第7日目 5th August 2003

帰国の朝

何事にも終わりはあるものだ。人生にすら終わりがあるのだから、たかだか一週間とか10日ほどの旅行なんてあっという間に終わりが来てしまう。帰りのフライトは、JL5142/QF167のコードシェア便で、ケアンズ出発が12時45分、成田到着が19時の予定だ。

いつもの7時起きで十分間に合うので目覚まし時計は7時にセットしたままだった。昨夜、寝る前の時点でパッキングはほとんど完了しており、残りはパジャマ代わりのスェット上下と筆者がCarins Central Shopping CentreTARGETという雑貨スーパーで調達した室内履きのサンダルだけである。

こちらに滞在している間は、ほとんど毎日のように朝起きてから熱いシャワーを浴びていた。これが、寝ている体と頭をたたき起こしてくれてすっきりするのでなかなか気持ちよい。シャワーを浴びるのは筆者だけで、その後家族全員身支度を整えて、WATERFRONT GRILLへ行った。

最後の朝食も気持ちよく

昨年も居たいつものウェイトレスが我々家族のことを覚えていてくれて、「あなた達は丸テーブルがお好きなようなので、あちらへどうぞ」と案内してくれた。確かに我々は丸テーブルがあいている場合は丸テーブルに座っていたが、よく覚えているものだ。日本人が非常に少ない宿ならともかく、Pacific International HotelはJALPAK AVAなどのツアーでも使っているホテル(ツアーの場合は基本的に低層階が割り当てられるようだ)で、日本人客は珍しくないのに立派なものである。

ケアンズ最後の朝食を終えて部屋にももどり、バルコニーに出てもう一度部屋からの眺めを目に焼き付ける。この部屋(カジノ側ではなく街側)から見る風景はなんとなくホノルルを思い出される。エスプラネードがカラカウア通りでその向こうに海があるところなど良く似ている。ただ、ハワイは近年人と車が激増しているし、それはマウイですらあてはまっていて、ラハイナですら昔ののんびりした雰囲気はもはや感じられなくなっている。

ワイキキの高層ホテルが立ち並ぶ風景に比べたら、ケアンズではこのPacific International Hotel12階建ての建物でもかなり高いほうで、一部ホテルを除けばほとんどの建物は平屋か二階建て程度なので圧迫感がない。車の量もマウイに比べてすら圧倒的に少ないように感じるのは気のせいだろうか。

チェックアウト

これ以上部屋にいても仕方ないし、時刻は9時になったのでチェックアウトすることにした。初日に間違っていた朝食バウチャーの分をこちらも知らずに一人AU$7.00でアップグレードした分(大人のみ)のキャンセルが確実に行われているかどうかチェックしなくてはならない。

明細をもらって、目を皿にする。AU$14.00の下の行に括弧付きでAU$14.00の記載があるが、"MOVED #3"とかかかれていてキャンセルかどうかわからないため、確認したところ、キャンセルされているのだということで、宿代は初日にカードで前払いしてあるので(笑)、残りはAU$13.00のインターネットに接続したローカルコール(電話)代だけだ。さすがにAU$13.00なのでキャッシュで支払い、ついでにタクシーを呼んでもらう。

外へ出て待っているとほどなくタクシーがやってきた。往路と同じくバンタイプのタクシーだ。"Airport, International Deperture Terminal, Please."で空港へ向かう。所要時間はおよそ十五分でAU$15前後。今回はAU$14.20だったので、AU$15.00を支払う。

ケアンズ国際空港

チェックインカウンター一番左には日本人高校生の研修旅行らしい集団が居て、チェックインしている。JALのチェックインは9時30分からだと掲示がでていて、まだ人が居ない。と、思ったら、おじさんがやってきて端末をごそごそやり始めたが、すぐにチェックインの受付を始める風でもない。どこの並ぶべきかしばらく思案した挙句に、その係員に尋ねてみると、「ここで良いのだが、今コンピュータの準備をしているのでちょっと待っていてくれ」という。

待つことしばしで係員が呼んでくれて無事チェックイン。搭乗開始は12時15分なので、まだ二時間半近くあるわけだ。ケアンズ国際空港の出発ターミナルの二階には、カフェとニューススタンドくらいしかないので、ここに居ても仕方ないので、出国手続きを行うことにした。

実は昨夜子供には自分の分の出国カードを書かせたのだが、大幅に間違えてしまったため、当日ここで書き直しだ。税関係員に免税店で買ったレスポートサックに貼付されている伝票を引きちぎられて、中に入り出国カードを記入したあと、出国手続きである。入国と違って出国は実に簡単である。

セキュリティチェック

セキュリティチェックでは、昨年はノートパソコンのバッテリーを外せといわれた。検査前にパソコンはバッグから出せと書いてあったが、うっかりそのまま通してしまったら、しっかり脇にどけられて、「パソコンを持っているならバッグから出してください。もう一度検査します」ということで、再度リュックとパソコンだけX線を浴びることになったが、バッテリーを外せとは言われなかった。

ここは小さな空港だから店も少ないから時間をつぶすには店がたりない。妻と子供は免税店などを覗いているので、私は"NEWS LINK"へ行って、ペーパーバックなどをあさることにした。ペーパーバックは平均的に日本で買うと千数百円以上、Amazon.co.jpで買うともっと安くなるのだが、オーストラリアやニュージーランドでも日本と同じくらいの価格はする。そう考えると日本の文庫本というのは実に安いので、我々は恵まれているといえる。

カフェで休憩

うろうろするだけだとくたびれるのでカフェで休憩だ。ミートパイ(AU$3.50)、ミネラルウォーター(AU$3.25)、バナナマフィンとカプチーノのセット(AU$5.95)、バニラアイスクリーム(AU$3.35)で合計AU$16.05とかなり高い。昨年もここでパイを食べたのだが、出来合いのパイであるけれど、具がたっぷり入っていて意外にも結構うまいのである。出発予定が12時45分だから、昼が出るのはどんなに早くても14時以降にはなるはずなので、何か食べないと持たないのだ。

出発ロビーは明るくて清潔で気持ちよい 左がNews Link、右がBush&Outback Apparel
写真左がカフェ、写真右奥にフードコート

休憩の後妻と子供はさらに免税店を見たり、その他の店をみたりしていて、私は"NEWS LINK"で、赤ちゃんカンガルーの絵葉書、ワライカワセミ(kookaburra)の小さなぬいぐるみ、それにペーパーバックでLIZA DALBY著のGEISHAを購入した。

機内へ

そうこうするうちにボーディングのコールがあり、エコノミーは例によって後ろのほう(今回は55列目以降)からの搭乗だ。カンタス航空はエコノミーシートの改善を進めているが、往路は残念ながら旧来のシートだったけれど、復路は新しいスリムシートである。

これだと、ニュージーランド航空のパシフィッククラスに近くて足が組める(まだ向こうのほうが気持ち広いような気がする)し、角度可変のヘッドレストもついている。また、エコノミーではあるが各席に液晶テレビがあり、いくつかの映画プログラム(全部が日本語音声があるわけではない)から選んで楽しむことができるし、ゲームも可能だ。

ちなみに筆者は映画 "IDENTITY" を見ていたが、妻たちはゲームをしていたようだ。機内はおよそ7割くらいの席がうまっているだろうか、ところどころで3列側の3席全体があまっているところがある。これなら途中で他に移動したほうが楽にすごせそうである。

昼食

筆者の選んだのはチキンの味噌風味ソース

食事が出たのは14時半頃だで、メインはビーフの赤ワイン煮+マッシュポテト+いんげん、または、チキンの味噌風味ソース(MISO MARINATED CHICKIN)+ライス+赤ピーマンなどの温野菜少々だ。

他には、ポテトサラダ、マカダミナナッツチョコ、レモンパンナコッタ、飲み物である。筆者はチキンを選んだが、味噌風味ソースが結構塩辛かったが味は悪くない。妻はビーフを選んだがが美味だったという。

このとき、筆者は通路側、子供が中央、妻が窓際に座っていた。そして、子供はも筆者と同じものを頼んだため、妻の食べていたビーフの赤ワイン煮の写真がないのがちょっと残念である。

子供が他の日本人乗客の話を聞いていたところによれば、ビーフの赤ワイン煮はビーフシチューのようで美味だったそうで、妻のビーフを何度も横取りして味わっていたので、やはりうまかったのであろう。また、添えられているマッシュポテトも美味だったそうで、これまた子供が何度も横取りしていた。

やはりオーストラリアはビーフの国であり、ビーフの国で作られた機内食は、やはりビーフを選ぶべきだったと、ちょっぴり後悔した。だが、日本茶(green tea)ははっきりいってマズイので、紅茶を飲むべしである(笑)。

一列独り占め

食事の後、3列先のABC席が空いているので、そちらのC席に移った。A席でないのは、A席だと後ろに客がいて背中を倒すには遠慮しなくてはいけないのだが、C席だと後ろは空席なので、好きに倒せたからだ。それに空を飛んでいる限り外は雲しかないから、窓際でも通路際でも変わらないし、トイレに立つには通路側のほうが楽だ。筆者は眠りたい夜間フライトの時(オセアニアやハワイ方面への往路)は窓際席を予約し、起きている時間が長い昼間のフライト(同復路)はトイレに立ちやすい通路側を予約する。

これで3席独り占めになるので、かなり楽に時間が過ごせる。実際、いくら家族とはいえ3列席に3人かけているのと、となりに人が居ないのとではまるで楽チンさが違うのだ。一人でゆったりと3人席を占めて、くつろいで映画の続きなど見始める。

軽い夕食

それから4時間後、18時半すぎ、日本時間の17時半ごろに夕食が出された。前回は夕食が出なかったのだが、これは到着時刻の関係だろうか。夕食といっても軽食であり、内容はチーズラビオリ、アップルジュース、フルーツ、ANZACクッキー二枚、小さめのKITKATバー、飲み物だ。

食事が終わり日本時間の18時15分くらいから高度を下げ始めた。アナウンスによればゲートに到着するのは19時ごろの予定だという。いつもは混み合って旋回しての上空待機を余儀なくされるが、今回はスムーズに着陸態勢に入れて18時50分に着陸した。成田でA滑走路に着陸し第二ターミナルに向かうときは延々とタキシングが必要で、今回も15分ほどBOEING 747-338 JL5142/QF167は地上を走ってようやくゲートにたどり着いた。

入国審査(成田空港)

到着便の混雑具合にもよるが、春のニュージーランド同様に入国審査エリアはガラガラですぐに番がきそうだ。成田の入国審査は日本のパスポート所有者と外国のパスポート所有者で分かれている。筆者は妻に言われるまで気づかなかったのだが、筆者の後ろのほうから外国人の年配三人組がうろうろして日本のパスポート所有者の列に入ってきた。妻に言われて振り向くと、きょろきょろ、うろうろしており、その近くには他の日本人入国者が並んでいるのだが、誰も何もいってあげようとしない。この程度なら身振り手振りでもなんとかしてあげられると思うけれど、見てみぬ振りをしておられる。今まで外国に居たのだからそれくらいはできるだろうに。誰も何もアクションを起こさないので、筆者が彼らのところへ行って、「外国パスポート所有者は向こうの列ですよ」と教えてあげる。

入国審査もあっという間におわり、荷物を受けとる。いつもここで延々と待たされるのだが、今回は比較的早く出てきた。残すは税関検査だけだが、税関検査の待ち時間を少なくするのは、日本人家族連れの多い列に並ぶことで、外国人の多い列だとどうしても時間がかかる傾向にある。待っている人数は多くても、日本人家族連れが多いと普通は進み方が早い。

19時5分に機外に出て、都心へ向かう京成スカイライナーの券を買ったのは、19時50分にはなっていなかったので、今回はかなり早く解放されたほうだ。京成スカイライナー36号の切符を買って、今回の旅は無事に終了した。

失せ物

と、いいたいところだが、ちょっとしたアクシデントがあった。京成スカイライナーを出て山手線に乗ってしばらくして、筆者が子供に「帽子はもっているね?」と尋ねたときだ。帽子というのはWOOLWORTHSで購入した黒のキャップであるが、それをかぶって帰ってきたのだ。「リュックの中に入れた」というので見ると入っていない。車内に入り暑いので脱いで席に置きそれっきりにしてしまったようだ。妻の怒りが小さめに爆発したのは言うまでもない。

来年は?

ハワイ好きの妻であるが、ケアンズも大いに気に入ってくれたようだ。最近のハワイ(オアフ、マウイ)は車と人が激増し、昔のしっとり落ち着いた感じがだんだん薄れてしまってきており、現地滞在費も結構高いので、海は好きだが海で泳がない妻にとっては、海が近くでスーパーが沢山あり、人と車が少なくてのんびりでき、気候の良いこの時期のケアンズはなかなか良いようだ。

(第7日目終了)

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