楽天モバイルが新しい料金プラン Rakuten UN-LIMIT VI を発表しました。大手三者横並びの20GB実質2,980円対抗策ですが、これにつられて主回線をMNPすると悲劇が待っているかもしれませんよ!
Rakuten UN-LIMIT VI
料金体系
こちらがRakuten UN-LIMIT VIの料金プランとなります。
使用データ料 | 料金(税別) |
~1GB | 0円(無料) |
1~3GB | 980円 |
3~20GB | 1,980円 |
20GB | 2,980円 |
国内通話:Rakuten Linkアプリ利用時に限ってかけ放題
国内SMS:Rakuten Linkアプリ利用時に限って使い放題
かけ放題の罠
この国内通話かけ放題は嘘ではありませんが、大きな罠があります。
Wifi接続状態でRakuten Linkから発信した無料通話は非通知になる!
番号通知が必要であればWifiを切るか、20円/30秒の通常発信しかない。
今どき、非通知着信なんてなっても出ないか拒否でしょう。
そもそも、非通知着信拒否設定がデフォではないですか?
Rakuten UN-LIMIT VIで無料通話の恩恵を受けられるのは、番号非通知の発信でも全く問題がない人だけです。
そんな人いますかね?
今どき!
この件、今一度実機チェックしてみました。
・WifiがオンになっているとRakuten Linkアプリから発信できない(相手に着信するまえにすぐ切れる)
あら?
前回は非通知になったパターンですが、今回は発信すらできなくなっています?
ますます怪しい。
以前、WifiありでRakuten MiniのeSIMでテストしたときは、Wifiありでの発信では非通知になりました(仕様通り)。今回nanoSIMに切り替えて、同じくWifiありでUnihertz Jelly 2で試したら、相手に着信する前に勝手に切れてしまいました。いずれにせよ使えないことに変わりはありません。
Wifiがあろうがなかろうが電話は電話。無料通話なんて罠にはまらないことです。
エリアについて
割当バンドの罠
Rakuten Mobileのサイトによれば…
楽天回線エリアは2021年夏までに人口カバー率96%に拡大予定
だそうです。
楽天モバイルの使っているバンドはB3 (1.7GHz帯)の1バンドのみです。
一方、docomo、au、SoftBankは700MHz~900MHzの周波数が低く建物の影などにも回り込みやすい「プラチナバンド」を各社2バンド割当られています。
結果的に、地上でもビルの影や建物の中では、プラチナバンドが使える三大キャリアでは通信ができますが、1.7GHz一本勝負の楽天モバイルは電波が届かない事態が発生します。
割当帯域にしても三大キャリアはプラチナバンドを含めて240~250MHzあるのに、楽天モバイルはB3の40MHzだけです。
契約者が増えていくと通信量も増えてそれだけ逼迫度がたかります。細い道路に沢山の車が押し寄せるようなものです。一方、三大キャリアは片側4車線くらいの道路です。
割当周波数の問題は楽天モバイルだけの責任ではなく、楽天モバイルも政府にプラチナバンドの割当を切望していますが、利用者にとっては罠以外の何者でもありません。割当が楽天モバイルの責任なのか政府の責任なのか知ったこっちゃありません。それを承知でサービスを開始したのは他ならぬ楽天モバイルなのですよ!
都会での罠
先に書いたように、楽天モバイルはB3(1.7GHz)のみで電波の回り込みが良いプラチナバンドが使えないため、地図上ではエリア内でもビルの影などだといきなり圏外になる可能性があります。
このようなことを防ぐために、楽天は自社負担で毎月5GBを上限にau回線を使えるようにしていました。
ローミング対象周波数は800MHz帯ということなので、パートナー回線になり容量制限は出てしまいますが、ビルの中や谷間・地下鉄などでは楽天回線ではなくパートナー回線ではつながっていたわけです。
このニュースリリースによれば、
都道府県毎に楽天モバイル株式会社の自前エリアの人口カバー率70%を上回った時点で両社の協議を以て、各都道府県のローミング提供の継続・終了を決定します。
となっています。
さらに「東京都については2021年3月末に原則終了」とされています。
これで何がおこるか?
三大キャリアおよびそのMVNOだと、
・地上
・地下通路
・地下鉄改札やコンコース
・地下鉄ホーム
・地下鉄社内
東京の都心であればこれらのどこにおいても圏外になることはまず無いと思います。
しかし楽天mobileだと改札付近まではOKだったがホームに降りたら圏外になった(パートナー回線へのローミングが切られているので)とか、電車が走り出したら切れたなんて、携帯初期時代に戻ったようなことになります。
あるいは、屋外からビルに入り(エレベータの中は圏外でも仕方ない)、さらにビル内部に入ると切れてしまう、ということが出てきます。
今一度、自分のスマホの使い方を振り返ってください。
・スマホを使うのは屋内のほうが多いのではないですか?
・地下鉄に乗っているときスマホは使わないですか?
・大きなビルの中でスマホを使うことが多くないですか?
この場合、楽天モバイルでは圏外になります。
圏外だとキャッシュレス決済でSuicaは使えますが、PayPayなどのQRコード決済は通信ができないと使えません。
まとめ
楽天モバイルが新プランRakuten UN-LIMIT VIを発表した。
楽天モバイルの通話料無料は「番号非通知」でしか使えない。
都心ではauのローミングが使えなくなりつつあるので地下鉄や大きなビルの中では圏外になる可能性が高い。東京都については2021年3月末でauローミングが終了するので、プラチナバンドを持たない楽天モバイルでは致命的に実質エリアが狭くなる
これらの罠を承知の上であればサブとしては役に立つシーンもあろうが、主回線としてはリスクが高すぎる。