現地第三日目 (2006/9/9[火])
天候:晴れ

朝日に目覚める

今日は目覚ましを7時にセットしたのだが、寝過ごさないように故意に半開きにしておいたカーテンの隙間から差し込む朝日の明るさで6時45分に目がさめた。

昨日はバフェだったので、今日は和食レストランの弁慶の朝食にする。安い旅館の朝食とは違って結構ボリュームがある。料理の雰囲気は明らかに関東系ではなくて、東海・関西系といったところ。大根の含めになどは大変美味だ。焼き魚のふぐの干物は身も分厚かったのだが、ちょっと冷めて堅くなっていたのが残念。これが一流旅館になるとちゃんと焼きたてが出るのだが…。

さすがにバフェではないので、一人の朝食に1時間もかけようがなくて、30分ほどで食事も終わり部屋に戻ったのが8時過ぎ。身支度をして、忘れ物がないことを確認してチェックアウト。ツアーなので特に支払いもなく終了し、荷物だけは出発まで預かって貰うことにしてホテルを出たのが9時過ぎである。

リベンジの金沢21世紀博物館

金沢駅のバスターミナルで空港までの券を購入しておく。昨夜のうちに見ておいたのだが、金沢駅から広坂とか香林坊へはほとんどすべての北鉄バスが通るのでかなり便利である。バス停に行くと丁度93系統の金沢大学行きが来たのでそれに乗る。9時12分ごろ出て運賃200円也で広坂に着いたのが9時25分。ふ、今日は昨日のリベンジだぁ。

私が訪れたときは丁度サイトウ・マコト展 SCENE[0]という企画展をやっていて個人入場料が1000円なのだが、求められるままに周遊パスを見せて200円引きになった。10時の開場までまだしばらく時間があるので無料ゾーンをゆっくりと散策しているうちに開場を告げるアナウンスが流れるので有料ゾーンへ。

金沢21世紀美術館といえば、スイミング・プール、つまりレアンドロ・エルリッヒ作の通称レアンドロのプールである。このプール上部は無料ゾーンなのだが有料ゾーンが開いていないと入れない。あいにくプール下の有料でないと見られないところはメンテナンス中であったが、昨日は離れてガラス越しだったのがやはり間近で見るとうれしい。上から見るとプールなのだ、それだけだが、なんか嬉しい。

企画展のサイトウ・マコト展のほうは、デジタルを駆使した異様な人物作品で最初に見るとおったまげるのだが、しばらく見ているとなんともいえない感じがしてきて、その奇妙人物に話しかけられているような気分になる。大抵の人物は眼が際だってはっきりと描かれており、その眼が感情を表しているように思える。

サイトウ・マコト展のあとミュージアムショップをみたが特に収穫はない。広坂口から百万石通り似出たのは10時45分頃だ。ここから金沢市の繁華街の中心部である香林坊まではすぐだ。

長町武家屋敷跡の石畳の路地

まだ昼には早いので長町武家屋敷跡を再訪するつもりだ。というのも昨日は一番の見所である土塀の連なる石畳の路地を見損なっていたことに気づいたからだ。

香林坊の喧噪とは目と鼻の先にあるのに、ほんとうにタイムスリップしたようで、歩いているとそのあたりから二本差しの武士が現れて、それを火打ちで見送る奥方の姿も見えてくるような不思議な感覚になる。

昨日は見なかった旧加賀藩士高田家跡や金沢市足軽資料館などを訪れる。他藩の足軽は長屋住まいだったそうだが加賀藩の足軽は平屋の一戸建て住まいだったそうだ。

あんかけうどん

タイムスリップしながら本当に時を忘れ気がついたら12時前。朝食は和風だがそれなりにボリュームがあったけどさすがに小腹が空いた。最初はハントンライスかと思ったがちとヘビーなのでATRIOの地下に入る。そこでうどんのお店の加登長総本店があって、加賀あんかけうどん(700円)というのがあったので躊躇わずに中に入る。

関東で食べることのできない麺類の一つがあんかけうどんだ。まだ子供の頃によく祖母が作ってくれたのを思い出す。片栗でとろみをつけた出汁の上におろし生姜が乗っている。何とも懐かしくて、今度は私のハートが一気にタイムスリップした気分で大変美味しくいただいた。

お腹も落ち着いたので、ATRIO地下の食品売場を見てまわる。金沢といえば加賀麩だが、ここで不室屋という麩のお店があり、一見すると最中のようだが、最中の皮ならぬ麩の中におすいものの素、加賀味噌、赤だしをいれたものがあってそれぞれ一個ずつとお吸い物に浮かせるようなお洒落な小さな麩を土産に購入。

時計を見ると12時20分過ぎ。ぼちぼちホテルにもどってまだ一枚未使用のティーチケットを使うとしよう。バス停に出ると丁度金沢駅行きのバスが来たので飛び乗って約10分で金沢駅に着いた。

ホテルでティータイム

ホテル一階のファウンテンは丁度空いていてゆっくりとティーを頂きながら本旅行記をプチプチすることができた。ちなみにティーを普通に頂くと800円と某かであって、朝食は2,300円である。無料のティーで1時間以上ゆっくりと過ごさせていただき、時計を見ると13時45分。まだ早いけれど最後に金沢百番街のおみやげもの売場を一巡りすべくファウンテンを出て、フロントに預けた荷物を引き取って駅に向かった。

半時間ほど見て回ったが特に気になるものもなく空港バスの出る6番のバスターミナルへ行くと、サラリーマン数名の一群がすでに並んでいた。自分もサラリーマンだが、勝手なもので自分がバケーションの時に固まっている出張サラリーマン氏達をみると実に鬱陶しく感じる。風に出張の時も七名も八名も固まっていなくては気が済まないのか。一人で行動できないのか、とか勝手なことを思ったりする。

帰路

14時40分、小松空港行きのスーパー特急バスが入ってきた。往路の日曜日と違ってビジネス客で結構一杯になる。バスは順調に北陸自動車道を走り15時20分過ぎに小松空港到着。真っ先に自動チェックイン機にかけつけてチェックインし、さらに無事クラスJにアップグレードできた。

空港売店で妻から頼まれた菓子などをかうが、さすがに昼食のあんかけうどんでは腹が減ってきたので、小松空港レストランのエアポートにて、軽く和風中華そば850円也を頂く。

場所柄全く期待しなかったのだが、これがさっぱりとした昔風の中華そばをほうふつとさせるものでなかなか旨いではないか。成田空港の高くてまずい大抵の店よりはるかにおいしいのにはちょっとびっくり。

さて、あとはセキュリティチェックを受けて帰るだけとなった。

今回のおじさん金沢一人旅は、珍しくもプチ食い倒れ?の旅となった。もちろん高々先千数百円のメニューばかりだが、それでも普段の一人旅と比べると雲泥の差である。

たまにはこういう一人旅も悪くないものだ。

(金沢おじさん一人旅終了) 

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