現地第一日目(現地時間2004-05-21[金])
天候:曇

機内での目覚め

さて、目覚めたのが日本時間の午前2時だからそれでも5時間ほどは、途中体をもぞもぞ動かしながらもそれなりに眠れた。荷物を前方席の足元に置くかオーバーヘッドコンパートメントに入れるかは好みだが、足元に置くと足が伸ばしにくくなる反面フットレスト代わりになって(荷物の大きさにもよるが)意外に楽チンなことが多いのである。今回は足元に入れたのでフットレスト代わりということだ。今は、バンクーバー時間では午前10時。定刻では到着の55分前だが、遅れているからあと一時間半ほどは飛んでいるってことか。

筆者が一人で窓際の席を取ったときは、隣が席に立ったときには出ても出なくてもトイレに行くことにしている。隣が頻尿な人とか逆にほとんどトイレに行かない人なら別だが、普通の人ならこちらのオシッコペースはとなりの人のオシッコペースにあわせるのだ。

機内食(朝食)

朝食が配られ始めた。メニューは素朴で次のようなもの。

いままでならヨーグルトは手を付けなかったのに、今年からヨーグルトを食べられるようになったので、完食しましたぜ、えっへん!どうだ、すごいだろ>妻

狭いぞ、JALのエコノミーシート!

それにしても、JALのエコノミーは狭い。足を組むとうっかりすると前方席の背中を押してしまいそうなくらい狭い。こんなのエコノミー症候群になっても当たり前ジャンと思うわけで、機内のエコノミー症候群の引き金を引いているのは航空会社だ。エアーカナダの国内線の767ですら足がゆとりを持って組めるぞ、フットレストもあるぞ(機種によるけど)。ちなみに、ニュージーランド航空も足が組めるくらいは最低限に広くて、フットレストもあったぞよ。こら、なんとかせい!やっぱ、ニュージーランド航空がいいぞ、やっぱ、来年はニュージーランドへ行くぞ、とカナダに到着しない内から来年の話を考える奴がここに居る。

バンクーバー空港到着

11時28分着陸。到着はおよそ40分遅れだ。乗り継ぎ便はAC100で13時出発。90分ほどあるので、まあ、ぎりぎりってところかしらん。空港で昼飯を食う時間があるかなぁ…。そのためにも、ダッシュで入国審査を通過しなくては!そのためには、早くに機外にでないと!などと考えながら、ドアが開くのをひたすら待つ。

機内でドアが開くのを待っていたら、後ろから私の姓を呼ばれたので振り返ると、妻の頼まれ物を買ったアテンダントだった。うむ、記憶力がよいのねぇ(って筆者が悪すぎるんだが)。でも、大勢雑多な客の中で○○様って呼ばれるとなんだかちょっと優越感(笑)。ドアがなかなか開かないのでしばしこのアテンダントとおしゃべり。JL18便のアテンダントはバンクーバーに二泊滞在してまた帰国便のフライトなのだそうだ。成田からバンクーバーまではJL16便というものもあって、そちらのアテンダントはバンクーバーに1泊だけなのだそうで、JL18便の乗務はラッキーなのだという。

なんじゃーこりゃ!

そんな話をしているうちに、ドアが開いたのでアテンダントにお礼とさよならを言って久々のダッシュ。(別に走っちゃいません、念のため!目立たない程度に早歩きするだけ)。スカイウォークや綺麗な展示物をじっくり鑑賞する余裕もなく、エスカレーターの渋滞を階段で迂回し、入国審査のロビーに出て愕然。

「なんじゃ〜、こりゃ〜!!!!!!!!!!!!!!!!」

まるでピーク時のハワイはホノルル空港の入国審査じゃん。折り重なるような列が何重にもできている。それもナマジ広いから一つの折り返しの幅が長いから、こりゃかなりの時間がかかりそうな予感。

列の進み方はそれなりに早いから、係官は手早く仕事をしている(ちなみにカナディアンな友人によればバンクーバーの入管は仕事が手早いのだが、トロントの入管はダメダメなんだそうな)のだが、いかんせん人が多すぎるので、進んでも進んでも、自分の番までほどとおい。列が進むたびに時計を気にする。ありゃ、あと、30分!うそー、あと、15分。

間に合わず…

結局、1時間ほど列に並んだ結果、入国審査そのものはあっという間に終わり、税関も申請するものは無いので直ぐに抜けて、税関を出てすぐのところのエアーカナダの国内線乗り継ぎチェックインに行く。ここでは列はほとんど無いが、チェックインだけあって、それも海外のチェックインだからでかい荷物を山ほど乗せたカートの客が多くて手間取っている。

筆者のチェックインの番になったのは、12時57分。もうだめだぁ。無理に決まっているけど「Can I get this flight?」と尋ねるが、「No」と当然の答え。結局、ボーディングパスは、その次の14時初のAC38便(上海発、バンクーバ経由、トロント行き)になった。だが、しかーし、席はSTBY、つまり空席待ちじゃん!ひぇ〜。

後日の話になるが、この空港の入国審査ゲートのところは、その上層階の出発ゲートのフロアから一部がガラス張りになっているので様子をみることができる。到着したときはそんな観察する余裕も無くてあせっていたので気づかなかった。帰国の日、朝10時前に出発ゲートのあるほうから見てみたら、やっぱり山のような列ができていた。これが季節のよるのか、時刻によるのか、曜日(バンクーバー到着もバンクーバー出発も金曜日だ)によるのかもしれないが、とにかくここで乗り継ぐ場合は、飛行機が時刻どおりに到着したとしても最悪2時間の乗り継ぎでは全然足りないのである。航空会社のカウンターの人はたぶん大丈夫というかもしれないが、信じてはいけない…と筆者は実感。友人はあまりそんなに並んだことはない(トロントは国際線の出発チェックインでも相当並ぶらしいので覚悟が必要)というが…。

国内線への乗り継ぎ

ともかく、この便の出発ゲートC51へ向かう。海外からの当日乗り継ぎなので空港使用料(AIF)は不要であり、セキュリティチェックをくぐる前に、係員にJL18便のボーディングパスを見せて(バンクーバで乗り換える人は捨てないように!)、額面CA$0の利用料のチケットをもらう。

セキュリティチェックではパソコンを持っているかどうか聞かれ、それを出して別のトレイに乗せてX線をくぐらせる。そして、人のほうは、つまり筆者は金属探知機をくぐるとアラームがなった。日本円の小銭やら金属類は全てリュックに移したはずなのに…。調べたら、右ポケットに入れていた小額のTCの綴じ金具とベルトのバックルに反応したようだ。パソコンのほうは、さらに起動してくれといわれ、起動する。WindowsXPのロック画面(通常は休止にしているので)になったら、もうよいよ、といわれる。だが、すぐにしまうわけにはゆかない。再度休止になったことを確認するまでしばし待って、パソコンをリュックにしまう。

トロントへ電話

さて、ここで次にすべきことはトロントのカナディアンの友人への電話だ。というのも、友人は筆者がAC100便で20時半過ぎに到着する予定でいるかでら、知らせておかないとまずい。トロント時間(バンクーバーとの時差は3時間)では彼はまだ勤務中だからオフィスに電話する必要がある。

だが、ここで一つの問題が発覚。なんせ、乗り継ぎに時間の余裕がまったく無かったので、まだカナダドルを1銭も、いや1セントたりとも持っていないのである。だからといって、また両替所などに行くと空席待ちになっているAC38便すら逃してしまうかもしれない。AC100便で到着予定が20時半、AC38だと21時半とかになるので、遅くなるのはこれが限界だ。

そこで、電話機からクレジットカードで電話。日本の電話機と違って、いきなりクレジットカードをさして長距離電話とかできちゃうんだよね、便利便利。最初はAMEXを入れたが、何故かValidationプロセスがうまく行かず(別に不正カードじゃないけど)、仕方ないのでMasterにするとこれはOK。海外旅行では複数種類のカードを持ちましょうね、皆さん。

まずは携帯のほうに電話すると、ありゃりゃ留守番モードじゃん!。で、オフィスのほうに電話する。昔ならドキドキものの英語の電話も、別に普通にできてしまうところが慣れというか度胸というか…。電話を友人に繋いでもらい、懐かしい友人の声が流暢な英語(当たり前)で飛び込んできた。

成田からのフライトが遅れて乗り継ぎのAC100便をミスった件、そしてAC38便になったがそれもスタンバイであることを告げ、もしAC38便にも乗れなかったら再度電話する。もし電話が無かったらAC38に乗れたと思ってくれと告げた。なんせ彼がトロントの空港へ迎えに着てくれるのだから…。

スナックタイム

とりあえず全てやることをやったら、ようやく落ち着いた。売店で何か買おうと思ったら、ありゃカナダドルもってないじゃん!ってことに再度気づいた。幸い搭乗開始まではまだ時間があるようなので、ちょっと通路を戻って途中にあったATMから小額を引きだす。旅行者はよほどの事情があればやむを得ないが海外のATMでは、間違っても大金を一気におろしちゃだめである。空港のセキュリティエリアといった限定された場所ならまだしも、空港のオープンエリアのATMと両替所はそれなりに危険をともなう。そのまま現金を所持して人気の少ない所に行ったりしたら、ずっと空港のATMから付け狙われていて一気にそこでやられる可能性有りだ。

現金も手に入ったので、売店でホールズとトルティアチップスとKITKATの大きい奴を買う。JAL機内でもらった水には手を付けていなかったので、それを飲んでKITKATを食べたら、結構お腹がふくれてしまった(笑)。

香港からの夫婦

ここで、ふと見るとJL18便でお隣同士だった夫婦と遭遇。思わず「Hi!」と挨拶。やはり香港から来たらしく、東京経由のバンクーバー経由でトロントへ行くという。そしてこれまた奇遇なことに私が日本へ戻る予定と同じ日に日本へ戻り、そこで一週間滞在して香港へ戻るという。

話をしているうちに、旅行雑誌を取り出してきて(もちろん全部中国語)静岡の浜松でやっている「国際園芸博覧会 浜名湖花博」(このあたりは同じ漢字文化なので声に出して中国語では読めなくても書いてあることは大体推測できるのが便利なところ)に行きたいが、どうやって行けば良いかと聞いてくる。うーん、新幹線で数千円かもうちょいかな、というと、高い!と眼を回していた。ま、安くは無いなぁ…。(あとで調べると8,070円もするじゃん!

またしてもハプニング

そんなふうに楽しく話をしているうちに搭乗開始。だが、STBYの筆者や香港からの夫婦は搭乗できず、あらかた搭乗したところでゲートでようやく正規の座席13Kをもらって機内へ入ることができた。

だが、喜ぶのはまだ早かった。ここで、またハプニングが発生。13Kには人が居るじゃん!座っている彼女のボーディングパスを見せてもらうと13Kじゃん。おいおい、あのなぁ…。仕方なくカナダ人のアテンダントに事情を説明して、再度コンピュータの端末をたたいて調整しもらうい機内でたったままボケーとアホみたいに待つことしばし(この時間のむなしいこと、あいつ何をしているんだ?って好奇心の視線が座席から…)。

結局彼女は32Kに追い出され(許されよ、私が悪いわけじゃない、恨むならエアーカナダを恨め!)、筆者が13Kに納まった。うん、このシート、JALよりずっといいねぇ。フットレストがあるし足も組める、ヘッドレストの左右の可動部あって頭がうまく支えられる。JALさんよ、もっとシートと居住性に工夫してくれぇ!と感じる。

ところが、さらに三度目のハプニング。あきれことにというか北米としては当たり前のことにAC38便も遅れて出発だ。結局三十分くらい遅延したろうか。だが、筆者が乗った(乗る予定の)便は友人に伝えたし、その便の遅れなどは空港の掲示でわかるから、ま、大丈夫でしょう。

乗継での遅れは最初から計画せよ(順調であることを予定にするな!)

筆者は大丈夫だがとなりの女性はトロントでさらに乗り継ぎがあるらしくて、アテンダントを捕まえていろいろ話をしており、さらにトロント到着後もアタフタしていたようだ。いくら遅れるのは当たり前とはいえ、トロント着が22時をまわるとさすがに客もアタフタするわなぁ。彼女多分乗り継ぎが無くて、トロント一泊を余儀なくされたのではないだろうか。お気の毒に…。乗り継ぎがあるときはできるだけ早めの時刻が良いのだと実感。これは今後の旅で大いに生かせる教訓だ。一番楽チンなのは乗継箇所で一泊することかな。そして翌朝できるだけ早い便にしておけば遅れなど普通は気にならない…はず。もちろん便数によるけれど)

AC38機内

機内でしばらく落ち着いたら、固体を排出したくなった。読書しているおとなりのオバサンに申し訳ないが、邪魔してトイレに行かせてもらい、すっきり、晴れやか!で、戻ってきたら、すでにミールが配られていて、私の席は当然何も無く…。それならそれでリクエストすれば済むので、席に向かう途中で何気に他人のミールを観察したら、これがまずそう!いや!それに搭乗後の胡麻風味のスナックでさらにお腹が膨れていたので、機内食はパス。紅茶だけをもらう。

いや、はや、いろいろ、あった。そして、今日ほど英語が喋れてよかったと思ったことはなかったし、今日ほど一人旅で経験を重ねておいてよかったと思ったことも無かった。もし、これが始めての一人旅で、英語もボチボチでんなぁだとパニックになっていたかも知れないのである。何事も経験とはいえ、個人手配で海外旅行するなら、そしてそれが英語圏なら英語はある程度できなくてはいけない。何もアクシデントが無ければ、片言でなんとかなるけれど、何かあったら場合によっては片言ではどうにもならない。

ようやくトロント到着

だが、ひとつ心配なのは荷物だ。AC38便ではスタンバイだったら、無事荷物が載ったかな?荷物が無かったら、今日は、リュックに入れた下着だけ替えて…ってなるな。そんな心配をしていたら、カルーセルが回りだして、エクゼクティブの次くらいに荷物が出てきて無事再開。なんだか、旧友にあった気分、うれしい、うれしい(笑)。

友との再会

そして、ロビーに出ると…、いました、いました、カナダ人の友人が手を振って迎えてくれました。おなつかしゅう…、おろろ、おろろ、ここまで来るのに大変だった、おろろ、おろろ、なんてことはなくて、普通に再会の挨拶を交わして、抱き合って、しばしキスして(男同士だ、そんなわけは無いって!冗談です、ハイ)駐車場のほうに向かった。

ちなみに、ここまで日本の自宅を出てからほぼ21時間!ふう、やはりトロントは遠いわ。

このToronto Pearson Airport Terminal 1 は4月に新しくできたばかりで馬鹿でかくてなおかつ閑散としている。Huge and emptyというやつ。まあ、夜だってのもあるだろうけれど、実は新しいターミナルは彼も初めてなので、二人して駐車場への方向が分からず迷うことしばし(笑)。無事、駐車場までたどり着いた。

友人の運転でホテルへ

空港からの道路はさすがに時間が時間なので(すでに23時を回っている)空いている。いや、やはり大陸のハイウェイはでかいねぇ、なんて、あたりまえのことを感心しながら、しばし、運転中の彼と話をする。トロントの人口は500万人ほど(なんとニュージーランド全体の人口より多いじゃん!っていったら彼はびっくり!)で、今は周辺の市が合併して新しいトロントになり、さらに面積が広がったのだとか。オンタリオ湖沿いの工場が再開発で高いビルになり、ダウンタウンからも湖が見えなくなってきて、湖のそばの街であることを忘れしまいそうになるのが残念だといっていた。

Hotel Victoria

さて、そういうするうちにHotel Victoriaへ到着。チェックインは直ぐにできて、コンチネンタルブレックファスト(コンチネンタルは貧相だから嫌いさ、イングリッシュブレックファストのほうがいいのに)のチケットを日数分渡され(休日用が3枚、平日用が2枚)た。彼と明日どうするかを話を道中にしたが、明日はまあ近場にしようということで、10時頃にこちらから電話することにした。

部屋は3階のデラックスルーム。冷蔵庫付きで部屋が広くてこのホテルではスタンダードの倍くらいの広さ。予約時に交渉の結果(室内掲載のレギュラーレートCA$179、,WebではCA$135)コーポレートレートのCA$125で朝食付き出してもらえたのはラッキー。なかなかゆったりとして良い部屋だ。バスルームも広いし、洗面台のシンクもでかいので下着洗濯には良さそう(笑)。

まずは、シャワーを浴びて下着を洗濯だ。別に洗濯しなくても着替えはあるが、汚れ物をあまり置いておくのは嫌いな性質なのだ。洗ったものは余っているバスタオルで挟んで絞ると乾きがかなり早い。家族旅行だとバスタオルの余分が出ることが滅多に無いのだが、一人旅だと最低でも一組は余るし、経験的には二組くらい余る(いつも広めの部屋を取るので定員の都合で三組おかれていることが多い)ので楽勝だ。

深夜のくつろぎ

結局、飯を食いはぐったが深夜は一時近いので、トルティアチップスをつまみながら、水の残りを飲み(これじゃまるで遭難生活じゃんか…)、パソコンを取り出してデータポートに念のためモデムセーバー経由でモデムに接続。ふ、一発だね。いや、GRICって楽チンだわ。国内と同じ感覚だもん、とか思うのは余裕が戻ってきた証拠。

メールを取ると、出発前に申し込んだGlobalTelのアカウント通知が来ていた、ラッキー。まだ、コーリングカードを買っていないし電話はダメかなと思っていたから、これは良かった。妻と子供に一日の報告メールを書いて、さらにメールを出したよ、と、携帯のほうに一言メールを出す(笑)。そうしないと、PCのほうのメールは直ぐに見ないから…。このあと、家族にGlobalTel経由で電話して、無事一日が終わったのは午前二時だった。

ああ、疲れた、おやすみなさい。

(第1日目終了)

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