「お替わりはいかが? 〜1617〜」

1999.12.07 (Tue) ==========================

□ インフルエンザワクチンが無い?

 私が子供の頃は本格的な冬を迎える前に学校で原則として全員にインフルエ
ンザの予防接種があった。学校で原則全員に接種するというのは、非常に理に
かなった話しで、狭い場所で、ろくに換気もせず、大勢の子供達が朝から午後
半ばまでを毎日過ごすのだから、これはもうインフルエンザウィルスには天国
のようなところに違いない。

 家庭内で風邪やインフルエンザを最初に持ちこむのは、学童がいる家庭であ
ればかなりの確率で子供だろう。そして兄弟姉妹がいれば子供達同志で感染し、
それが学校へいってまた広げてしまう。さらに年寄りが同居していれば抵抗力
の弱い年寄りも犠牲になる。そして最後にくるのがお母さんかお父さんである。
お父さんやお母さんが会社勤めをしている家庭では、お父さんやお母さんが会
社や街から持ちこんでしまうときもある。

 ところが、いつのころからかインフルエンザ予防接種の効果に疑問が呈され
たり副作用が問題になったりして、希望者だけの接種になり、やがて全く行わ
れなくなってしまった。そして近年インフルエンザが毎年猛威を振るうように
なり、お年寄りや幼い子を中心に死者が出るようになり厚生省も気が変わった
ようだ。ついに今年に至ってはPRで「インフルエンザは風邪ではありません、
予防接種をしましょう」というような趣旨のことを言いだしたようだ。ワクチ
ンは昨年の不足経験から今年は2倍量を用意したという。

 そんなこともあって、ある人が近くの小児科や内科医に尋ねたところ、とっ
くの昔に在庫は無くなり今は予約待ち状態で、その待ち人数も二百人を超える
という。医師会に聞いてもここならあるという情報は無いそうだ。私のほうも
以前利用したことがある渋谷区医師会の予防接種センターに尋ねてみたが、や
はりこの冬の分はとっくになくなってしまったという。こういう状態なのに、
厚生省は相変わらず「風邪ではありません、予防接種を...」とほざいている。
予防接種を受けようにもそもそも病院はもとより医薬品問屋にも在庫がないと
いうのに、いったいどこで接種をうけろというのか。どうも政府のやることは
常々後追いだったり間が抜けていたりして実効を伴わない。まあ景気刺激策と
いえば相変わらずの建設行政しか思いつかぬ奴らに、まっとうなことができる
とは思っていないのだが....。

 本当にワクチンがないのか、あるいは米騒動の時のようにどこかに隠匿され
ているのか、真相はさっぱりわからない。どこに聞いてもわからない。こうな
ったらインフルエンザ予防は古典的だが効果のある方法に頼るしかない。すな
わち、一日何度ものうがい・手洗い・洗顔と人ゴミへの外出を避けることだ。