日目(3)〜

 夏休みなどのピーク時に家族連れツアーでハワイに行った人はわかると思う
が、ホノルルのイミグレーションは混雑して時間がかかるので有名である。そ
れが航空券のチケットをツアーでなく個人手配でとれば、当然座席はツアーよ
り前であり、さらに機内持ちこみ荷物は頭の上でではなく、前の座席の足元に
置いておけばなお良い。こうすると機体が完全に停止して客室乗務員への「ド
アモード変更」の機長アナウンスと同時に立ちあがってドアのところへゆき。
皆がまだ立ちあがって頭上のものを取ろうとしているときにドアのところに立
っていることが出来る。

 今回この手を使って(実際には一つとび隣の席の米国人の後を追って)やっ
てみと、なんと、なんと、通路でビジネスクラスの客を追い抜き、JL72便の乗
客の中でほぼ先頭でゲートを脱出できた。さらに運の良いことにいつもはサテ
ライトとイミグレーションを結ぶ WIKI WIKI バス を使うのだが、今回はもっ
ともイミグレーションよりのゲートに到着したらしく、そういうものは使わな
いで徒歩だけで最短距離でイミグレに直行できた。実際問題、機内から出遅れ
た場合はWIKI WIKIバスには長蛇の列が出来ており、なおかつ三両編成の小さ
なWIKI WIKIバスの輸送能力はきわめて低いからここでかなり待つことになる。
そういう時は六時間半の運動不足解消もかねて、WIKI WIKIバスなどとっとと
諦めてイミグレーションまで速足で歩くのが正解だ。のんびり気分のハワイ初
めてツアー客といっしょに、ぼけーっとこんなところで時間を過ごすべきでは
ない。混雑したホノルル国際空港へ到着したら一刻もはやくここを抜け出す事
を考えたほうが得策というものだ。どうせ帰国時には時間があまってホノルル
国際空港内をうろうろすることになるのだから。

 ともあれ、私の場合そういう訳でいつもならすでに人で埋まっているイミグ
レーションが、今日はだれもいなくてほぼ先頭で突入できたのである。どうも
イミグレーションでは挨拶もしない日本人が多いから、せめて私くらいはとい
うことで「Good morning, Sir」とにこやかに挨拶をする。すると相手も人間
だから、にっこりと「Good morning」と返事が帰ってくるのだ。これは日本の
イミグレーションでも同じ事でパスポートを出すときに「お願いします」と言
い、パスポートを返してもらったら「どうもありがとう」が当たり前であろう。
しかしながら見ていると九割以上の日本人は、係官から何か尋ねられない限り
日本でもハワイでもイミグレーションで言葉を発する人はいない。いつもなら
ここで滞在日数とかきかれるのだが、今回は何も質問無しで黙ってパスポート
を通して入国OKとなった。当然「Thank you, Sir(言うまでもないが女性の係
官ならMa'am)」を忘れない。するとむこうも「You are welcome. Have a
nice stay!」だ。この一言でこれからの滞在も気分が楽しくなるというのに、
せっかくの挨拶を交わさない気の毒な日本人が多いのが不思議でならない。

 この後はバゲッジクレームで自分の荷物をピックアップするのだが、ここも
いつものツアーならすでに人がいっぱいなのに、今回は私がほとんど先頭で機
内脱出したものだから、待っているのは私がイミグレーションの後トイレに言
っている間(一人なので荷物を持たないうちに用を済ませるのは大切な心がけ
なのである)に出てきたエクゼクティブクラス(JALホノルル線にはファース
トはない)の乗客ばかり。荷物がかなり遅くなるだろうと思ったら、さらにラ
ッキーなことに、ほとんどエクゼクティブの荷物につづいて、つまりエコノミ
ーのほぼ先頭で出てきた。これは偶然そうなっただけのはずだが実に幸先が良
い。

(続く)