デジタルカメラの進化カーブは対数カーブだ、今後はどうなるのか?

デジタルカメラの進化カーブは対数カーブだ、今後はどうなるのか?

だれでも経験あると思いますが、ある趣味に熱中した時期があれば、あまり振り向きもしない時期がありますね。筆者の場合カメラ(撮影ではなくハードウェアとしてのカメラ)がそれに該当するようです。

今回は筆者の趣味の一つであるカメラを取り上げますが、特に電子機器においては同じ傾向がありますので、進化の状況を知っておくことで投資計画が立てられるかもしれません。電子機器の進歩は対数カーブであり、その傾きがなだらかになるときは進化が頭打ちにになり、次の大きな技術革新が起こるまでカーブはどんどん平らいになっていくでしょう。

カーブが急な時は買い替えが頻繁になり、成熟期は当然買い替えなくなるわえけです。


カメラ購入記録で見える化した結果

一眼レフ・ミラーレス一眼・コンパクト・交換レンズについては1997年7月に購入したOLYMPUS C-820Lというコンデジを皮切りに、直近ではPanasonic LUMIX DC-G99ボディに至るまで購入記録をつけています。

EXCELにして記録しているわけですが、暦年毎に区切りを入れてみると一年分の行数がとても多い年もあれば、まったく購入していない年もありました。

感覚的には気づいていたわけですが、あらためて区切りを入れてみて、ハードウェアとしてのカメラに対して熱中期と冷却期の差が著しいのに気づいたわけです。

もう一つの趣味である楽器の類は一度買うとそうそう買い替えるものではないですが、デジタルカメラは結構買い替えています、

なぜそんなに買い替えていたのだろうかと振り返りました。それはデジカメの進歩が著しいときにはやはり買い替えが高頻度でありまして、それはPCの性能が数年以上前までは毎年劇的に進歩しOSも劇的に高性能になり同時に重くなるので、ハードウェアも新しくないとついていかないので買い替えるという現象に似ています。

時間軸に対して性能向上カーブが急峻な場合に買い替え頻度が高くなるようです。

これは対数グラフに似ているといえます。

下のグラフはEXCELで作成した、Y=log10X(10を底とする対数)のグラフです。

縦軸を性能や技術、横軸を時間に考えると、黎明期(赤い部分)は急速に進化し、その後進化の速度は落ち着いてきます(青い部分)。

この場合、デジカメの性能向上が赤い時期にあるときは自分の買い替え頻度も高い。それが青い部分に来ると製品として成熟してきて価格もハイエンドにシフトしてくるので買い替え頻度が激減する。進化の幅が小さいので買い替える必要を感じないわけでもあります。

コンデジ急速進化時は買い替え頻度が高い

スマートフォンのカメラの進化ですっかり地位を失ったコンデジですが、先の対数カーブでは赤い部分がちょうどコンデジ進化時期にあたりました。モデルチェンジや性能・機能進歩も著しかったのです。とにかく毎年毎年すごい進化していくわけです。この進化のカーブはスマートフォンやPCも同じです。

スマートフォンはキャリアとの契約があったりしてそれが一定の歯止めになっていましたし、PCは内部の情報や環境移行がめんどくさいということでこれまた歯止めになっていましたが、コンデジはキャリア縛りないし内部情報もないので、2004年ごろから2007年ごろは結構コンデジ(ネオ一眼も含むレンズ一体型)の買い替えが激しかったです。

カメラ性能的には今のスマホカメラのほうがずっと上という性能でしたので、性能が劇的に進化したモデルが次の年に出てくるともうだめ、居ても立っても居られないほどの差があったのです。

2004年〜2012年にかけて主に買ったコンデジ:
PowerShot A80、DiMAGE Z1/Z3/A1、Caplio R1/R2/R3/GX/GX8、GR DIGITAL、LUMIX TZ1/FZ50/FX150/FX60/LX2/LX3/LX5



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普及型コンデジ終焉期はハイエンドコンデジ黎明期でもあった

2013年になると高性能のハイエンドコンデジが出てくるようになり、筆者の好奇心もそちらに移りました。

2013年〜2021年にかけて主に買ったハイエンドコンデジ:
FUJIFILM X100、LUMIX LX100、Cybershot RX100M3/RX100M5A、VLOGCAM ZV-1G

これらの中で一番好きなのはRX100M5Aでして、これは今も愛用しております。
手放す気はないし手放すことができない理由もあります。

衝撃!RX100M5Aの下取り査定は何と50円!!!!!

 

うーん、なんですよね。

まあ、手元に置いてくれ!というRX100M5Aの気持ちなのかと考えるようにしています。

愛したRX100M5Aですものね、最後までお付き合いします!

時代はミラーレス一眼へ

筆者が最初に買ったデジタル一眼はE-1(マイクロでないノーマルフォーサーズ)でした。

ミラーレスじゃなくてデジタル一眼レフのやつです。

ファインダーは電子ファインダーではなく銀塩とおなじ光学ファインダー。

E-1を買ったのは2004年でした。

E-500やE-3も買ったりしましたが、オリンパスがミラーレスのマイクロフォーサーズに方向転換しましたので、フォーサーズのボディ・レンズは全部処分。

最初に買ったミラーレスのマイクロフォーサーズは意外なことにLUMIX GF1でした。

その後、G1、GH1をはじめとしてコンパクトさを売りにしたマイクロフォーサーズに溺れていまして、これはその後も続きます。

コンパクトミラーレスに熱中したのは、コンデジが頭打ちになって面白く無くなってきたからでもあるでしょう。

2009年から購入したマイクロフォーサーズ(コンパクト機):
LUMIX GF1/GF2/GF3/GX1/GX7/GX7MK2/GX8、OLYMPUS E-PM1/PM2/P5

こうしてみるとコンデジも含めてPanasonicにかなり貢献していますね(笑)。

この時期はマイクロフォーサーズ発展期だったと言えます。

一方コンパクトではない本格スペックのミラーレスにも手を出しています。

2010年から購入した本格スペックのマイクロフォーサーズ:
LUMIX G1/G3/G8/G99/GH1、OLYMPUS E-M1/E-M1 Mark II

LUMIXはこの頃から写真主体路線のGシリーズと、動画性能を重視したGHシリーズに分化しはじめておりまして、それが現状でも健在。

マイクロフォーサーズではG9 PRO/G99が写真主体の現役モデル、GH5 IIとGH6が動画重視の現役モデルです。

現在Panasonicはマイクロフォーサーズの先行きと限界が見えてきていることもあり、フルサイズのSサイズに力を入れていますが、動画撮影に関連する機能ではGH6には及びません。あくまで写真の高性能化だと考えています。

GH6の機能として、

・タイムコードジェネレーター内蔵でTC IN/OUT両方の機能を持つ
・4K12bit動画のRAWデータのHDMI出力
・XLRアダプタ(別売り)を使うと4chまでの最高96kHz/24bitの録音が可能。

などがあり、フルサイズのLUMIX Sシリーズもここまでの機能はありません。

必要になるであろう、あるいは必要かもしれない機能はあった方が結果的にのちのち無駄な投資を回避できます。

現在GH6導入に向けていろいろ活動?中です。

デジカメ進化の今後の予測は頭打ちなので高級機を買え!

スマートフォンカメラ機能の進化により、デジカメはどの領域でも高機能・高性能・高価格化して生き残る道を模索するでしょう。

普及型コンデジは絶滅であり高性能なハイエンドコンデジだけが生き残ります。これはスマホでは物足りないけど、ミラーレス一眼は手に余るという人はそれなりに多いと思うからです。

ミラーレスも低価格の普及型は、ハイエンドコンデジにその座を譲り、メーカーは利益率の高い高級機にシフトしていく。APS-Cやマイクロフォーサーズがすぐになくなることはなく、一方でフルサイズモデルの価格が落ちてきて手が届きそうなものが多く出てくる。これはセンサーは大きければ良いというものではないからです。

すなわち、ハイエンドコンデジAPS-C/マイクロフォーサーズの本格機フルサイズの比較的低価格機とプロ級高級機だけが生き残るのでしょう。

デジカメの進化は、今後エポックメイキングなものが登場しない限り対数グラフのほぼ平坦な部分にあると言っても良いでしょう。

今後の極端な進化が見込まれないのですが、コンデジにせよ、ミラーレスにせよ、フルサイズにせよ予算の許す範囲で高級機を買った方が長く使えると言えます。



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