「あいちゃんの散歩道」

第34回 アメリカという国


■ 日本がべったり寄り添う国、アメリカ

日本ってのは、第二次世界大戦が終わってからというもの、ずーーと、アメリカべったりの国であった。「あった」という表現は正しくない、いまだに、アメリカべったりの国で「ある」。アメリカがくしゃみをすれば、日本が風邪をひくなんて、言葉が当たり前にまかり通っていた国だ。

英語一つとっても、日本の学校教育で教えられる英語は、イギリス英語ではなくアメリカ英語だけであり、イギリス英語との相違すら教えられることはない。いや、それどころか、英語には本家のイギリス英語と、派生とも言えるアメリカ英語(もちろん他にもあるとは思うが大別するとである)があることすら、教えられない。だから、そういうことに気づくのは、英文系とかでないかぎり、イギリス英語との接触があって、「変な英語、つづりが違うじゃん」とかで気づくのである。

■ 民族の多様性がパワーの源なアメリカ

米国の社会システムというか国の姿勢にはメリットも多いが、どうにも理解できないところも多い。もともとが移民の国で、自国の歴史なんてものがないから、歴史を振り返って歴史から学ぶことはせず、自らが歴史を作りひたすら目先しか見ないけど、移民による多様性が大きなパワーの源になっているのは確かだろう。その点は彼らもよくわかっていて、だからDV( diversity immigration)プログラム(いわゆるグリーンカード抽選システム)なんてのも存在するわけだ。日本はただしくは単一民族ではないが、他国との血の交わりがほとんどなく過ごしてきたので、極端にいえば一億総近親相姦状態ともいえて、シンプルであることのよさはもはや消えうせ、民族としてのパワーが失われつつあるから、これはこれで問題だが...。

■ いまだに銃完全規制ができない国、アメリカ

米国の変なところは、いくつもあるけれど、不思議でならないのはいまだに個人の銃砲所持が禁止されないことだ。全米ライフル協会のなせる仕業だってのは確かにあるだろうけれども、国土面積のわりに治安にあたる警官が少なく、多民族ゆえに摩擦も多く犯罪が多いからやむをえないということもあるのだろう。とはいえ、自衛のためという大義名分で銃所持を許可しつづける国というのは、はっきりいって好きではない。といっても、個人の銃所持を喜んでいるのはアメリカでも銃マニアと悪いやつくらいかもしれないが...。近年はアメリカ国内でも銃規制の動きは少しずつひろがりつつあるようだが、まだまだ日本のように完全規制ではない。州の自治権が大きすぎるのも問題のひとつだろう。

■ 国の公的医療保険が無い国、アメリカ

また、国としての医療保険システムが存在しない(Medicareといった高齢者医療保険、Medicadeといった低所得者医療扶助はとりあえず存在する)に等しいことも不思議で、企業に勤務していれば企業が入っている医療保険に参加できるが、個人ではピンからキリまでの民間医療保険と個別契約しなければならないことだ。これは健康で金のある人には何ら問題はないけれど、持病や生まれつきの病気がある人には民間医療保険は極めて不利で、その上貧乏だともう病院にもかかれなくて、野垂れ死にするしかないではないか。フェア(平等ではなく機会均等)をモットーとする国ではあるが、こと医療に関しては機会均等どころか、恐ろしくアンフェアである。同じ北米でも、おとなりのカナダとはえらい違いだ。

■ 戦争をしないと生きてゆけない国、アメリカ

国の姿勢としても変なところがあって、もともと常に戦いつづけて大きくなったところがあるから、戦い続けないと国が沈んでしまうと思っているフシがある。とにかくいつもどこかに敵を作ってそこに国民の目を向けさせて国威を発揚させる感じだ。September 11のテロ、これは絶対許せないし、こういうことを考える、行う人間や為政者、国は厳しく罰せられるべきであることに全く意義はないが、この時以来の米国内の報道はかなり異様である。ニュース番組やニュースサイトはいつみてもテロの報道だらけで、それも戦意をあおりたてるようなものばかりで、いっときなどは報復戦争に反対するものは、アメリカ国民の敵であり国賊であるとすら言われかねない勢いだった。他国に比べて、かなり自由に物が言えると思われる国で、こういう状態はかなり異様で、戦前・戦時中の日本を想起させ震撼とする思いがした。ようやくテロの報道が少なくなってきたとおもったら、今度は大統領の "Axis of evil" (邪悪の枢軸)発言ときて、テロで高揚した戦意を、新たに敵を作ることで維持しようとしているのかもしれない。

■ 環境に無関心な国、アメリカ

環境問題にしてもしかりで、他国が京都議定書をなんとか批准しようと努力して、少しでも環境悪化を防ごう(遅らせよう)としているのに、アメリカは離脱してしまった。世界最大の二酸化炭素排出国であるという意識の欠片もないのではないだろうか。

■ 我侭な子供と同じ、アメリカ

これでは、ただ顔と泣き声がでかいだけのわがまま坊主と同じではないか。国際社会としては、こんな国に国際政治の主役をやらせるべきではない。


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