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歴史:「ニイタカヤマ」とは何か?朝ドラや映画に出てくる言葉「ニイタカヤマノボレ」を解説とは?

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朝ドラや映画に出てくる太平洋戦争開戦を伝える「大本営発表」シーンと「ニイタカヤマノボレ」の符丁。真珠湾攻撃の開戦暗号であるこの言葉の背景と、「ニイタカヤマ」の正体を解説します。

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はじめに ― 朝ドラの一場面から

NHKの朝ドラを見ていると、太平洋戦争の開戦を告げる大本営発表のラジオ放送シーンが出てくることがあります。そこで思い出すのが「ニイタカヤマノボレ」という言葉。映画などで「真珠湾奇襲を命じる伝える暗号」として知られていますが、「そもそもニイタカヤマとは何なのか?」という素朴な疑問から調べてみました。

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「ニイタカヤマノボレ(1208)」とは?

  • 日本語表記:ニイタカヤマノボレ(1208)
  • 意味:「新高山に登れ」=12月8日攻撃開始(日本時間)
  • 使用日:1941年12月2日
  • 送信先:第一航空艦隊(南雲忠一中将指揮)
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「新高山(ニイタカヤマ)」とは?

新高山とは、現在の台湾にある山で、現在の名称は玉山(Yu Shan)です。
標高3,952mで、当時の日本統治下では「日本最高峰」とされていました。

(写真上)玉山から見た風景(PhotoAC)

この「登れ(ノボレ)」という表現は、象徴的に「困難な任務を開始せよ」という意味を持つ隠喩であり、軍事暗号の符丁にふさわしい地名だったのです。

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真珠湾攻撃前夜の状況と第一航空艦隊

  • 1941年(昭和16年)12月、日本はアメリカとの外交交渉が行き詰まり、軍事衝突が避けられないと判断しました。
  • 大日本帝国海軍は、アメリカ太平洋艦隊の拠点であるハワイ・真珠湾への奇襲攻撃を計画しました。
  • 秘密裏にハワイへ向かっていた第一航空艦隊(南雲忠一中将指揮)に、攻撃開始命令を暗号で伝える必要がありました。
  • 第一航空艦隊の構成は以下の通りです。
    ・空母:6隻、赤城(旗艦)、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴
    • 搭載機:約414機、零戦(戦闘機)、九七式艦攻(雷撃機)、九九式艦爆(急降下爆撃機)
    • 随伴艦艇:巡洋艦・駆逐艦・戦艦・補給艦など計30隻前後
  • 第一航空艦隊は空母6隻を中核とした大規模機動部隊編成で当時世界初でした。
  • 開戦当時には第二航空艦隊というものは存在しなかったが、昭和17年に角田司令長官のもとで編成されたようです。
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通信手段と暗号体系

通信方法

・短波無線によるモールス符号通信
・海軍本部から暗号電報として送信

暗号体系

・事前に定められた符丁
・「ニイタカヤマノボレ」はあらかじめ割り当てられた一種のパスワード

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時系列と歴史的意味

  • 12月2日:「ニイタカヤマノボレ(1208)」発信
  • 12月8日未明:日本時間で真珠湾奇襲開始

この暗号電文が受信されたことにより、南雲機動部隊は真珠湾攻撃へ向けて最終行動に入ります。そして、1941年12月8日(日本時間)、奇襲攻撃が実行され、太平洋戦争が始まりました。

  • この時、米空母(エンタープライズ、レキシントン、サラトガ)は真珠湾にいなかった
  • 大日本帝国海軍は、事前偵察の計画はあったが結果的に偵察は行われず、空母不在が判明したのは攻撃後であった
  • 米軍重要施設である年r尿タンクやドック施設はほぼ無傷で残った
  • 米軍は空母温存できたが故に、のちのミッドウェー海戦での米軍勝利に繋がった。

もし、事前偵察決定権を持っていた南雲中将が偵察指示を出していればまた違った歴史が描かれたかもしれません。しかし偵察により奇襲が米国にバレてしまう可能性もありましたし、当時真珠湾付近は雲が多く高高度から米艦を視認するには無理があったようです。

いずれにせよキーボジションにいる人間の判断が後々の歴史を形作るのは事実です。その積み重ねで今があるのですが…。

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まとめ

項目内容
符丁ニイタカヤマノボレ(1208)
意味真珠湾攻撃開始命令(12月8日)
ニイタカヤマ台湾の玉山(当時の日本統治領での最高峰)
象徴性新高山=最高峰=重大任務の比喩
通信手段短波無線(モールス)
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終わりに

「ニイタカヤマノボレ」は単なる暗号ではなく、地理的象徴と軍事行動が結びついた象徴的な一語でした。ドラマや映画の一場面から、こうした歴史の奥深さに触れられることもできます。聞き逃さずに、ふとした疑問を調べてみるのは歴史の一端を知る上でも大切だと感じた次第です。

歴史を振り返り考えることは、自分たちの未来を考えることにもつながるのではないかと思います。ものごとの選択肢があるとき、どちらをえらべばどうなるのかを考えるのは重要です。

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