この文章が掲載されている「あいちゃんの部屋」(http://village.infoweb.ne.jp/~aihiro/)から、リンクされている私のサブWebサイト(分室とでもいうべきか)に「旅路の部屋」(http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/9266/)があり、そこでは私の近年の旅行が全部ではないが、海外についてはすべての旅行を、文章と写真を含めた旅行記として公開している。それを見ていただくとわかるが、ここ3年ほどは毎年のようにビーチリゾートに出かけている。3年前がマウイ(米国)、2年前がサイパン(北マリアナ連邦)、昨年がハワイ島(米国)と一人旅のマウイ島だ。そして今年のプランはというと、昨年と同じく家族でゆくハワイ島と一人旅のマウイ島だ。
今年のハワイ島は同行の相手は違うが、やはり別の知人家族とご一緒させて頂くことになっている。昨年の場合はツアー(知人はJAL PACKのAVA, 私のほうはJTBのLOOK)だったが、今年は完全個人手配である。
「ハワイへ行く」というと、なーんだ、という顔をする人が少ないように感じるのは私の思い過ごしだろうか。だが、なーんだという顔をする人に限って、実はハワイへは行ったことがないとか、あるいは、そもそもビーチとかリゾートには全く興味がないという人もいる。どうもハワイというとテレビ番組でよく見かけるオアフ島のワイキキ近辺の日本人であふれた通りとビーチを想像するようだ。確かにテレビ番組で見るとおりこのあたりには日本人があふれているから、そういう意味ではテレビ番組は嘘をついていない。しかし、そうした風景がハワイのすべてを語っているわけではなく、むしろハワイのごくごく一部のそのまた一部に過ぎない。
現在ワイキキのカラカウア通りとワイキキビーチに日本人観光客が週中する理由はあきらかである。旅行代理店の店頭へ行き、無料で貰える各種ツアーパンフレットの中で「ハワイ」と書かれているものを片っ端から見てみると、その理由はすぐにわかるであろう。それらのツアーの大半、格安ツアーの九分九厘は間違い無く、ホノルル(ワイキキ地区)のホテルに数泊滞在するツアーなのである。
どうも日本人はツアーが好きなようだ。不思議なことに国内旅行では個人手配の個人旅行をすることが多いのに、海外となるとどういうわけかツアーが大盛況である。これは成田空港に行けば一目瞭然で、第2ターミナルのJALのチェックインカウンターの団体カウンターはいつもツアー客で混雑してるが、個人客を扱うカウンターは比較にならないほどすいているのである。もっとも団体カウンターにいるからツアー客とは限らなくて格安チケットの人もいるのだが...。
とにかく、ハワイへのツアーは旅行代理店の看板商品でもあり売れ筋商品でもある。日本から最も近いアメリカ合衆国の州(日本から最も近い米国はグアムであるが、グアムはアメリカ合衆国の州ではない)だし、昔から「あこがれのハワイ航路」なんて歌にもなっているくらいのもので、良くも悪くもハワイは日本人にとって身近な存在のように思える。
だが、実際のところ、昔の私がそうであったように、ハワイについては身近に感じているだけの話しであり、多くのツアー観光客は、ワイキキに滞在してワイキキビーチで甲羅干しをし、化粧品やらブランドバッグなどを買い漁るだけで、それ以外のハワイを知らない人が多い。行って見るとわかるが、日本人がワイキキに集中しているのは明らかで、そこから一歩出るととたんに日本人がいなくなる。ましてマウイ島やハワイ島になると一部をのぞいては日本人はほとんど見かけない。場所によっては気候や風景も全然違うし、これが同じハワイかと思うくらいのものだ。日本人が一杯いるから悪いとか、日本人が居ないから良いとかいうつもりは全く無くて、両者は非常に異なったものであり、どちらも現在のハワイの一面であるということを知るべきだいうことである。実際にハワイの各地を訪れずことなく、テレビ番組で放送される日本人であふれたワイキキの風景だけを見て、あんなに日本人観光客が多くて観光ずれしたところは...と、いうのは大きな誤解である。
日本人は群れる習性があるようだが、海外ではとりわけそれが顕著になるようだ。実際ワイキキのあたりでも日本人がたむろするのは、実はワイキキのなかの限られた地域だけであって、さきに書いたようにそこから一歩でるといきなり日本人がまばらになったりするから不思議だ。これはワイキキに限った話ではなく、マウイならばカアナパリのホエラーズビレッジ近くのホテル(The Westin Mauiなど)は、トップシーズンは思いっきり日本人だらけだし、JALの直行便でハワイ島のコナへ降り立った日本人の八割近くは、ワイコロアやその近辺の豪華ホテルへむかうツアー専用ピックアップバスへと消えてゆく。実際、昨年私はカイルア-コナに滞在したが、空港を降りて大勢の客がピックアップを待っていたが、ワイコロア方面の声がかかると、ほんとうに八割近くの人がいなくなってしまい、ぽつんと残された私達家族は買えって不安になったくらいだ。ことほどさように日本人ツアー客は流行り物の豪華ホテルに群れるのである。
話しが大分脱線したけれど、とにかく今年も私はハワイ島(the Big Island) へ行くことになっており、同行者や家族、そして自分にアクシデントが起こらないことを祈るのみである。「あいちゃんの部屋」の中の「旅路の部屋」を見ていただければわかるが、昨年夏はグアムの予定で予約も全部済ませ、いろいろ予備調査も終わったのに出発直前になって娘が高い熱を出してしまったため、泣く泣くキャンセルしたという経緯があるのだ。微熱ならともかく、動けるような熱ではなかったからやむをえない。ちなみに昨年一月に一緒にハワイ島にいった知人氏宅ではやはり子供が年末から熱を出して、一時はキャンセルも考えたが、なんとか熱もさがったという綱渡りだった。大人でも病気になる可能性はあるが、子供の場合はとにかく突然熱を出す可能性が大人とは比較にならないくらい高いから、子連れ旅行は常に綱渡りなのである。
さて、ハワイ島旅行だ。旅先でのプランを立てるにあたって洋の東西を問わず書かせないのがガイドブックである。大きな書店の旅行関係書籍売り場に行くと、ハワイだけでもかなり多くのガイドブックが並んでいる。しかし、その多くはオアフ島中心、それもワイキキやその近辺のホテルとショッピングとレストランを集中攻撃している。これは、先に書いたように旅行代理店のハワイへのパッケージツアーのほとんどが、ワイキキのホテル滞在であることから見ても傾向は一致している。また若い女性向けの旅行雑誌のハワイ関係の記事の大半はやはりこの地域のレストランやブランドショップである。旅行雑誌の癖にハワイの自然や景観・歴史を書いたものがほとんどないのが不思議だが、どうも若い女性を読者層にする場合は、とにかくブランドバックやブランド衣料などを前面に出さないと部数が伸びないというからあきれてしまう。若い女性が海外パッケージ旅行のお得意様である以上、ツアーもガイドブックも旅行雑誌も彼女達の求めるところに帰着するというわけだ。
とにかくハワイのガイドブックは数有れども、ハワイ島を専門に詳しく取り上げたガイドブックは一種類しかない。それは「地球の歩き方リゾート ハワイ島」(http://www.arukikata.co.jp/gio/books/res-hwi.html)である。「地球の歩き方」というと、バックパッカー向けの旅行ガイドである(ここを勘違いしてファミリーでこれを主に参考にして行って、ハズしたなんて話しを時折聞くが、旅行ガイドにもターゲット読者層があることを知るべきだ)が、リゾートシリーズのほうはこれは全く違うシリーズである。ハワイ島のガイドブックとしてはこれが一番詳しい。ほかには、オアフがボリュームの半分以上を占めてはいるが、意外に侮れないのが最近JTBから出ている白い表紙のガイドブック「ワールドガイド」シリーズのハワイ(http://www.jtb.co.jp/rurubu/03backno/wguide/hawaii.htm)だ。これは地図が結構的を得た詳しさで結構役に立つ情報も多い。昨年秋の「おじさんマウイ一人旅」の時もこれは大変参考になった。ハワイのネイバーアイランド(オアフ島以外の島)のガイドブックで選ぶものがあるとすれば、「地球の歩き方リゾート」シリーズ(http://www.arukikata.co.jp/gio/books/booketc.html#reso)か、「JTBワールドガイド」シリーズ(http://www.jtb.co.jp/rurubu/wguide/wguide.htm)である。
しかし、これらのガイドブックも所詮は日本のそれであって、掲載内容は良くも悪くも日本人好みになっている。レストランは結構高いところばかりが紹介されているし、ホテルやコンドミニアムにしても日本人好みの高級なところが中心だ。そこで、注目したいのがアメリカのガイドブック、つまりハワイを訪れるアメリカのメインランド(本土)の旅行者向けに作られたガイドブックである。これは日本国内で買うことは難しくて、洋書を販売している大手書店(紀伊国屋など)へ行っても、そんなに種類があるわけではなく、洋書の常として日本で販売される価格は、米国内の価格の二倍前後になる。つまりUSD10ほどのガイドブックなら、日本では二千円前後になるというわけである。
ここでお勧めしたいのはWebによるオンライン通信販売(個人輸入)である。オンライン書籍としては有名なのは Amason.com (http://www.amazon.com) である。ここをアクセスして(当然全部英語だ)旅行書のところへ入ってゆき、アメリカからさらにハワイに入りハワイ島(the Big Island)やマウイ島(Maui)を選ぶと、数十ものガイドブックや関連書籍が出てくる。オンライン書店だから中身を手にとって選ぶことはできないから、私の場合は次のような点を購入基準にしている。
一つは売上ランキング。売れている本が良いとは限らないし、売れていないから良くないとは限らないが、ガイドブックの場合は文学書とは違うのである程度目安になると思う。次が編集者が書いた本の紹介。これでどういう旅行者をターゲットにしているかある程度わかる。アウトドア系のアクティビティを多く紹介しているなら、アウトドア派の旅行者を対象にしているだろうし、ファミリーで楽しめるアクティビティやレストランを紹介しているなら、当然家族向けだ。そしてもう一つは読者の感想だ。こちらのほうは「期待はずれ」というものから「素晴らしい」と思うものまでさまざまだが、検索結果一覧からは星の数で目安をつける。そしてプラス評価であればその評価に同意している他の読者の数も目安だ。どちらにしても自分の手にとるわけにはゆかないから、一種の賭けであるのは確かだ。
私は、これまでにハワイ島、マウイ島、カウアイ当のガイドブックを合計六冊、Amazon.comから購入している。どれも自分なりに選びに選んだものだから後悔しているものはないが、一つ傾向があることに気づいた。アメリカは車社会だから、ハワイについても日本のガイドブックとちがって、当然島内を車で移動することを前提にしているものがほとんどだ。車で移動するとなると必要なのは地図だ。地図そのものはレンタカーを借りるときにレンタカーオフィスでもらう事ができるが、それにはガイドブックに掲載されている店まで載っているわけではない。ここで必要になるのがガイドブックに連動した地図だ。日本のガイドブックの良いころは、詳しさの差はあれども紹介している店のほとんどは、ガイドブック内の地図にかかれており、この店は何ページの地図のどこを見れば載っているというのがわかるようになっている。しかしアメリカ製のガイドブックの多くは、電話番号とストリートアドレス(住所)が載っているだけで、時に言葉で何号線と何号線の交差点近くにあるとか書いてあるものもあるが、ほとんどはやはり電話番号とストリートアドレスだ。習慣の違い、文化の違いといえばそれまでだが、これは時として困ることも多い。こちらがやはり島で車を使ったとしても、何々ストリートの1456番地といわれても、さっぱり検討がつかない。
私が買ったハワイのガイドブックの中で、地図と説明の対比はないが、店が載っている地図が多くあるのは、"Frommer's 2000 MAUI (ISBN0-02-862986-8, US$14.95)"だ。これは最初の説明には、マウイ島を訪れる外国人のための解説もあり、治安などについてもかかれている数少ないガイドブックのようだ。この本にはマウイ島の大きな地図も綴じ込みでついており、ミシン目で切り離して普通の地図のように使うこともできるのはメリットだ。全く同じシリーズではハワイ全体のもの("Frommer's 2000 HAWAII")があるが、こちらは持っていない。
こうした日米のガイドブックと前回(昨年一月)に行ったときの記憶を元に、次回の計画を立てるわけである。前回は、Kailua-Konaで六泊したが、今回は最初はHiloに入りそこで二泊して、Kailua-Konaへ回って五泊して帰国である。Hiloの街をちょっと楽しんで、ボルケーノ国立公園をゆっくり見るためには、やはりKailua-Konaから行くのはきついのである。たかが一つの島とはいえ、ハワイ島は四国の半分ほどの大きさがあり、ハワイ諸島の他の島(ラナイ、カウアイ、ニイハウ、マウイ、オアフ、カアオアウェ、モロカイ)のすべてを合わせたよりまだ大きいのである。オアフを一周するのとは、車でもその走行距離においては訳が違う。Kailua-KonaからHiloへの日帰り往復はヒロであまり時間が取れないし、ボルケーノにしても同様である。ボルケーノを楽しむためには絶対Hiloに滞在したほうがよい。
ハワイ島に宿泊するツアーは数多くあるが、ほとんどはKailua-Konaのホテルか、Kohala-Resortsのほうの高級リゾートホテルに滞在するもので、HiloとKailua-Konaの二箇所滞在なんてツアーは私が知らないだけかもしれないが、見たことがない。ハワイ島を存分に楽しむには車は不可欠だし、またパッケージツアーではHiloとKailua-Konaの二箇所といったことができないから、個人手配が原則であろう。
私はすでに航空券を予約・購入ずみで、座席のほうもJALの事前座席サービスによりシート番号ももらっている。行きはホノルルまでJALで行き、そこからハワイアン航空でヒロまで飛ぶ。そこで車を借りて(これは知人氏の手により手配済み)、Hiloの宿に向かい二泊滞在し、その間にボルケーノもたずねようというプランだ。それから車で北周りでWaimea経由でKailua-Konaに向かおうというわけだ。Kailua-Konaでは滞在中何箇所かのポイントと足の脛くらいの深さでもトロピカルな魚を見ることができるカハルウビーチや、非常に美しいといわれるハプナビーチで一日を過ごすなどを計画している。
これらの経路で主なレストランやポイントも前回の経験以外にアメリカ製のガイドブックを元に調べている。日本のガイドブックは主として地図を見るだけだ。ただ、レストランの場合、味の評価というのは当てにしていない。アメリカ人の味覚と日本人の味覚はかなりことなるし、美味しいと感じる料理にもかなり差があるから、主に見るのはサービスの良し悪しや価格ゾーン、営業日・時間やウリのメニューだ。ガイドブックは日米を問わず店からデータを出させているものが多いが、"Hawaii The Big Island Revealed (Published by Wizard Publications, ISBN0-9639429-6-4, US$14.95)" は、筆者達が実際にビジターとして滞在し、店の取材は個人として(つまりガイドの著者であるというのは明かさずに)行っているから、なんらかのメリットを享受するかわりに良い評価を書くことがある他のガイドブックとは訳が違う。良くも悪くも筆者達が体験したことをもとにかかれている。だから、店によっては貶されていることもあるし、訪れる価値もないともかかれているところすらある。これは大いに参考になるガイドブックであり、ハワイ島旅行を考えている人はぜひ買ったほうがよい。
旅行の楽しみは、旅をすると決めたときから始まる。日程を考えて調整し、宿を調べて価格交渉をし、同時にエアーを探して席配列なども調べ希望する予約クラス(エコノミーといっても何種類もある)のチケットでその席がとれるかどうかも調べたりする。そして宿がとれそうなら、エアーを確保して同時に宿も予約を入れ、クレジット番号を予約デポジットとしてFAX送付する。そして現地滞在中のプランを考えるために、より詳細なガイドブックを書店はAmazon.comから購入して調べるのである。私に言わせればこの間の調査や計画というのは、旅の最大の醍醐味ではなかろうか。旅は現地だけのものではないのである。そうして現地で楽しみ、楽しんだあとは写真を整理したり、私のように駄文を書いて写真とともに旅行記をまとめたりするのは旅の最後をしめくくる楽しみだ。こうして旅行記をこまめにまとめておくと、実は他人様より次回の自分の旅行のときに非常に参考になるのである。前回はどうしたんだっけ?というのはよくある話しだが、それも自分の旅行をみればすぐにわかる。
ハワイ島出発までまだ三ヶ月半はあるが、現地プランの概略は立てた。もう一度ガイドブックを眺めることにしよう。
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