実はひょんなことから、最近 DVD(Digital Video Disk) というものの素晴らしさに目覚めてきた。もともとノートPC派であった私がデスクトップPCにも目覚めた結果だ。DVDの話しは後日するとして、ノートPCとデスクトップPCについて考えるところを書いてみよう。
これまでの私は「なんでもかんでもノートでこなす」ことに打ち込んできた。「なんでもかんでもノートPCでこなす」というのは内容にもよるけれど、まあ不可能ではないが、面倒なことも多いし速度もどうがんばってもデスクトップPCのほうが速い。そして何よりも費用がノートの場合は何かに付け非常に高くつくのが難点だ。
メーカーのノートPCのパンフレットはことさらにCPUのクロック速度だけを強調しているが、同じCPU速度でもバスの速度はノートPCとデスクトップPCでは、場合によって倍の開きがあるし、ハードディスクにしてもデスクトップのものは7200rpmでUltraATA66も珍しくは無いのに、ノート用は未だに4200rpm前後でアクセス速度にはこれまた歴然たる開きがあるし容量単価もかなりの開きでノート用の2.5インチディスクのほうが高価だ。
ノートで三十数万円以上だしても現市場で最高峰といえるのノートPCは買えないが、デスクトップなら最高性能のものを買ってさらにCD-Rとかスキャナとかプリンタくらいは買うことができるかもしれない。そのうえ最高性能・最高機能のノートはモバイルというには程遠い大きさ・重さとだから、結局のところ9割以上の時間は机の上に置かれっぱなしになるのではないだろうか。
どうせ置かれっぱなしになるなら、スペースは食うが画面も大きく性能も機能も高くコストパフォーマンスの良いBTOかショップブランドのデスクトップ・ミッドタワークラスのPCのほうがはるかに有用であること疑い無い。ゲームをするためのあるいはDVDを楽しむための高度なサウンド機能も、CD-RやDVDの増設や設置もノートでは不可能かかなり高く付くであろうが、デスクトップPCならさほど難しい話しではない。実際、ATAPIであれば内蔵のDVDドライブならバルクで一万円台半ばであり、デコーダソフトも実売でWinDVD2000なら5千円前後だ。さらにノートではほとんど不可能に近い5.1chのサラウンドもデスクトップPCなら対応サウンドカードやアンプとスピーカーを買えば(アンプとスピーカー費用はノートPCでもデスクトップPCでも同じだ)費用はかかるができてしまう。ゲームにしてもパワーを要求するフライトシミュレータの類は高性能なグラフィックアクセラレータはデスクトップ用に限られるから、どう考えてもノートPCでは苦しいのである。
私は長い間ノートPC一本でやってきて、かなりの費用をノートPC本体と周辺機器に投資してきた。しかしもうノートPCでなんでもこなすというのは、ばかばかしくなってきた。ノートPCにはノートPCでしか出来ないことがあり、デスクトップPCにはデスクトップPCでしか出来ないことがある。ノートPCでヘビーなゲームやマルチメディアなど何でもこなすのは馬鹿げた話しでメーカーを潤わせるだけだし、一方デスクトップPCを鞄にいれて持ち運び電車の中で使うのは不可能だ。互いに得意な部分を生かせる使い方があるはずなのだ。
私のこれまでの経験から、私はノートPCとデスクトップPCを両方もちシチュエーションに応じた使い分けを勧めたい。四十万円以上もする最高峰のノートPCと周辺機器を買う金があれば、その予算の半分でBTOやショップブランドで安価で高性能なPCを買い、残る費用に若干お金を貯めて、型落ちのA5ファイルサイズ以下のミニノートと最低限の周辺機器(LAN、CD-ROM、FDD) を買うほうがはるかに有意義ではないだろうか。
私としては、まずはデスクトップを買い求め、自分がパソコンでやりたいことは何なのかをデスクトップパソコンをいじくりまわしながらゆっくり考えることをすすめる。その結果やりたいことの中にモバイルがあれば、今度はモバイルで何をしたいかを考えてみる。メールかもしれないし、あるいは私のように「どこでも百科辞典・辞書」かもしれない。メールや個人情報管理がメインならWindowsCE機も候補に入れても良い。
私はA5サイズのノートとしてPanasonicのLet's note mini(AL-N4とCF-M32の2機種)を持っているが、用途を絞り込んだ結果実際に持ち歩いているのは、それらの半分の大きさ重さのWindowsCE機である、HEWLETT PACKARD社のJornada680である。OSこそWindowsCEになっているが、私をモバイルにひきこんだ名機HP100LXを想起させるものを感じる。
こいつはモデム内蔵だから通信する時はそのモデムを使うか、愛用のPHS(コンパクトフラッシュと同サイズのPCカードスロット対応のNTT DoCoMo 611S)を使えば、外出中のインターネットメールや@NIFTYのフォーラム巡回などもこれで足りてしまう。もちろんPIMは好き嫌いは大いにあるとは思うが、デスクトップPCとの連携の完璧さと機能の豊富さでは他の追従をゆるさない Outlook である。デスクトップPCで使う個人情報管理ソフトとPDAで使うそれとの相性というのは非常に重要で、PDA側が完璧にビュワーのみに徹するなら何でもよいのだが、実際に使っているとPDAでもその場で入力したいことが多い。こういう時にPDAとPCで項目の管理方法や内容に差があると同期をとってもかなりの不都合はさけられないのが実情で同期といっても事実上データは一方通行になってしまいかねない。この話しを深くするのは、ここでは本意ではないのでこのあたりにするが、WindowsCEというのもモバイルPCとしては用途によっては十分なことも多いのだ。
さて、次はデスクトップPCだ。デスクトップPCといってもピンからキリまでいろいろあるし、OSだけ付いたものから、数多くのソフトが山盛りのものまでさまざまだ。PCが始めてというのでなければ、ソフトウェア山盛りでお遊び機能満載のPCは、その機能が絶対不可欠というのでないかぎり(例えばSONYのVAIOにある動画編集機能など)は避けるべきだろう。一般にこれらはいわゆる入門者向けの盛り沢山なものでお買い得感がありそうだが、実際には使わない機能のほうがおおかったり、ハードウェアを追加しようとしても物理的なスペースや論理的なリソースが無かったりしてどうにもならないことがおおい。
ではメーカー製のハイエンドなPC(どちらかといえばビジネスモデルに多い)はどうかというこ、これは驚くべきことにハイエンドノートPCと良い勝負をした値段がついていたりする。ソフトウェアはほとんどOSだけだったりするのにやけに値段が高い。同じ機能・構成でDELLやGatewayといったBTOの大手をみると、構成によっては十万円から二十万円近い金額差があって、どうしてここまで差がでるかとすら思ってしまう。PCは同じメーカーであれば性能・機能と値段の比例関係はあるようだが、異なるメーカー同志ではそれはなりたたないことだ。それに価格が高いからアフターケアが良いとは限らない。大手PCメーカーのサポート窓口の電話などは年中話中でつながらないというのは別段珍しい話ではない。大対大手メーカーは大口企業ユーザには対応は良いが、利益が薄くてサポートだけがやっかいなコンシューマにはつれないものだ。
私のデスクトップPCのうち一台はGetewayである。もともと会社で買って仕事上いろいろな検証などに使っているのだが、非常に素直なPCであることから気に入って個人でも購入したというものだ。個人で購入して驚いたのは購入してから3ヶ月の間にメーカー側からフォローアップの電話が三回かかってきたことだ。
1度目はBTOでWebサイトから発注してPCが届いてから一週間後だ。届いたPCに問題はなかったか、付属品の不足はなかったか、梱包(外箱)などが破れていたり壊れていたりしていなかった、配達は(お客様の)指定した時間帯に行われたか、配達員の態度に問題はなかったか、使ってみて何か問題はないか、などとしつこいくらいに問題がなかったか、あるいは満足度についてどうであったかなどを尋ねられた。その後一ヵ月後、三ヶ月後くらいにやはり同じ趣旨の電話がかかってきた。
また、搭載しているハードディスク(ウェスタンディジタル)に不良が発生する可能性があることがハードディスクメーカーからの連絡で明らかになったということで、ハードディスクのシリアル番号と本体シリアル番号、そしてそのユーザ(つまり私)がデータベース上できちんと関連付けられているようで、ハードディスク無償交換の通知が来た。交換方法には3種類あって、技術員の派遣、メーカーへ送り返す、パーツを送ってもらって自分で交換するという選択肢だ。私は自分で交換を選んだが、この場合内容のバックアップ・リストアはセルフサービスとなるがそれは承知の上だ。指定された電話はどうせ他社同様話中だろうと思われたが、とんでもなかった。専用に設けられた番号らしく、呼び出し音一回で係員が出て、その件の対応窓口であることがすでにわかった。自分で交換する旨をそこで告げると一週間ほどで新しいディスクが送られてきた。ちなみに不良ディスクのほうは送られてきた箱に梱包して、同封の着払い宅配便伝票(あて先が印刷済みなのは当たり前として発送人である私の住所氏名などもすでにプリントされているから貼り付けるだけで手間いらずだ)を貼り付けて、あとはまた業者が取りに来てくれるのを待てばよい。自分でコンビニなどにもってゆく必要はない。
私が今まで使ってきたPCといえば、ノートPCでは東芝とPanasonic、デスクトップではGatewayとAppleだ。業務ではさらに多くのメーカーを使っているが、個人的に使ったノートPCの東芝とPanasonicでいえば、メーカーとしての対応姿勢はPanasonicのほうがずっとよい。東芝がダメだというのではなく、可も無く不可も無くといった感じでとりたてて誉めるほどでもないが、さりとてけなすこともない。Panasonicはあるトラブルがあったのだが、それについては直接開発部門からの連絡があったりして、その対応の真剣さと素早さには恐れ入った。特に松下電器というい超大手メーカーだからそうした細かな対応には期待していなかっただけに感動すら覚えた。大企業だとどうしても動きも官僚的になりがちなのだが、少なくともパナソニック・コンピュータ・カンパニーに関してはそんなことはなかった。そしてGatewayである。Gatewayがサポートの良さでトップに選ばれたというのも、わかるような気がする。マニュアルも馬鹿丁寧すぎず、さりとて簡略すぎず、要点をとらえたものであり好感がもてる。デスクトップPCとしてはミッドタワーを買うなら筆頭のお勧めBTOメーカーである。
とにかく、メーカーや販売店の口車に載らないことが一番大切だ。
Copyright (C) 2000, あいちゃん, All rights
reserved.
筆者に無断でこのホームページの全部もしくは一部を転載、複写、再配布することを堅く禁止します。