現地第二日目 (2008/9/8[月])
天候:曇り/シャワー

ホテル日航金沢の朝

慣れないベッドでイマイチ眠りが浅かったが、目覚ましが鳴って目が覚めたのは6時45分。身支度を終えたのが7時半。朝食付きのパッケージなので、クーポンをもってホテル2階のザ・ガーデンハウスへ行き一時間ほどかけてバフェの朝食を頂く。

品数はあまり多くない。広島の定宿であるリーガロイヤル1階の朝食バフェのほうが遙かにメニューも多くて良い。明日は日本料理店の弁慶ほうの朝食にしよう。メニューが多くないとか文句をいいつつもお腹は一杯になりおよそ一時間ほどかけたゆったり朝食を終える。

部屋に戻ってガイドブックを見ながら今日のプランを練る。ツアーに付いている城下まち金沢周遊パスを使って、ひがし茶屋街→金沢21世紀美術館→長町武家屋敷跡とまわって、適当なところで昨日のリベンジで近江町市場で海鮮丼を頂く予定だ。

城下まち金沢周遊バス

私が一人旅で宿を取るときに優先するのは交通の便。バスや電車のターミナルに近いところを好むが、このホテル日航金沢も例外ではなくて、金沢駅および東口バスターミナルとは目と鼻の先なのである。ホテルを出て、城下まち金沢周遊バスに乗ったのは9時半。このバスはかなり小型のボンネットバスで、15分間隔でループ状に主な観光ポイントを回っている。

朝の観光スタート時刻ということもあって小さなバスは満員である。隣に立っているアジア系の年輩のカップルは英語のパンフレットを持っているので、おおかた香港かどこかであろう。喋っているのも一応英語だったし…。

ひがし茶屋街

バスは12分ほどでひがし茶屋街の最寄りバス停である橋場町に到着。ここでかなりの数の客が降りる。昨日と違って快晴とは言わないまでも綺麗な青空が広がり浅野川の流れも青空に映えて大変美しい。近くに茶屋街があって川があるというのはちょっと京都の祇園界隈を思わせるところがあるかもしれない。

金沢には「ひがし」「主計町(これで"かずえまち"と読むそうであるが、普通の観光客は絶対読めないと思う、大抵は"しゅけいちょう"とか読んでしまうのではなかろうか)」「にし」の三カ所があるというが、観光的にはひがし茶屋街のほうが見学できる茶屋もあったりして面白そうだ。

この茶屋街に一歩足を踏み入れるとまるでタイムスリップしたような錯覚に襲われる。倉敷の美観地区も古い町並みが保存されているが、ここはそれ以上に自分の居る時代を忘れてしまいそうになる。古い銭湯があったり「コールドパーマ」という古くてデカい看板をかけている美容院、そして何よりも紅柄格子の続く通りは大変美しい。夏休みも終わって秋の観光シーズン前なので観光客も少なくてゆっくりと歩ける。

ここはお茶屋さんと土産物屋はともに紅柄格子の似たような作りなので一見すると土産物屋かどうかわからなかったりする。せっかく来たので歩くだけではなくて、お茶屋の中を見せて貰うことにした。といっても普通のところは入れっこないので、観光客向けに保存したお茶屋の建物の中を当時の風情そのままに、まるで博物館のように見せているところが二カ所あるのだ。懐華楼(「ろう」は実際には難しいほうの字)と志摩の二軒がそれで、私は志摩のほうを400円を払って中をみた。お茶屋の中なんて生まれて初めてであり、今後も絶対に縁のないこと疑いない。今から見るとずいぶん小さな部屋がたくさんあるのだが、ここの二階には押入というものが存在しないのが面白い。

志摩を出て、あぶらとり箔座で土産にあぶらとり紙を買う。たかがあぶらとり紙だけれど1050円という価格がすごいと思うが、高いのはその倍ほどもする。

金沢21世紀美術館

バス停に戻り、待つことしばし、10時56分の周遊バスに乗って金沢21世紀美術館のある広坂へ向かう。広坂までは10分かからない程度で、バス停を降りれば見逃しようがない近代的な真っ白の建物が目に入る。これが金沢21世紀美術館である。

中へはいるとやけに人がいないし、ミュージアムカフェも閉まっている。あれ?と思ったら今日は休館日!この美術館は中心部の有料ゾーンと周囲の無料ゾーンに分かれており、一部は無料で楽しめて休館日でも無料ゾーンは自由に見ることができる。仕方なく、無料ゾーンだけを見るが、そんなに見るところもない。そうそう、ここの地下に行くガラス張りのエレベーターがすごくて、床以外が透明でさらに上からつり下げられているのではなく、油圧か何かで下からガラス張りの箱をぐいと押し上げたり引き下げたりするのだ。これは始めてみた。エレベーターまでもアートなのである。

それでも30分ほどは中にいたろうか。さすがに無料ゾーンだけではネタも尽きたので市役所側から出て香林坊のほうへ鞍月用水沿いに歩く。金沢市内は何気にこうした用水が町中を流れておりそれが風景の一部となっている。ぶらぶ裸子ながら歩いて行くと何やら記憶のあるサインが見えてくる。「109」と書いてあるじゃないですか。

長町武家屋敷跡

109の脇を抜けて入って行くと、目的の長町武家屋敷跡となる。先のひがし茶屋街ほどではないが、ここも武家屋敷の面影の残る町並みでタイムスリップしたような感じになる。昔の武家屋敷を保存し中を見せているのが武家屋敷跡野村家。せっかくなので料金を払って中を見る。さすがにお茶屋の中よりはゆったりと作ってある。これは当時としてはかなり贅沢な作りだったと思われる。

時計を見ると12時20分。香林坊から近江町市場のある武蔵ケ辻までは再びバスに乗っても良いが天気も良いのでここは金沢市内の繁華街&ビジネス街である百万石通りを歩くことにする。ゆっくり歩いても15分ほどで昨日はゴーストタウンだった近江町市場へ到着。

海鮮どん屋

昨日とうってかわって人であふれかえっていて活気がある。目指すは海町海鮮丼屋ひら井か海鮮どん屋。ひら井は結構並んでいるしお腹も空いたので海鮮どん屋のほうへ回る。こちらはピークが過ぎたらしく、無事カウンターに座れて、特盛り近江町丼(1500円)を頼む。

昨日の魚菜屋の荒磯丼もそうだったが、東京あたりで食べるちらし寿司に比べるとご飯の量は控えめである。そのかわり海の幸がたっぷり乗っている。夏といえどもさすがに日本海であり魚がうまいです。町中を見ても肉を食わせる店より魚を食わせる店のほうが数が多いような気がする。魚好きにはいいところでありますな。

特盛り近江町丼を美味しくゆっくりと頂いて海鮮どん屋を出たのが13時10分。とりあえず一度宿にもどることにして武蔵ケ辻のバス停出周遊バスを待つんだが出たあとらしくてほとんど15分ほど待ってしまった。

チェックインの時にもらったティーチケットがあるのでホテル日航金沢1階のファウンテンというカフェでお茶を飲もうと思ったけれど、あいにく禁煙席が満席で喫煙席しかないため断念して一度部屋に戻って、冷蔵庫につっこんでおいた玄米茶を飲みながら残りの半日のプランをたてる。

石川県立歴史博物館から兼六園へ

まだ周遊パスは2乗車しかしていない。額面500円で1乗車200円なので3回は乗らないと損である。博物館が好きな私としてはもう一つ見たかったのが煉瓦造りの建物が美しい石川県立歴史博物館だ。ここへ往復して駅の金沢百番街で土産を買って食事をしようと言うプランだ。

14時30分、再びホテルをあとにして、14時45分金沢駅発の周遊バスに乗る。目的地は先ほどと同じ広坂で所要時間は15分だった。ここで降りて兼六園沿いに広坂を上ると数分で石川県立歴史博物館だ。

だが、しかーし、運が悪いのか観光ピーク直後の時期が悪いのか、展示替えのために8日と9日は臨時休館とのこと。あっちゃ〜。まあ、休館なのは仕方ない、外側の美しい煉瓦の建物を写真に撮る。さて、どうしようか、計画が狂ったぞ。

空を見上げると天気も良い。このまま広坂からバスに乗るのももったいないので、昨日に続いて兼六園の中を抜けて兼六園下から周遊バスで駅に戻ることにした。

今回は随身坂口から兼六園に入った。ちょうど桂坂口の反対側だ。昨日は曇っていたが今日は晴れているので緑も映えて庭園は大変美しい。昨日回らなかった園内を中心にぶらぶらしながら、桂坂口のほうへ向かう。やはりここは秋とか春が最高でしょうなぁ。兼六園を30分ほどかけて通り抜けて、桂坂口を出たのは16時十分前くらい。16時ちょうどの周遊バスに乗ると、朝方一緒だったアジア系の年輩夫婦が乗ってきた。

お土産調達

時刻は16時を回り、金沢百番街の中を見ながら土産を物色する。試食して味を確かめて買ったのがぶりの煮物の真空パック(いやこれ美味しかったのです)、それから佃の佃煮のほたるいかの佃煮でこれも絶品。そして一見最中にしか見えないが、実はお茶漬けの素?を三種類。

これを携えてホテルに戻り、昼過ぎには満席だったティーラウンジのファウンテンで紅茶を頂く。さすがにティーバッグじゃなくてちゃんとリーフティーが出てくる。ここで一時間ほど休んで(というか実際にはEM・ONEでこの旅行記をプチプチしていたんですが…)、部屋にも度って土産をおいてから夕食に出たのが18時。

夕食も海鮮

ためらうことなく金沢百番街へ。なににしようかとうろうろしたあげくに昨夜と同じ魚菜屋2号店へ入る。注文したのは、漁師盛り刺身定食(1050円)と生ビール中。私が一人旅で居酒屋風の食事どころに入って生ビールを飲むなんてこれはチョー珍しいのであります。

昨日の荒磯丼も良かったけれど、この店は刺身系のほうが食べごたえがあってお値段的にもお得な気がする。ここでビールを飲みながら一時間近くかけて食事をして、気持ちよくなって(笑)そのまま2階の100MARTというスーパーへ。目当ては昨夜と同じ夜食用の海鮮巻き。昨日は50%引きかと思っていたので、まずは目的の売場に突進。ありました、ありました、一つ残っていた。あれ?50%引きじゃなくて50円引きでした。まあ、どちらでも良い、これ美味しいのだよ、ほんとに。それとおみやげ用にわかめふりかけなどを買って精算し、部屋にもどった。

明日の予定

長いような短いような二日目も終わった。明日は和食の弁慶で朝食をとり、普通の北鉄バスで広坂へ出て金沢21世紀美術館を見て、百万石通りを香林坊に出て、グリルオーツカのハントンライスを食べるかほかのどこかで昼食を食べてからバスで駅に戻り、宿で二枚目のティーチケットを使ってから14時40分頃のバスで空港に向かう予定だ。

それではおやすみなさい。

(第2日目終了)

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