出発当日(日本時間2004-05-21[金])
天候:快晴

何で5月なのに台風が…

今回の旅ほど、出発直前までひやひやしたことは無かった。台風2号が季節外れの日本接近コースをとり、予報では関東に再接近または上陸する頃が、丁度出発の日だったからだ。出発の二日前あたりから、いつも天気予報が頭から離れ無くて困った。だが、幸いにも、台風の速度が急激に速くなったことと、太平洋高気圧が南へ下がり当初の推定よりずっと日本を離れたコースをとったために出発日である21日の昼には、すでに晴れ間がのぞいているくらいになり、絶好の旅立ち日和になった。

だが、前日の段階ではまだこのようにハッピーな結果に終わるとも思えなかったし、雨の中駅までスーツケースを転がすのも嫌なので、空港宅配便で送ることにした。JAL系列のABC(運送会社はこの場合は福山通運)だと、二日前に申し込めば受け取りに来てくれて、それは筆者の場合夜の15〜17時と17〜19時までを選ぶことができる。一般に空港宅配便の難点は、早めの荷造りが必要なことだが、前日15時までということは仕事があるので、平日なら二日前の眠る前までに荷造りすれば良い。費用はかかるが雨の中を転がすことを考えたら全然苦労が無いのである。

いざ出発

早めの昼食を済ませてシャワーを浴びて、下着まで全部変えたら出発準備完了だ。手回り品をリスト(筆者はいつも持ち物リストを作るが、回を重ねる毎に行き先に従って改定されるし、行き先に依存しないものも内容が改善されてゆく)に従って最後の点検をして、13時頃家をでた。

この日、筆者が乗るJL18便の機材は、インターネットで調べるとソウル発の便が機内整備後JL18便バンクーバー行きに割り当てられるようだ。これがわかったからといってどうということは無いが、このソウル便が遅れたら、自動的にJL18便も遅れることになるのだ。まあ、だからといってこちらには打つ手が無いので成り行きに任せるしかないけれど。(実際に遅れてとんでもないことになろうとは、このときは知る由も無かった)

京成スカイライナー

京成日暮里の待合室はがらんとしていて、筆者以外にも男性の一人旅の客が二人ほど、老夫婦、若い女性の二人連れなどが時間を潰していたが、夏休みなどに多い子連れファミリーは皆無だったのは当たり前といえば当たり前だ。

14時05分、京成スカイライナー27号は定刻どおり日暮里を発車した。待合室に後から入ってきた家族連れ(若い女性+両親+おばあちゃん+おばさん?)の中のお父さんが私のとなりに座ってきた。まだ、三分の一ほどのシートは隣に誰も座っていない空きの状態なのに、何も隣に割り当てなくても…と思っていると、次の停車駅である成田まで空席が沢山できているのを知り家族の座っている側の席に移動したので一安心。ちなみに、この家族は海外旅行かと思ったら、スカイライナーでは空港第2ビル駅一つ手前の成田駅で降りていった。

そういえば、前回これに乗ったのは、ケアンズに家族で行ったときだった…と思い出す。予定では次に乗るのは夏にシドニーに行くときになるはずだ。

成田空港

スカイライナー27号は予定通りに空港第2ターミナル駅に到着し、時計を見たら15時頃だった。

まず、スーツケースを預けるというかチェックインするのが最優先なので、ABC宅配のコーナーで荷物を受け取ってからJALカウンターでチェックイン。米国便だと鍵はロックしてはいけない、ロックしてあると鍵を壊してでも中身を空けて検査されるというのは昨今の常識なので、普通の鍵はロックせずダイヤル錠も番号をあわせておき、さらに衝撃などで番号が動いてしまったときのために番号を書いた紙を番号錠のところに貼り付けた。そしてその上からスーツケースベルトをしっかり締めておいた。

JALの係員に聞いたところ、米国行きでは確かに鍵はかけないほうが良いということだが、カナダは聞いたことがないという。後でわかったのは、少なくとも私のスーツケースはあけて検査を受けた様子はなかった。

出発が18時20分なので、食事はおそらく19時半ごろになろう。昼が早かったので、いつもの讃兵衛(さんべえ)で

を食べる。うどんに梅干とシソの葉ととろろ昆布という実にヘルシーなうどんだが、さっぱりしていて空港内の店としては、価格と味を比べるとかなりいい線だ。といっても、これはあくまで空港内での相対比較での話で、都内に出ればこれより安くて美味しいうどん屋は沢山有る。

成田空港はゴールデンウィークも過ぎて閑散期に突入したはずなのに、それなりに客が居てちょっとびっくりだ。混んでいるというわけではないが、ガラガラということはない。さすがにSeptember 11の直後にニュージーランドへ行った時は空いていたし、SARSが発生して沈静化直後のニュージーランドへ行ったときも空いていた。もっとも人が多いといっても、それは夏休みの比ではなく、スカイライナー同様やはり年配のカップルとか大人同士の家族連れが目立つ。

セキュリティチェック

17時ごろ、セキュリティチェックを受けて出国手続きをすることにした。昨年は、セキュリティチェックに入るところはロープで仕切られていたはずだが、今はセキュリティチェック入口を囲むように壁ができているのでちょっとびっくりだ。そしてゴールデンウィーク中は抜き打ちで実施されたという、靴のX線検査もこの日は無かったのか、筆者が品行方正の聖人君子に見えて後光がさしていたのでそれに圧倒されて係員は他のレーンでも何も言わなかったのか、とにかく筆者の目には靴を脱がされている客は見当たらなかった。

家族連れならセキュリティチェックを終わると、家族は免税店に突入するのだが、筆者は化粧品とお酒などしか置いていない免税店には興味は無く、妻からの頼まれ物も機内販売で買うことになっている(そのほうがJALカードの割引率が高い)ので、覗くことすらしなかった。

カナダ政府の要請とかで、筆者の乗るJL18便のゲートB75の待合室では、待合室に下りる前に再度簡単なパスポートチェックをされる。トイレは待合室の外にあるので、トイレに行くと待合室に戻るときにまたパスポートチェックをされることになるのはちょっと面倒だった。Bウィングの一番端にあるB75ゲートは、なんだか寂れて古ぼけていて、成田空港もずいぶんちっぽけで古くなったなぁと時代を感じさせる。はっきりいうとかなり古臭いかつ小さな空港であり、どう考えても日本の空輸の中心を担える存在にはなりえないと感じる。

ボーディング

さて、時刻は18時10分になったがまだ搭乗が始まらない。機内整備が遅れているそうで、ようやく搭乗して席に着いたが、18時25分になってもまだまだ搭乗中。機内はほぼ満席状態で、隣が空いていたら足が楽チンと思っていた夢もはかなく消えた。お隣は夫婦者で中国語を話しているので、おそらく香港からの人か…?

定刻から遅れること20分の18時40分、ようやくプッシュバックだ。成田の第2ターミナルはここから離陸までが長く、さらにこの時間は出発ラッシュなので大変である。これが巨大空港ならわかるが、成田のようなちっぽけな空港でこれだけタキシングに時間がかかるのはアホな話である。ようやく車輪が地上を離れたのが、19時05分で、しばし、日本とさようならだ。バイバイ成田!

機内食(夕食)

19時55分、飲み物のサーブが始まる。頼んだのはスカイタイムだが、新しい「ゆず」というものがサーブされた。従来のキウイ風味が中心のものと違って和風の風味でさっぱりして美味しいけど、筆者的には従来のものがいいかな。

20時20分、ようやう夕食がサーブ。筆者のメニューは次のようなものだった。

味はJALにしてはまとも。というか、ハワイ線がひどすぎるのか?ま、夏のシドニー線がどうかである程度はわかるかも。あるいはハワイ線とかシドニー線といった中距離線がイマイチなのか、JALがやっぱりイマイチなのか。広い意味では機内食そのものがどこもイマイチだってのは間違いない。スモークトラウトのマリネが結構うまかった。

あとは眠るだけ…

機内食が終わり、頼まれものの免税品を買おうと思って、免税販売のワゴンに合図しようと思ったら、無視されてしまった。というか、顔がこちらにすら向かなかった。後ろが非常口で後ろには人がいない席なので、視線が外れてしまうのかもしれない。仕方ないので、コールボタンでアテンダント呼んでJALカードで、エスティーローダーのパーフェクショニストを注文。実は、かえってこれがちょっと楽しい結果につながったのだが…。

時刻は21時あたりになったので、アイマスクをして眠りについた。このアイマスクは、ケアンズのときにカンタスでもらったやつだが、なかなか使い心地が良い。鼻の部分をカバーする布がついているので、鼻の脇から光が入ってこないのである。これが効いて意外とよく眠ることができて、周囲のざわつく音で目覚めたのが午前2時。つまりバンクーバー時間の午前10時だ。

さて、ここから記録は現地第一日目に入る。

(出発当日終了)

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