マンバーカードはセキュリティが心配?それより貴方のスマホのセキュリティを心配しなさい

マンバーカードはセキュリティが心配?それより貴方のスマホのセキュリティを心配しなさい

健康保険証と運転免許証をマイナンバーカードに統合されることが決まりました。ワイドショーでは「セキュリティを心配する声も聴かれる」と闇雲に報じています。何事も正しい知識を持って正しく恐れることが重要です。マイナンバーカードの中身には機微情報は入っていませんが、スマートフォンのほうがよほど多くの機微情報がありますよ、そこのあなた!

マイナンバーカードの中身

総務省の公式情報を見てみましょう。

[公式] マイナンバーカード
https://www.soumu.go.jp/kojinbango_card/03.html

要約するとマイナンバーカードのICチップには以下のような内容が記録されています。

・基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別);性別以外は免許証表面と同じ
・顔写真情報
・個人番号(12桁数字)
・署名用電子証明書(パスワードは英数字):e-Taxなど電子申請の際の改ざん防止、5回以上間違えるとロック
・利用者証明用電子証明書(パスワードは数字):一般の行政手続きなどで本人であることを示すために使う、3回以上間違えるとロック
・住民票コード

運転免許証には本籍地情報がICチップに記録されていますが、マイナンバーカードには記録されていません。免許証の表面に本籍地が記載されなくなったのは、本人が出自を知られなくないからというのが理由のようです。

ワイドショーなどで放送される街の声には「セキュリティが心配」というのがあります。そういう声があることは否定しませんが、「セキュリティを心配する人」に限ってそもそも何が心配なのかわからないとか、自分の全ての情報がここに入っているという大いなる勘違いがあるようです。

マインバーカードへの不安払拭

心配という声に対して

自分の医療情報といった機微情報が入っているので無くすと全てバレる?

前述のとおりそんなものは入っていません。それどころか日本では電子カルテの統合すらできておらず、本人のこれまでの病歴確認が医療機関で即座にできる必要性が新型コロナでようやく叫ばれはじめたくらいです。現実には本人はおろか医療機関や政府ですら実態がわからない状況です。誰も知らない情報をカードに入れることは不可能です。

限られた医療情報(電子カルテ)にしても専用のシステムにアクセスしないと医師ですら見ることができません。

自分の全財産情報や収入・納税情報が入っているので無くすと全てバレる

これも医療情報と同じですが、そんなものがすぐにわかるのであれば確定申告そのものが不要になります。

わからかないから確定申告させるわけです。

確定申告された所得情報は前述のとおりマイナンバーカードには含まれていません。政府や自治体のシステムにアクセスしないと入手不可能です。

戸籍・住民票情報がばれる

表面に文字として記載されているものは見ればわかってしまいますが、性別以外は運転免許証と同じです。

そもそも本籍とかマインバーカードにはありません(運転免許証のICチップには入っています)し、住民票コードから辿ろうとすると自治体の専用システムにアクセスしないと入手不可能です。

とにかくありとあらゆる個人情報がバレる

どこぞの専制主義管理社会ではないので、日本では良くも悪くもあらゆる個人情報が一箇所に統合されているようなことはありません。

そもそも自治体や政府ですら個人の全ての情報なんざぁ知ることができません。

マイナンバーカードによる情報漏洩のリスクは極めて小さい(どのような事であってもリスクは絶対ゼロになりません)わけですが、一方でみなさんがお持ちのスマホの中には個人情報が山ほど入っており、大抵は4桁の簡単なパスコードだけでしょう?

マイナンバーカードのように3回間違えたらロックされてしまい役所に出向ないと解除されないような厳しさもありません。マイナンバーカードを心配するよりも自分のスマートフォンのセキュリティを心配しましょう。自分のスマートフォンをなくす方が危機です。

スマホをなくしたけなのに…..って映画がありましたよね?

でも顔認証はどうだろうか?

とはいえ心配事は一つ。

一部では顔認証がありますがその精度です。

顔認証で一般民間人が普通に使えるものの中で高精度なのはiPhoneのFace ID、Windows Hello、Androidスマホの一部機種の3D顔認証だけでしょう。

マイナンバーカードの申請には一枚の写真を出しただけで、Face ID登録のようにカメラの前で顔をぐりぐりさせて3D情報を登録したわけではありませんので、認識精度はかなり落ちるであろうことは想像に難くありません。

とはいえマイナンバーの顔認証は窓口係員やクリニック受付の人がいますからあまり心配はないですが、無人の機械で顔認証だとなりすましもありえます。ただしその場合利用者証明用電子証明書の数字パスワードも必要となると思いますし、それは3回間違えるとロックがかかって市役所へ出向かないとカードが使えないことになります。



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マイナンバーへ統合メリット

忘れる可能性が減る

車に乗るのに運転免許証を持たない人は少ないと思いますが万一バレると免許証不携帯で3,000円の反則金です。

一方、病院やクリニックにいくときについうっかり毎月の保険証提示の時に忘れてしまうことがあります。運がよければ次回来院時にお持ちくださいとお目溢しが多いと思いますが、厳しいところ(というかルールを厳密に運用しているところ)では、その時は十割負担で全額自腹で払い、次回補健康保険証を持参したときに保険負担分を返金してくれるところもあります。

1枚になると忘れる可能性が減りますが、一方で万一忘れてしまうと3,000円の反則金+7割分自腹立替ということにもなりかねませんが…..。

運転免許証がなくても身分証明ができる

かなり多くのところでマイナンバーを身分証明として受け入れるようになっていますが、100%定着しているかというとそうでもなさそうです。

現在、本人確認の主流である運転免許証が廃止され、マイナンバーカードと統合されることで否が応でもマインバーカードを本人確認の手段として認めざるをえなくなります。

持ち歩く重要なカードが1/3になる

公的な証明関係としては、パスポートを除けば運転免許証、健康保険証、マイナンバカードがあります。

これら3つを持ち歩くよりはマイナンバーカードだけを安全な方法で持ち歩く方が紛失リスクが減りますし、紛失した場合の手続きもより簡素になります。単純計算で紛失リスクは1/3です。

健康保険証紛失はマジで結構やばいのは事実でありまして、普通は顔写真がないのでサラ金などで比較的容易く借金できるところがあるようです。顔写真がないから裏面に記入した住所などを暗記すればOKになっちゃう。身分証明の一部として利用可能なのに、セキュリティなんか何もないのです。こんなものを持ち歩いちゃいけませんよ、本来は!

それにマイナンバーカードだけになることで、紛失にも気付きやすくなります。普段医者に罹らない人は健康保険証の紛失に長期の間気づかない可能性もあります。運転免許証でもペーパードライバーは気づかないかもしれません。

財布が少しだけスリムになる

運転免許証は微妙に分厚かったりしますが、財布から運転免許証と健康保険証がなくなるとカードスペースが少し楽になりますね(笑)。

まとめ

マイナンバーカードに全ての情報が入っているわけではなく、電子証明書2種類と免許証表書きなみの限られた情報しか入っていない。

正しい情報を得て、正しく恐ることが肝心である。



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