「お替わりはいかが? 〜1633〜」 1999.12.23 (Thu) ========================== □ 2000年問題 〜1〜 新たなミレニアムの始まりまであと一週間ちょっととなった。次のミレニア ムに突入したからといって急激に何が変わるわけではない。西暦なんて地球上 でごく一部の人間が一部の宗教に起因するであろう時の数え方をして喜んでい るだけでの話しで、大自然が西暦を中心に動いているわけではないのである。 共通の尺度があったほうが便利だからたまたまそれを使っているに過ぎない。 やれミレニアムだやれ二十世紀最後の年だと騒ぐのは、大晦日のカウントダウ ンパーティと同程度のものでしかない。 そんなことをいっても現実に年の計算基準としてコンピュータの世界では、 ころころかわる不便な和暦よりいまのところ計算基準がかわることがない西暦 のほうが便利だからそれが使われていることが多い。ユーザインタフェースで は和暦に換算表示されていても元のデータは西暦になっていたりするものだ。 しかし、それが故に2000年問題などという下らぬ問題が存在するのも確か だ。 私は過去二十数年間コンピュータソフトウェアエンジニアとして生計を立て てきたし、実際にソフトウェアの作成や設計なども数多く行ってきた。その中 では私が作成したソフトウェアの中で直接金銭授受等にかかわるシステムには 二千年問題は存在しない。例えばソフトウェアとしては西暦下二桁をデータと して記録していても、たとえば80以上なら1900を付加し、80未満なら2000を付 加してデータ演算処理を施しているし、閏年処理もきちんと施している。だか ら少なくとも日付の演算・比較ミスによる伝票の締め日等の2000年問題は 発生し得ない。 私はこういう立場でソフトウェア開発にあたってきたから、こうした基幹に かかわる部分についてそもそも2000年問題が存在すること自身が信じられ ない。しかし現実にはよのなかには完璧に下二桁だけで会計上の各種処理をし ているものもあるそうで、これはシステム設計者・プログラム設計者の無知と 怠慢としか言いようが無い。基幹にかかわらない部分で後処理に続かないよう いな末端の枝葉の部分ならともかくも、常識で考えればわかりそうなものであ る。あるいはコンピュータのリース期限内だけをターゲットに置いたのかもし れないが、とにかく西暦の下二桁がゼロになる、という基本的な概念が欠如し ていたとしか思えない。 (続く)