「ちんちくりん」と「つんつるてん」、同じ言葉で関東と関西が違うので話が通じないこと(妻と私)

「ちんちくりん」と「つんつるてん」、同じ言葉で関東と関西が違うので話が通じないこと(妻と私)

我が家は妻が関東で筆者は関西の東西夫婦(そんな言葉あるのか?)。結婚してもうかなりの年数が経ちますが未だに東西の言葉の違いで話が食い違うことがあります。先日テレビに出演していた背の高い女性演者さんを見て出た言葉の「ちんちくりん」と「つんつるてん」です。東西で結構意味が違うのですが、実のところどれをとってもあまりポジティブな表現ではないようです。

「ちんちくりん」と「つんつるてん」

突然ですが、このイラストを見てください。

大きくなって着物が合わなくなっている女の子

この状態は「つんつるてん」ですか?「ちんちくりん」ですか?

「つんつるてん」と思った貴方は関東あるいは東日本の方?
「ちんちくりん」と思った貴方は関西あるいは西日本の方?

単純に東か西かというシンプルな区切りではないようです。

筆者の理解はこんな感じです。

ちんちくりん:
・関東:身長が低い人
・関西:衣服の丈が短すぎて身長にあっていない

つんつるてん:
・関東:衣服の丈が短すぎて身長にあっていない
・関西:頭が完全に禿げていること

ちなみに、関西でも地域によっては「ちんちくりん」を人に対しても使う(関東と同じ)そうです。

冒頭の妻との会話。

妻「あの人(背の高い女性の演者さん)に普通の服を着せたら『つんつるてん』だね。
私「???(禿げてないぞ、洋服着たら禿げるのか?)」
私「服が短すぎて『ちんちくりん』だぞ」
妻「???(180cm超えているのに『ちんちくりん』のわけないじゃない)」

そりゃ話が食い違うというか言っていることがわからんわけです。

筆者が京都に住んでいた時代(社会人になるまで)の記憶では「ちんちくりん」は衣服の丈に対してしか使ったことがなかったです。少なくとも親や祖父母は人に対しては使っていなかったと覚えています。

しかし大阪の友人によれば人に対して使うのと衣服の丈に対して使うのと両方ある、ということでした。

私の環境が特殊なのか、京都だから特殊なのかわかりませんが….。

つんつるてん

小学館のデジタル大辞泉(goo辞書)によれば、第一の意味が「衣服の丈が短い」ことで、第二の意味が「頭が完全に禿げている」こととあります。

言葉として両方の意味があることは間違いなさそうですが、地域によりどちらの意味を主に使うかが違うようです。

上方落語か江戸落語か覚えていないのですが、噺(はなし)の中で無一文(全然お金を持っていないこと)のことを「つんつるてん」と言っていたような記憶があります。想像するところでは関西でいう「つんつるてん」=「禿頭」=「全く金を持っていない」ことから来ているのかなぁとか思ったりします。正解なのかどうかは知りません、単なる憶測。

先の妻との会話のとおり妻は普通に「つんつるてん」を丈の短いことを意味していうようですが、では筆者が同じ状況を指して「ちんくりん」というかというとそれはない。

では筆者が禿げ頭のことを指してつんつるてんと真面目にいうかというと、関西人同士で与太話だと出てくる可能性は大ですが、それ以外では使いませんね。使っても通じない可能性が大きい。

ちんちくりん

同じく小学館のデジタル大辞泉(goo辞書)によれば、第一の意味が「背が低いこと」で、第二の意味が「衣服のが短すぎること」」とあります。

筆者が育った環境では「衣服の丈が短すぎて身長にあってない」状態をさしていたわけですが、関東では「身長が低いこと」をさすようです。

この手の言葉は標準的な使い方というのは存在しないので、妻と筆者のように東西にわかれていると余計に意味が違って通じないことがあります。

この言葉、親や祖父母が言っているのは記憶にあります。「このズボン、去年買うたばかりやのに、もうちんちくりんや!」といった風に。ただし、自分で使うことはありません。「丈が短すぎる」という普通の言い方しかしません。

まあ、そのほうが無難でもありますから。



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〜りん

派生かどうかはわかりませんが、「ちんちくりん」の「〜りん」がつく言い回しは記憶にあります。

「へんてこりん」(これは普通に使うか?)
「みょうてけれん」(使っていた記憶がある)

どちらも「変な」「妙な」といったニュアンスです。

聞いたことあるでしょう?

筆者はすごーく記憶にありますし、「へんてこりん」は今でも普通に使うのではありませんか?「みょうてけれん」が全国区かどうか知りませんが…。



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