新型コロナウイルスで、春の海外旅行はどうすべきか?

新型コロナウイルスで、春の海外旅行はどうすべきか?

春休みに海外旅行を計画している方、実際に予約をしている方も多いと思います。いよいよあと2ヶ月きったね!と家族で楽しみにしていた矢先に新型コロナウイルスの感染拡大です。さあ、どうしましょう?答えは自分で出すしかありませんが、考えるヒントをお届けします。

※本記事の情報は3月2日時点のものに基づきます。


まず感染予防の基本を知ろう!

WHOの情報より

WHOのビデオが非常に端的でわかりやすいです。英語ですが字幕もあり簡単ですので見てください。海外旅行を計画しているならこれくらいは理解できる必要がありますよ。

自分を感染から守り他人に感染させないために。

なぜ他人との距離を取らねばならないのか?

簡単に要約し、筆者のコメントや付随情報を添えておきます。

頻繁に手を洗う

常に手を清潔に保ちましょう。アルコールベースの消毒剤があればそれを使うのも有効ですが、一番良いのはまず石鹸での丁寧な手洗いです。石鹸がなければ流水で15秒以上洗うだけでも手についたウイルスの99%は落とせます(出典:厚生労働省「手洗いの時間・回数による効果」)。

他人との距離を取る

特に咳やくしゃみをする人とは最低限1mの距離を置くのがよいでしょう。

眼・鼻・口に触れない

清潔でない手で眼・鼻・口に触れてはいけません。人間は無意識で眼・鼻・口に触れています。

その他感染防止のヒント

メガネの常時装着

メガネ(コンタクトはダメです)を常用することで手で眼に触れる機会を大幅に削減できます。実際、メガネ(視力に問題はないので上は素通し、下は老眼のbi-focalレンズ)を常用するようになってからは、熱を出して寝込むような風邪・インフルエンザにはぴたりとかからなくなりました。素通しの伊達メガネを常用することでも手で眼に触れるのを妨げる効果があります。コンタクトはダメといった理由はそれです。

メガネに直接ウイルス感染を防止する効果はありませんが、汚染された手で眼に触ることを妨げる効果は間違いなくありまして、やってみるとわかりますがメガネをしていないとふとしたことで手が眼に触れていますよ。

健康な人のマスク装着は他人へのジェスチャーにすぎない(不要です)

非感染者がマスクをすることをWHOは推奨していません。

以下は「Q&A on coronaviruses (COVID-19)」(WHO)からの引用です。

Should I wear a mask to protect myself?
People with no respiratory symptoms, such as cough, do not need to wear a medical mask. WHO recommends the use of masks for people who have symptoms of COVID-19 and for those caring for individuals who have symptoms, such as cough and fever. The use of masks is crucial for health workers and people who are taking care of someone (at home or in a health care facility).

感染予防のためにマスクを装着すべきですか?
咳など呼吸器症状がない人はマスクは不要です。WHOは新型コロナウイルス感染している人、咳や熱などの症状がある人の世話をする人についてマスク装着を推奨します。マスクの使用は医療従事者や自宅や医療機関等で誰かの世話をする人にとっては大変重要です。

マスクの装着は上記引用の通りですが、満員電車でマスクをしていないと、トラブルの元になる可能性が出ています。皆異常なまでに神経質になっておりパニック寸前とも言える状況ともいえます(そのくせちゃんと手を洗う人はまだまだ少ない)ので車内トラブルを防ぐためにはだてマスクは必要かもしれません。その場合は貴重な使い捨てでなくてもよいでしょう。ただ、使用後の扱いの注意は同じで、マスクの外側に触れない、直接ポケットやバッグに入れない(必ずポリ袋に入れて密閉する)ことは必須です。

海外旅行をどうするかの判断材料

冒頭に書いたように、最終的には各個人の判断ですが、判断の材料を提供したいと思います。

航空会社の情報などは日々変化していますので必ずご自身で確認してください。

日本から入国禁止措置の国

以下の国々は過去14日以内に日本に滞在した人の入国を認めないとか、所定の健康診断書の提示が必要といった条件がありますので、普通の観光旅行などは現時点では諦めるしかありません。

新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)

モンゴル、キリバス、クック諸島、サモア、ソロモン諸島、ツバル、バヌアツ、仏領ポリネシア、マーシャル、ミクロネシア、トリニダード・トバゴ、イスラエル、イラク、クウェート、サウジアラビア、バーレーン、コモロ

日本からの渡航者に行動制約がある国

以下の国々は程度の差はありますが、14日間の強制隔離や自主隔離を必要としたり、所定の検査を受けたりすることを求めている国具です。

観光旅行レベル(修業も含む)ではやはり渡航は断念するほうが安全です。

新型コロナウイルス(日本からの渡航者・日本人に対する各国・地域の入国制限措置及び入国・入域後の行動制限)

インド・ケララ州、キルギス、タイ、中国、ネパール、ベトナム、ラオス、仏領ポリネシア、コロンビア、セントビンセント、セントルシア、チリ、パラグアイ、カザフスタン、ジブラルタル、台湾、ジョージア、タジキスタン、トルクメニスタン、マルタ、ラトビア、イスラエル、オマーン、パレスチナ、シエラレオネ、スーダン、ベナン、リベリア、バーレーン

赤文字は日本からの観光客が多い国です。

タイ

感染地域との間を出入国する者に対し,14日間の自宅やホテル等での自己観察及び外出時のマスク着用等を要請。また,入国時に発熱等が確認された場合には帰国を勧告。同勧告に従わず,入国をする場合は,医療機関での14日間の隔離措置。中国,香港,韓国,シンガポール,台湾及び日本といった地域からタイに帰国した学生及び教員に対し,14日間,教育機関への通学及び通勤を停止し,自己観察することを要請。

台湾

日本からの渡航者に14日間の自主健康管理(検温・マスク着用等)を要請(シンガポール,イタリア,イランにも同様の処置)。

これら以外の国々

現時点において上記以外の国々では制約はありません。

しかし、日本も立派に感染国なので、本人・アジア人というだけで感染リスクを理由に差別的扱いを受ける可能性は否定できません。

こうした差別への対処は物理的に感染防止をするより遥かに対処が難しくなります。時には、暴力沙汰に発展し怪我をしても病院でも日本人・アジア人ということで診察を受けられない可能性も否定できません。

同国人ですら、クルーズ船から帰国(無感染・無症状)した人に対して、差別的な行いや落書きをされたり、警察に通報されたり、あからさまにこの街には住んでほしくないと言われる例もあるそうです。

ましてや異国の日本人です。

ただでさえ人種差別を受けやすい黄色人種なのに、それに新型コロナウイルス感染が広がっているとなると、近寄らせたくないのは当然とも言えます。

こうした状況も踏まえて、渡航先は慎重に選ぶべきですし、渡航可否も検討すべきです。

ハワイは?

今の所、ハワイで爆発的に感染者が増えている情報はありませんが、州内で自主隔離している人は何十名かいるそうです。

日本人観光客で経済が持っているような州ですし、日本人と同じ顔立ちの日系人も非常に多いので、欧米のようにいきなり差別ということは考えにくいです。

そんな日本人フレンドリーなハワイ州であっても、渡航前にコロナじゃなくて風邪かもしれないけど具合がわるくなった(微熱がある、咳が出るなど)なら渡航は断念するほうが良いでしょう。

もし本当に新型コロナウイルス感染であれば、感染している可能性があるかもしれないのに平気で渡航した日本人ということで責められることは間違いないですし、それを機に日本からの渡航規制が厳しくなるかもしれません。

現在、ハワイ州へのフライトはJAL・ANAともに変更やキャンセルの特別扱い対象路線ではありません。キャンセルするとキャンセル料がかかります。もったいないけれど、発熱・咳などが見られたら絶対渡航スべきではありません。



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飛行機内は安全なのか?

確かに飛行機は密室ですが、満員電車と違って空調フィルタにはHEPAフィルターが使われているのが普通で、粒の大きな飛沫などは通しません。ただし、ウイルスそのものは0.1μm程度で、HEPAフィルターは0.3μm粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率を持つと規定されておりますので、単独のウイルスをキャッチできません。

新型コロナウイルスは空気中に漂うウイルスから感染する空気感染ではなく、飛沫などを介しての接触感染とされているので、機内で空気中のウイルスそのものを過度に心配する必要はなさそうです。

ただし他人との距離が近いのは間違いありません。距離が近い順にいくと、エコノミークラス<プレミアムエコノミークラス<ビジネスクラス<ファーストクラス になりますので、極端な話ファーストクラスを使えば他人との距離を心配する必要はないでしょう。

しかしエコノミークラスで隣の人が咳き込んでいたりしたら地獄ですね、気分的に地獄です。その場合はCAさんに言って席を変えてもらうかと席をしている人を離してもらうかしたほうがよいと思います(空席があればですが)。

機内での感染予防は冒頭に書いたものと同じです。

それに加えて以下点に注意。結構神経質なことを書いていますのでここまでしなくてもいいかもしれませんが、機内の消毒などは夜間整備の際しか行われないのが普通ですので、それなりの自己防衛は必要かと思います。

  • 自シートで手の触れるテーブル・肘掛け・タッチパネル・リモコンなどは汚染されている可能性は否定できないので、自前でアルコールティッシュを持ち込み拭いたほうが安心できます。
  • 使いまわしされている機内誌などもあまり手を触れないほうがよいかもしれない(神経質な人は触れないほうがよい)
  • トイレのドアノブや水道のレバーなども素手で触れることは避ける(手を洗わない人もいるので普通に汚い!)。
  • 搭乗待ちのときは可能な範囲で人混みから離れて待つ(限界がありますが)。
  • 大勢の人が触れた可能性がある部分を触れた手で首から上は触れない。触りたいときは手を洗ってから。
  • 航空会社のラウンジも時間帯によっては結構込み合うので、そういうときはラウンジには居ないほうがよい。ラウンジ外のほうが遥かにすいていたりします。

まあ、飲まず食わずで寝ちゃえば良いわけですが、長距離フライトになるとそうもいかないので(笑)。
いずれにせよ機内は街中と同じ注意さえしていれば過度に心配することもないと思われます。
機内で大量感染があった例はないですし、CAさんの感染例も非常に少ないようですので。つまりCAさんは非常に慎重に自己防衛しているわけですから、旅行者も同様に気をつければ済むだけです。

まとめ

海外旅行であっても国内での普通の生活であっても、手洗い励行(マスクは感染している恐れが無い限り不要)、眼・鼻・口には触れないといった基本的な防護策は重要。

外務省から入国規制や入国後の制限が発表されている国への観光旅行は諦めるしかない(台湾・タイも含まれるので注意)。

日本からの渡航者というだけでいわれのない差別を受ける可能性は否定できない。アメリカでは同国人同士でもトラブルになっているので、日本人というだけで差別される(時には暴力的に)可能性を完全に否定できない。

コロナウイルスに関係なくても風邪症状があったら渡航は控えるのが無難(下手すると入国拒否される)。



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