有線充電とワイヤレス充電の事故リスク

有線充電とワイヤレス充電の事故リスク

NITEのワイヤレスイヤホンの事故情報を分析していてUSBコネクタ部の異物に関わる事故があることに気づきました。だからといって有線充電よりワイヤレス充電が安全というわけでもないでしょう。今回はこれらの事故リスクについて考察しました。

この記事でわかること
USBコネクタ部にかかわる事故発生実態(NITEのデータ)と、有線充電とワイヤレス充電の事故リスクの考え方と事故のリスクを下げるための注意点がわかります。

この記事では主として「USBコネクタ部」に着目しており、それ以外のUSB充電器(ACアダプタ)そのもの、モバイルバッテリーやスマートフォンのバッテリーそのものには着目していませんのでご注意ください。

リスク要因は少ない方が事故発生の危険が少ない

当たり前のことです。

  • 1. バッテリーの数は少ない方が事故が起こる可能性が減る。

  • 2. ケーブルは少ない方がケーブルを痛めたり痛んだケーブルを使う可能性が減る。

  • 3. 充電用の物理的な接点は少ないほうが短絡などの危険が減る。

  • 4. 構造はシンプルなほうが故障しにくい。

通常のケーブルを使う充電は2〜3にあてはまりますが、ワイヤレス充電は4に反します。どちらかが一方的に安全ということはありません。

有線充電のリスクと安全につかう注意点

先日の記事 では、ワイヤレスイヤホンの事故の中で「もらい事故」を除く5件のうち2件がUSBコネクタ部の異物が原因で短絡して発熱や発煙・焼損に至っているものです。

これが事故の原因の一つになりうるとすれば、スマートフォンやモバイルバッテリーの充電でも同じ注意が必要だと言えます。

特にスマートフォンのUSBコネクタには高頻度でケーブルの着脱が多いので痛みも早いし異物が挟まる可能性も高いわけです。

といってもより安全に有線充電を使うのは難しくありません。

・ケーブルの被覆の傷みやよれがないことを確かめる。
・コネクタ部に近いケーブルの付け根に異常な折れや被覆の傷みがないこと。
・USB TYPE-Cであれば外側の金属部分に変形がないこと。
・ケーブルのプラグ具分に異物や濡れがないこと(USB TYPE-Cは周囲を金属で囲われているのでわかりにくい)。
・充電される機器(スマホなど)のジャック部分に異物や濡れがないこと
・ケーブルはきつくぐるぐる巻きにしてはいけない。
・バッグにしまうときは小さなクッションポーチなどに入れる。
・ケーブルをぐるぐる巻きのまま通電しない。

面倒ですがこれらを地道に実行していれば、ケーブル自身やコネクタ部起因での事故は激減するのではないでしょうか。

Apple純正ケーブルは被覆がすぐに痛む傾向がありまして、すぐに外側の白い被覆が敗れて中の色のついたコードがみえたりしますね。そうなったら寿命と思って買い替えましょう。純正だから高品質とも限らないのが辛いところですが。

ワイヤレス充電器のリスク

ワイヤレス充電は有線充電のように高頻度でケーブル抜き差しはありませんので、USBコネクタ起因事故に関しては明らかにリスクは減ると考えられます。

しかし電磁誘導を使うという特性上、充電パッドの上に金属が落下したり金属を含んだ小銭入れなどの物品を不用意に置いたりすると発熱して事故になりかねません

それを避けるためにMagSafeもQiもそれぞれ安全性担保を含めての規格があり、その規格を満たして設計されたものかどうかという認証があります。

どちらも認証取得には費用と時間がかかりますので、格安で出して売るだけ売ってバッくれたい悪徳事業者には敵のような認証でもあります。

マークがあってもマークからして偽物というケースもあるので油断がなりません。それをさけるためには真っ当な名の通ったメーカーのものを買うことです。通販や格安ショップなどで無名の品には絶対に手を出さないこと。

MagSafeならばAppleの「Made for Magsafe」認証、QiならばWireless Power ConsortiumのQi認証がそれにあたります。

Phone用のワイヤレス充電パッドであればApple純正品か「Made for Magsafe」認証マークが入った充電パッドを使用する。

Apple MagSafe充電器
Apple MagSafeデュアル充電パッド
Apple MagSafeバッテリーパック
Belkin MagSafe認証ポータブルワイヤレス充電パッド15W (Power Supply Not Included)
Belkin MagSafe 2-in-1磁気ワイヤレス充電スタンド
Belkin MagSafe 3-in-1 Wireless Charger 15W
等々。
BelkinでもMagSafeを歌いつつ認証のない製品もありますので要確認です。
★当たり前といえば当たり前ですが、Apple純正のMagSafe製品にはわざわざMade for Magsafeのロゴはありません。

Qiであれば「Qi認証」があるQi規格の充電パッドを使用する。

<Qi認証のロゴマーク (Wikipedia「Qi (ワイヤレス給電)」より>



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ワイヤレス充電パッド使用時の注意

ワイヤレス充電パッドは単に有線でコネクタに接続するものよりは圧倒的に構造が複雑であり、物の道理として複雑なものは壊れやすくトラブルを起こしやすいことを忘れてはなりません。

先に書いたようにワイヤレス充電は電磁誘導を利用しておりますので、パッドの上に金属製の異物があると異常な発熱などの原因になります。それをさけるためにQiでは異物検出機能を備えることが必須になっています。これはQiの上位規格であるMagSafeも同様です。

規格に沿って設計され認証マークがあるもものを選ぶ必要があります。さらに万一のために充電パッドの上に金属物が落下しないような場所に置くことも重要です。

昨今、地震も多いので揺れにより予期せぬものがパッドの上に落下することもありますので、寝る時や出かけるときはかならずワイヤレス充電パッドに給電しているACアダプタをコンセントから抜くといった安全対策も欠かせません。

通電していなけなければ、バッテリー内蔵でない限りそこから火が出ることはありません。

充電器の類はスイッチ付きタップを使って元からオフにできるようにするのも良い方法です。

全部一括で切れるようなタイプも切り忘れがなくて良いです。

たまにACコンセント部分の掃除をしてトラッキング火災防止もお忘れ無く。

まとめ

有線充電、ワイヤレス充電共に事故リスクはあり絶対安全な方法は存在しない。

有線充電はUSBコネクタ周りやケーブルの点検・使い方などを注意することでリスクが下がる。

ワイヤレス充電は不用意に金属物や金属を含むもの(小銭入れなど)がパッドの上に落下したり置かないようにする。

ワイヤレス充電は異物検知が必須なので、Made for MagsafeやQi認証マークのある名の知れたメーカーのものを使う。メーカー品と比べて相当安く聞いたこともない会社の品は認証マークがあっても偽造の可能性があるので絶対買わない・使わない。

使わないときは有線もワイヤレスもUSB充電アダプタをコンセントから抜くかACタップのスイッチを切る。



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