筆者が始めて購入した、本格的な携帯用電子辞書です。それまで携帯用辞書というとPDAに入れた辞書もどきとか、おまけに付いている辞書もどきしかもっていませんでした。
しかし、辞書もどきはどこまでいっても所詮辞書もどきです。本格的に英語や英会話の勉強を始めると、そんなクズ辞書では全く役に立たないのを感じ、何か良い辞書がないかと探し始めたのです。
当時、パソコンではDDWIN32という電子ブック検索ソフト(オンラインソフトウェア)と、電子ブック版の「研究社新英和・和英中辞典」をつかっていました。別にこれが気に入っていたわけではなく、当時中辞典クラスのパソコンでも使える電子辞書として簡単に入手でき安価なものがこれしかなかっただけの話です。
しかし、この辞書、昔からあるし支持者も多いのですが、はっきりいって私はきに入りません。理由は「内容がかなり古い」「語法の解説が非常に少ない」「用例も少ない」からです。特に語法と用例が少ないのは、英文を書くときに参考にするには致命的です。
個人的に好きなのは、「大修館ジーニアス英和辞典」か、「小学館プログレッシブ英和中辞典」なので、これらが電子辞書になったものが欲しかったのです。しかし各社のフルコンテンツ携帯用電子辞書は軒並み「研究社新英和・和英中辞典」をつかっていました。
そんなとき、目に付いたのが、このシャープのPW-5000です。これは辞書の内容が最高でして、「大修館ジーニアス英和辞典」と「小学館プログレッシブ和英中辞典」を搭載しているものです。標準価格が35,000円と決してお安くない価格ですが、シャープらしい見やすい大画面液晶と内容に惚れました。
この辞書はそれなりに気に入って持ち歩いていましたが、よくも悪くもペンタッチというのは特徴的です。ザウルスのような形状で、プラスチック製の保護カバーをくるりと360度回転させて液晶面を出して使います。スイッチを入れると、液晶面に仮想キーボードが現れて、これをスタイラス(付属のタッチペン)でタッチしてスペルを入力してゆき検索します。
このスタイラスによるタッチ入力というのが結構曲者で、最初のうちはいいのですが、これが結構かったるく感じるようになりました。辞書の内容そのものはとても気に入っていましたが、どうもこの操作性がハナについてきました。
このタッチ式の評判が悪かったのか、あるいはコスト面の理由なのか定かではありませんが、現在のシャープの携帯用電子辞書はキーボード式に変わってます。
逆にキーボードは嫌いだという人には向いているかもしれません。というわけで、この携帯用電子辞書は、コンテンツのすばらしさにもかかわらず、いつのまにやら使わなくなり現在は引き出しの肥しになっています。
写真一番上がパネルを閉じたところを正面から撮影した写真。結構使っていましたから左上に少し、"SHARP"ロゴの右下に数ミリの傷がありますが、これは保護カバーだけで、液晶面は問題なし。もったいないなぁ。
写真二段目はパネルを開いて右から撮影したところです。こんな風にパネルが本体底部にくるりと回りこみます。
写真三段目は手にとったところです。小さく見えますが私の手は大きめなのでそんな風に写ってしまいます。写真に写っているのが仮想タイプライターキーボードでスタイラス(手前に収納)でタッチします。
写真四段目はパネルを開いて平らに寝かせたところですね。普通はこんな風に開いて使うことはないと思いますが...(笑)。
形状が形状だけに、電車の中で使っても、電子手帳かザウルスあたりを使っているようにしか見られないかもしれません。
そんなこんなで、次の携帯用電子辞書を探していました。そして偶然新宿ヨドバシカメラの店頭で見つけたのが、写真右にある「SONY DD-IC100」です。
シャープ、カシオ、SIIなど各社の携帯用電子辞書が並んでいるなかで、ひときわ、というか、かなり小さなものがありまして、「なんじゃ、こりゃ?」と思ったのが運のツキでした。
電子辞書売り場に並んでいるのですから、辞書に違いはないのですが、これが凄い。凄いところは本稿のNo.7「私のほしい電子辞書/DD-IC100」に、5つのポイントとして触れていますので、そちらをご覧になってください。
写真右がパネルを閉じて上から取った写真です。この写真では大きさはわかりませんが、SONYらしいすっきりしたツートンカラーのコンパクトなものです。
写真下をごらん頂くとそのコンパクトさがおわかりになるでしょう。掌にすっぽり収まる大きさでありながら、「小学館プログレッシブ英和中辞典」と「小学館プログレッシブ和英中辞典」を搭載しているもので、標準価格は29,800円でした。安くは無い買い物ですが、速攻で買い求めてしまいました。
このDD-IC100の面白いところは、薄暗いところでも読めるようにバックライトがついていることでしょうか。あまり薄暗いところで辞書を引くというのは、無いように思いますが、旅行先(ハワイ)のレストランなどではこれが威力を発揮します。
昼間の明るいときならともかく、ハワイのそこそこ高級なレストランのディナータイムは薄暗いのです。はっきりいってバックライトが無かったら非常に読みにくいことでしょう。
しかし、筆者はこれで満足しているわけではありません。英和と和英はジーニアスかプログレッシブのどちらかが良い、研究社の中辞典は絶対ダメと心に決めているので、その点は先の2つの辞書は合格です。しかし、英英辞典がない!
英英辞典は英語を学ぶ上では不可欠です。英語と日本語は全く生い立ちが違う言語ですから、そもそも翻訳して考えることに間違いがある。英語は英語のまま解釈すべきでしょう。翻訳家や通訳を目指すなら別ですが、言葉の上だけで英語と日本語を結合させるといつまでたっても英語を英語として理解できません。
その点、日本の英語教育はまだまだだといえます。英語を英語として解釈するためには英語のまま学べばよいのです。そのための道具の一つがわかりやすい英英辞典でしょう。私はPCではいくつかの英英辞典を使っていますが、学習用として私がピカイチだと思うのは、Collins E-Dict(書籍版はCobuild)です。他にLongmanのAdvanced American Dictionaryもピカ一だと思いますが、残念ながら私は持っていません。
E-Dictのほうは、日本の洋書扱い店で買うとばかばかしいほどの値段ですので、直接英国のCollinsから購入したものですが、送料などを含めても、国内よりはるかに安価に購入できました。
本稿のNo.7「私のほしい電子辞書/DD-IC100」に書いたとおり、このDD-IC100に英英辞典が入ったものが欲しい。理想的には学習用にCollinsかLongmanと、それ以外のときに使うAmerican HeritageあるいはMerrium-Webster'sが入ったものが欲しいのですが、この当時は英英を入れたものはありませんでした。
その後、「Longman Dictionary of Contemporary English (ロングマン現代英英辞典)」と、「研究社新英和・和英中辞典」を内蔵した、SIIのSR8000が販売されました。
Longmanのほうはいいとしても、SII製のフルコンテンツタイプで中辞典クラスのものは、全て新英和・和英しかつんでいません。他にリーダーズを併用搭載したものとかありますが、とにかく主力は「研究社新英和・和英中辞典」を内蔵しており、これはいけません。せっかくのLongmanが台無しです。
それでも、それまでは英英内蔵のものは当時市場には出ていなかった(過去にはあったらしい)ので、それなりに売れているようでして、当時はどこの店でも品切れで入荷未定状態でした。考えようによっては、英和と和英の超ヘボなことを差し引いても...という人も居たようですが、それにしては価格が高すぎます。
そして、2001年2月、カシオから私の希望にもっとも近いものが発売されました。Ex-word XD-S3000というもので、標準価格は38,000円(実売3万円を切っています)という、結構お高いものです。
これは、さきに書いたとおり、私の希望にもっとも近いものです。さらに欲を言えば、まっとうなthesaurusも欲しい(一応類語辞典もついているようですが、これはほんとうにおまけでしょう、実用性には疑問です)し、American HeritageかMerrium-Webster'sもつけてほしいところです。ですが、まあ、それは欲張りでしょう。
一瞬これに飛びつきそうになったのですが、SIIが英英付きを出し、カシオも英英付きを出した。現在携帯用電子辞書市場では、シャープ、SII、カシオ、ソニーが競っています(一応キヤノンなんてのもあるみたいですが)。その老舗であり大手でもあるSIIとカシオが英英付きを出したのですから、シャープが黙っているとは思えません。特にシャープとカシオの関係からすると、カシオだけにその市場を任せておくわけがありません。
ここは一つ歯を食いしばって、シャープがLongmanかCobuildを内蔵して、英和と和英はジーニアスかプログレッシブのものを出してくれるのを待つのが懸命でしょう。 |
シャープさん、待っていますよ!
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