シドニー時間の午前六時半ごろに朝食が配られる。エクゼクティブクラスだから良く寝られるかと思ったのだが、実際にはエコノミーのときと大差なくて寝たような寝ていないような…。少なくとも、うーん、よく寝たって感じにはならないのは、飛行機旅のつらいところかもしれない。まあ、9時間程度のフライトなら、エクゼクティブクラスでもエコノミーでも大差ないって気もしなくはない。一番大きな差があるのは、飲み物と食事と一人当たりのトイレの数である。食事がいいのは当然として、トイレ一つあたりの乗客数が少ないのは、トイレの待ち時間が少なくなるので大変ありがたい。
[朝食(機内食)]
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JL771のエクゼクティブクラスの朝食 |
シドニー国際空港は一年半ぶりだが、さすがに記憶に新しい。勝手知ったる…とまではいわないけれど、どこに何があるかの概略くらいは把握している。
ここはいつもオーストラリア入国で書いていることだけれど、繰り返し書いておこう。特に注意すべきは常備薬などの持ち込み申請が必要なこと。以前。オーストラリア大使館に確認したら、処方薬は当然としてたとえ売薬でも持っていたらちゃんと医薬品を持っているとして申請すべしというもっともな答えだった。入国手続に関する限りガイドブックやツアー業者がなんと言おうが大使館のいうことが一番正しい。以来、筆者はまじめに医薬品にチェックを入れているが、実際には医薬品・麻薬・武器といった風にかかれているので、俺は風邪薬とかもってるが武器はもってねぇよ、といいたいわけだ。自分用常備薬って欄を別につくってほしい。
今回もいつものとおり入国審査で自分用の薬をもっていると申請したら、なにやら書き込んでそのまま税関はグリーンのほうへ突入できた。だが、おじさん一人旅ではケアンズでもブリスベンでもそうだったが、入管をでたところで別の係員に声を掛けられる。もう慣れたけれどなんだかなぁ、別に怪しくないぞよと思うわけだ。特に今回はTUMIを持っているのだぞ。あ、でもスーツは着ていないね(笑)。他人から見たら服装はカジュアルで一見日本人には見えない中年のオッサンがTUMI持っているとはいえやはり怪しかろうとも思う。純粋に日本人でございって顔立ちなら問題ないのかもしれないが、一人で居る限りそうは見えないからなぁ。パスポートの査証欄を見ながら、目的や滞在日数を聞かれてすぐ開放。
Baggage Reclaimではさすがにビジネスクラスでプライオリティのタグがついているから荷物もすぐに出てきて、税関審査もあまり待つこともなく再度係員に自分用の常備薬を持っているがこちらでいいかと確認のうえグリーンへ進み、無事申請物品なしの扱いでで通過し入国完了。
外へ出る前に、昨年同様フリーガイドブックの小冊子を一冊貰ってゆく。日本語版もあるけれど、英語版のほうが地図が格段に詳しいので、英語で問題なければ英語版を、あるいは日本語版と英語版というペアで貰うのがベターである。オススメの無料ガイドブックだ。
日本からWeb経由でVodafone AustraliaにGSM携帯電話用のSIMカードを番号予約しておいたのでそれを受け取る。しきりにプリペイドがいいよ、とすすめてくれるのだが、プリペイドカードはアクティベーションが必要であり(全部英語で電話でお話をすることになりますので念のため)、また発信頻度も低いのでレンタルSIMでOKなのである。それに現地スタッフにあらかじめオーストラリア番号の携帯番号を知らせておきたかったので、なおのことこれでないと困るのである。
ちなみに、GSM電話機としては、Nokia 3120のハンドセットを個人所有しており、旅行のたびにSIMをレンタルしたり、あるいはプリペイドSIMを買ったりして使っている。現地番号の携帯がある、すぐに使える携帯があるというのは、もしものとき、非常時には大変心強いのである。必要なときに探すと見当たらないのが公衆電話なのは昨今いずこも同じ。ある意味では保険みたいなものだが、その価値はある。
筆者はVodafoneの3Gを使っているので現地でもそれが使えるが、現地の番号からだと日本への国際電話をしないとこのローミング中の携帯にはつながらない。これは相手には料金的にも負担をかけてしまうのであまりよろしくないのである。
ここから、先は日本から一緒にきたスタッフの一人と行動をともにしているのだが、いやはや、ターミナルビルを出たら蒸し暑いこと。一昨年の冬場はからりとしてとてもさわやかだったが、東京の夏と大差ない。もわーと蒸し暑い空気が体を包み込む。冬場のケアンズやマウイのさわやかな風が懐かしく思える。
同行の彼と一緒にタクシーで宿のMercure Sydney (日本語ガイドブックには「メルキュール」と書いてあるが、現地では「マーキュア」と読まないと通じないのでご注意)へ。タクシー代は彼が払って領収書処理。このあたりが純粋な一人旅と違うところ。宿の様子は別のページに写真などを沢山添えて説明するのでそちらを参照してほしい。
ホテルに着いたのは、なんだかんだで10時20分だった。あらかじめノースモーキングルームをリクエストしておいたら、現地の秘書が気を利かして、いい部屋をとってくれて、同行スタッフと違ってもっと上層階の広い部屋だった。ちょっとうれしーかも。やはり、このあたりは平民でありまだまだ修行が足らぬ。
Mercure Sydneyのホテルの全景 |
上の写真はホテルの全景である。場所はCentralの近くで非常に便利なこと間違いない。客としてはビジネス客も結構多く日本人客は滞在中はほとんど見なかったように思う。
下の写真はホテルの自室の窓から見たCentralの駅の方向。長距離列車の派着駅でもあるので結構大きい。普通の通勤電車の改札は白く細長い屋根が連なる(長距離線のホーム)向こう側にあるので、地下の自由通路を結構歩く。左側に見える茶色で四角い建物はMedina Executive Sydney Central Hotelである。結構古い建物だ。
ホテルの部屋(14F)から見たCentral駅 |
さて、今回の仕事(会議)で一緒になる他国から来たメンバーの一部ともホテルのロビーで合流し「久しぶり!」と挨拶と握手を交わし、まずは昼食を!ということになり、チャイナタウンのほうへ繰り出すことになった。Mercure Sydneyはセントラル駅のすぐ脇にあり、チャイナタウンまで歩いてすぐなのである。場所はイマイチ覚えていないが、ビルの地下のフードコートにて各国からの同僚たちと皆で昼食を取る。共通の言語はもちろん英語である。アジア系の国からの人の一部はお互い中国語で通じるケースもあるが、全員となると英語のみだ。
[昼食メニュー]
昼食を済ませたあと、筆者は皆とわかれて一人の行動に出る。今回は会議が主な目的であり、各国からの参加者は筆者のように朝到着する者もいれば、夕方到着という人もいるので、朝着いた筆者は事実上今日一日フリーである。これまた得した気分だ。
目的地はシドニー水族館。それも見学ではなくて売店でカンガルーの手踊りぬいぐるみ(パペット)を買うためだ(爆笑)。チャイナタウンから歩くとちょっとあるけれど、道は知っているしセキュリティ的にも歩いて全く問題ない経路なのはわかっているので食後の運動をかねて歩くが、いやはや暑いわ。途中、ミネラルウォーターを飲みながら歩くけれど湿度が高くて東京の夏と本当に大差ない感じ。
夏の青空が広がるシドニー水族館付近 |
このとき、我が家には2004年でシドニーで買ったものが一匹、昨年ブリスベンで筆者が買ってきた足つきの手踊りカンガルーが一匹いるが、三人家族で一人に一匹カンガルーにするためには一匹足りないのである。毎晩取り合いになるため(いったいどういう家族だぁ?)、もう一匹買うのは仕事以外では今回の最大の使命なのである。
これだよ、これ。名づけて「ルー子ちゃん」(笑) |
日本製のぬいぐるみはどれもきちんとできているが、こちらのはごく適当である。左右のバランスがとんでもなく違っていたり、えらくゆがんだ顔になっていたりするのだ。今回のカンガルーも散々、かなり、相当迷ってようやく一番バランスがとれて可愛いのを選び出してお買い上げ(AU$12.95)。
シドニー水族館から、Market St.を東にまっすぐ進んで、George St.を右(南)に折れてしばらく行くとタウンホールに行ける。シドニーは大きな街だがシティ(CBD)はコンパクトにまとまっていて結構歩けてしまう。ここに、この界隈では大きなスーパー、Woolworth Metroがあるのだ。この店のよいところは地下一階が地下鉄乗り場と直結していることだ。
前回家族で来たときに最初に入ったWoolworthがやはりここで、娘が足元が寒いというので、衣料品売り場でハイソックスをはいた記憶がある懐かしい店だ。このWoolworthでミネラルウォーター、ジュース、おやつのCadburyのDAILY MILK(チョコレート)を買い込んで、電車でCentralへ戻る。
ここからMercure SydneyのあるCentral駅までは一駅で運賃はAU$2.20とちょっと高めだ。
ホテルの部屋でティータイムとしてちょっと休憩である。
ホテルの部屋で地図などを見ながら紅茶を飲んでエネルギー充填したので、またCity RailのCentral駅からTown Hallへ向かう。Mercureというホテルは確かにCentral駅のそばにあるが、Centralという駅はとても大きな駅で、改札へゆくためには丁度東京駅の丸の内から八重洲へ行くほどの時間がかかる。やや大げさであるが、まあそれに近い感じを想像していただければよろしい。
途中、公衆電話用のPhone Cardを買う。というのも、筆者は海外から自宅に電話するときは、Global-Telという会社を使っていて、オーストラリアの場合国際フリーダイヤル経由で利用するのだが、オーストリア国内から日本の固定電話へは一分あたりUS$0.20(精算はUS$ベースで行われる)と安いのである。公衆電話で国際フリーコールを使うのが一番安いのである。以前はもう少し安かったような気がしなくもないが、知る限りにおいて海外からのダイレクトダイヤル(コールバックではなく)においてはGlobal-Telが一番安い。
ここで土地勘をとりもどすために、City HallからPitt Street Mallやその近辺を歩き回るが、そのうちにだんだんと思い出してきた。途中ディスカウント衣料品店のLOWESにてポロシャツを一枚お買い上げ(AU$19.95)。アメリカの衣料品と違って、オーストラリアの衣料品は結構まともで、Tシャツやポロシャツなどもなかなか悪くないのである。少なくともこの程度の値段のものであれば、日本のスーパーのポロシャツと遜色ないかそれ以上だと思う。
Pitt Street Mallにある大型ショッピングビルのWestfield Centrepointには大好物のMuffin Breakがある。さらに時刻は夕方近いので、ディスカウントしているはずだ。行ってみると果たしてそのとおり。チョコチップとパイナップルを1個ずつ買ってもたったのAU$3.20である。下の写真はチョコチップであるが、日本のそれと違ってチョコチップそのものがでかい!食べ応え十分で1個で結構満腹になったりする。
日本のマフィンの軽く2倍はあるだろうチョコチップマフィン |
夕食はMyer地下のフードコートで済ませることにした。こちらは木曜日以外はどこも閉店が早いからどうしても夕食も早くなってしまうのだ。閉店が近いので、フードコートもディスカウントになっており、中華2点盛り(+フライドライスかフライドヌードル)がたったのAU$4.00とは嬉しい。
[夕食メニュー]
歩き回るうちに記憶はさらに戻ってくるが、どれも家族と一緒の思い出ばかりで、そこに一人で来ているというのはちょっと不思議でちょっと寂しさを感じる。別に家族と死別したわけではないので、悲しい思い出などではないが、ちょっぴり寂しさを感じることは否定しない。だが、その一方で一人だというわくわくかんもあるのも事実だ。
ちなみに、マフィンは夜食に美味しく頂いた。やはりMuffin Breakは美味しい。ホテルの部屋でMuffinを食べながら外を眺めていると、猛烈な雨と雷が降ってきた。翌日、同僚達にたずねると、彼らは遅くまで外をふらついていたため、かなり濡れたそうである。お気の毒様。
下の写真は、ホテルの自室から見たCentralの駅を右手に見る夜景だ。都市の夜景は昼間の喧騒が見えなくなり美しい。右下の四角い建物がこのページの上のほうにある昼間の写真と同じMedina Executive Sydney Central Hotelだ。写真左手奥のほうがチャイナタウンになり、方向としては北向き、つまり南半球では日当たりの良い側でCirculer Quey方向を見ていることになる。
Mercure Sydneyの14Fの部屋から見た夜景 |
(第1日目終了)