初心者向け:航空会社の上級会員ステータス獲得入門 (回数修行の話:前編)

初心者向け:航空会社の上級会員ステータス獲得入門 (回数修行の話:前編)

回数修行について

ステータス修行の種類を整理します

これまでの2回で簡単ですが説明した修行の種類について簡単に復習しましょう。

全日本空輸(ANA – 「アナ」ではなく「エー・エヌ・エー」)

  • 搭乗距離に応じて付与されるプレミアムポイント(通称PP)を暦年の1月1日から12月31日までの搭乗で、50,000ポイントを貯めることで、プラチナステイタスを獲得でき、ANAのクレジットカードでSuper Flyers Cardを作れば、カード会費を払う限りプラチナ会員相当の待遇を終生受けることができます。大元のANAのクレジットカードは一般カードでもゴールドカードでもOKです。

ANAのプラチナ会員カード

日本航空(JAL)

  • ANAと同じ、Fly On Point (FOP)を暦年の1月1日から12月31日までの搭乗で、50,000ポイントを貯めることで、テレビでも有名になったかもしれないサファイアステイタスを獲得できます。
  • もうひとつ、今回の話題ですが、同じく1年間の間にマイル積算対象運賃(ですから特典航空券利用は含まれません)で50回搭乗することで、サファイアステイタスを獲得できます。

どちらも同じく、JALカードでJAL GLOBAL CLUBカードを作り年会費を払えばサファイア会員相当の待遇を終生受けることができます。

ただし、JALカードは普通カードではダメです。CLUB-Aカード、CLUB-Aゴールドカード、そしてあまり縁はないですがプラチナカードです。

修行を終えてサファイアをとってCLUB-Aゴールドを申し込んで審査落ちしたらシャレにならないので、修行にかかるまえに事前にCLUB-A以上のJALカードを取得しておくことが事実上の前提条件といってもいいでしょう。

回数修行はJALのみ

そういうわけで、年間50回搭乗するという回数修行はJALのみとなります。

50,000ポイント貯めるより50回搭乗する方が簡単?

あるいは、

50回も搭乗するより、シンガポールに何度か行って50,000ポイント貯めるほうが簡単?

正解はありません。それは個人の価値観や事情によって異なるからです。いずれにせよ、ANAで50回飛んでも50,000PP超えなければ何も起こりませんので勘違いしなように。



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回数修行を始めるにあたって

ポイント修行と異なる点

一番大きな違いは、ポイント修行ではできるだけ長い距離を乗るので、1日何便も乗ることは普通はありません。(地方空港からの乗り継ぎ等はあるかもしれませんが)。ですから、基本的に乗り継ぎでのディレイにより、乗り継ぎ先の便に搭乗できないなんてことはあまりないわけです。

それに比べると、1日何便も乗る回数修行では、確率的にディレイに遭遇する可能性が高くなりますし、乗り継ぎ時間も概して短いのでディレイの影響は下手すればその先の搭乗プランを破壊する可能性もあるわけです。

なので、基本的には綿密な計画が必要なのが回数修行。

ただし、例外もあります。費用を別にすれば、羽田-伊丹を1回1往復の2レグだけする。それを25回やる!といったプランならディレイやキャンセルリスクは少ないし、リカバリも非常に容易です。飽きちゃうと思いますが、こういうのも手です。

事前準備・心構え

回数修行では日帰りで何フライトも乗る、あるいは1泊程度で何フライトも乗るので、事前準備が必要ですが、なんといっても回数修行は体力と精神力勝負です。

というのも、フライトとフライトの間の時間はどうしても短くなる、下手すれば食事時間も取れない、トイレがやっとというときもあるわけです。

そして2つの空港を二度ほど往復すると、「俺、いったい何やってんだろう?」という自己疑問にもつながります。それを乗り切る強い精神力(笑)も必要です。

  1. 修行日前には体調を万全に整えておく
    そりゃそうですね、腹具合が悪くて何度もトイレに行くような状況で、1日数フライトをこなせるわけがありません。
    それと、飛行機に乗っているだけですので歩かないようですが、どうして、どうして、空港は広いのです。空き時間には空港の中のお店を見回ったりするでしょう?結果的に朝家を出てから帰るまでに2万歩以上あるくのは珍しくありません(経験談)。
    なので、体調万全でないといけません。多少の寝不足は機内で細切れ睡眠がとれますが….

  2. 広い空港をダッシュできる体力を作っておく
    1日数フライト乗るのですが、これらは基本的に乗り継ぎとなります。予約時点では60分見ておけば十分だろうと思っていても、一旦外にでて保安検査を受け直さないといけないような状況(空港事情)で、保安検査が長蛇の列だとか、60分あるはずなのに、50分ほど遅延が発生したため、飛行機を出るとグランドさん(グランドスタッフ)が待ち構えていて、「一緒に走ってください!」と言われる可能性があります。
    そのときには広い空港を若い体力のあるグランドスタッフと一緒にダッシュすることになります。10m走ってよれよれの体力の人は、回数修行向きかどうかは1日数回以上乗る回数修行には疑問があります。
    セントレア
    セントレアの制限エリア内
    上の写真は中部国際空港(セントレア)の国内線制限エリア内ですが、こういうだだっ広いところを、グランドスタッフさんと一緒にダッシュすることもあるんです。
    だから体力が必要。鍛えておきましょう。
    運が良ければ、ダッシュ一度もなしでサファイア会員になれるでしょう(笑)。そう思いたいですね。

  3. 荷物は持込みの小さなものだけにする
    これは、乗り継ぎ時間が短いので預け入れ荷物にするのは禁物です。1泊だと必要なものが乗り継ぎに間に合わず、1日の最終降機地で着替えがないということもありえます。
    機内持ち込みの手回品のみにし、できるだけ小さく軽く小さめリュック1個程度に。1泊でも日帰りでも、です。
    キャリーはダメです。キャリーではグランドスタッフさんと一緒に100m、200mとダッシュできないから。

飛行機にディレイはつきもの

飛行機にディレイはつきものであり、1日に何度も乗る回数修行では確率的にもディレイに遭遇する可能性が高くなるのは避けられません。

そんな回数修行にはこの言葉がぴったりです。私が大好きな言葉の一つです。

楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する

京セラの創業者であり、戦後最大の負債額を抱えて経営破綻した日本航空(JAL)を再建した辣腕経営者の言葉です。JALということで修行に関係なくもない(笑)

楽観的に構想し、

  • とにかく楽しみながら、ステータス獲得した後の計画とかも立てながら、あそこも行ってみよう、ここも行ってみたいなとか、修行ならでは楽しみがあります。

悲観的に計画し、

  • 飛行機にはフライトのディレイは日常茶飯事。ディレイが絶対おきない路線なんか存在しません。搭乗を計画している便の過去の遅延状況をflightrader24.comflightawareなどのサイトでチェックしておくこと。
  • 到着機材遅れや、空港混雑による出発遅れ・着陸遅れ(特に夕方の成田や羽田)は日常茶飯事です。30分くらいの遅れはざらだと思うべきです。飛行機は新幹線ではありません。
  • 過去一〜二ヶ月におきたディレイの最長がおきたときにどうするかのプランを練っておく。
  • 乗り継ぎ先の便が、その目的地への最終便だったりすると、そこでその日は打ち止めになりますので、そういうことも念頭に置いて計画を立てる、荷物を決める(日帰り予定で急に1泊せざるを得ないので、そのリスクが高いときは最初から1泊の荷物を持つ)こと。これは精神的に大いにゆとりにつながります。
  • ディレイは本当にマジで胃が痛みます。
  • 当然、悪天候の時にどうするかというのもあります。出発前の悪天候で危ういのか、あるいは東京はOKだが、九州は荒れているとか…。

楽観的に行動する

  • ここまできっちりした計画なら、ちょっとしたディレイ程度なら完全に想定内になります。結構起こりうることなのに、計画に入れていないとなると、それは計画が甘いというわけです。修行といえどもビジネスと同じ。違いは、計画が甘い!としかる上司がいないだけ。
  • 想定外の出来事が起こるのをいかに少なくするかです。30分のディレイも考慮しておけば想定内ですが、全く考えていないと飛行機の中でやきもきして神経をすり減らします。
  • 50回搭乗という業務目標を、最小の費用と時間とリスクで達成するわけです。これがビジネスプランニングでなくてなんでしょう?そういう訓練になる「かも」しれません。
  • あとは、フライトは空港滞在を思い切り楽しみましょう。何度も行っている空港でも新たな発見はあるものですよ。
  • ディレイも30分までなら吸収できる、1時間だと完全にアウトだとかレベルも考慮する必要があります。

中間まとめ

思ったより長くなったので、続きは後編とします。

いかがでしょう?

ポイント修行にしますか?回数修行にしますか?

途中で方式を変更するのは時間と、それ以上にかけた費用の無駄になります。よーく考えましょう。

では、続きは後編で。



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