第3日目 1st August 2003

三回目の朝食

到着初日に、PIERのビジターインフォーメションのブッキングオフィスにて、昨年と同じ"Down Under Tours"の"KURANDA TRAIN AND SKYRAIL"(A1)の予約をしておいたのだが、そのツアーが今日なのだ。

ピックアップ予定は、午前8時25分。一人のときと違って起きてから出かけるまでに、時間がかかる成人女性(=私の妻)がいるので、早めの午前6時に目覚ましを鳴らす。レストランは朝6時から営業しているので、それでも全然問題は無い。

昨日までより早めの6時45分ごろ、一回のWaterfront Grillに下りていつもの朝食バフェをいただく。今日のメニューは昨日と同じであったが、時間が早いせいかフルーツの中に見慣れないエンジ色の皮で、肉は薄いピンクのトマト状のものがあったので、好奇心旺盛な妻が「わぁ、時間が早いから、昨日はなかったフルーツがあるわ」と嬉々として、皿にとっていた。

そのフルーツを最初は皮側からナイフをいれようとしたらしいが、うまくきれないらしく、ひっくり返してやわらかいであろう身のほうからナイフを入れた。口に運ぶと、皮がかなり硬くて皮だけ口だから出し中身を食べたようだが、食べ終わって憮然として一言「味が無い」という。甘くも無ければ、酸っぱくも無いし当然辛くも無い。要するに不味いということだ。

今日は時間が早いせいか、各種ツアーに出かけるであろう日本人客が大勢レストランにいた。筆者家族が食べ終えてロビーに出ると、ピックアップ待ちの日本人で混み合っていた。

Down Under Toursのピックアップ

一旦部屋へもどり用を足して荷物をとって筆者たちもツアーのピックアップに備えることにした。所定時刻の10分ほど前からロビーに出て座っていた。大体時間通りにくるとは思っていないから、定刻になってもバスが現れなくても驚かない。そうこうするうちに、他の日本人客は、日本人ツアーガイドに一組、二組と名前を呼ばれてかなり少なくなっていった。

そして8時40分ごろ、Down Under Toursの大型バスがやってきて、オーストラリア人のドライバーが下りてきた。筆者家族が近づいて名前を確認する。手持ちのバウチャーには大人2名、子供1名と正しいが、何故かドライバーのリストは全部で5名になっているので、「理由はわからないけど、我々はこのバウチャーの通り3人だよ」と言うと、よくあることさといわんばかりの顔をして(笑)、バスに乗れといった。

バスはこのあと何箇所かで客をピックアップしてゆくが、昨年同様日本人は皆無である。途中で他のDown Under Toursのバスと合流し、ドライバー氏がこのバスはここまでで、となりのバスに移動して欲しい(人数の関係で少数で二台を出すのではなく、途中で一台にまとめるということだった)となり、我々のバスの乗客全員もう一台に移動する。

Freshwater Station

そこからは、ほぼまっすぐに、Kuranda Seenic RailwayのFreshwater Stationに向かう。ここで昨年同様、駅舎内に臨時に設けられたDown Under ToursのTO PAYの窓口で、残額のAU$170をクレジットカードで支払い、Kuranda Heritage Tax(一人AU$1.00)をキャッシュで支払う。係員から説明を受けて、予定表を受け取りあとは列車を待つだけだ。

列車の到着が近づきホームに人が増える Down Under Toursの乗車券

所要時間は一時間半ほどかかり、トイレはあるがトイレに行っている時間がもったいないので、用をすませておく。駅舎に続いて設けられた鉄道建設の様子を展示した博物館を見学したりしているうちに、ディーゼル機関車に先導されて列車が入ってくる。筆者家族の席は4号車で、座席は29〜31。これは、再利用可能なようにプラスチックでパウチされた券を支払いと引き換えに受け取るのである。この券は、車内でバロンフォールズの駅の前後で、車内で係員がSkyrailの切符と交換してくれるわけだ。

Kuranda Seenic Railway車内

列車は、眠気を催すようなのんびりした調子で、ときどきアナウンスでの解説を交えながらすすんでゆくが、となりのコンパートメントのオーストラリア人(言葉でわかったがひょっとしたらニュージーランドかも)の一行がピーチクパーチクとしゃべり通しで実にやかましい。それに輪をかけて、となりの席の中国人女性3人が、甲高くて早口の中国語を大声で話すことがあって、恐ろしいほどにぎやかなこともあって閉口した。

いよいよ列車が到着だ 時々素晴らしい風景に出会える

支払いのときにもらったマップ(英語)を見ながら、去年の記憶も加えて時々妻と子供に説明をするが、ここちよいゆれがたまらなく眠気を催す。ふと周りを見ると、元気にしゃべり続けるオーストラリア人8名を除けば、かなりの乗客の目が気のせいかとろんとしてきていて、居眠りをしている人も何人か居た。ふと気づくと我が子もこっくりこっくり…。

バロンフォールズの前、最後の15番目のトンネルのあたりで、Down Under Toursの係員がやってきて、名前とツアーステッカー(胸に貼る)を確認して、Skyrailの件との交換とKurandaに到着してからの説明、Skyrailの乗り場、Skyrail終着のCaravonica駅からバスピックアップまでの説明、Skyrail途中駅で歩いたり時間をとりたければ、その分はやめにSkyrailに乗ることなどを事細かにコンパートメント毎に説明してくれる。

しかし、となりの中国人3人組みのお客さんは英語がほとんどわからないようすで、かろうじて若い一人だけが理解できそうなのだが、イマイチ反応が悪い。アテンダントの女性は困った風で筆者の方へ視線を向ける(筆者は幸いアテンダントの言葉をほぼ理解できていた)のだが、残念ながら英語はわかっても中国語がわからないので通訳してあげられない。私も困った顔で肩をすくめるしかなくて、だが、さすがプロである。根性を出して何度も時に紙に書いて説明してその場を切り抜けたようだ。ちなみに、その中国人のお客の旅程表は英語ではなく中国語で書かれていた。

Stony Creek Bridge〜Barron Falls

列車は、有名なストーニー・クリーク橋をゆっくり通り過ぎて、まもなくバロンフォールズに到着。10分ほど停車があり車外に出ることができる。この時期乾季なので川の水も少ないのだが、雨季だと結構な水量で迫力があるらしい。しかし、その分相当量の雨にあう確立もかなり高くなるので、どちらが良いかは一概には言えない。

ちょっとマウイを思い出すかも… 有名なStony Creek Bridge
乾季なのでBarron Fallsも水が非常に少ない この駅で10分ほど停車する

汽笛が鳴り列車は終点のKurandaに向かう。まだたかだか二度目だけれど妙に懐かしい気がする。駅からvillageまではフリーシャトルバスがあるが、せっかくなのでそんなものは乗らずにのんびりと散策をかねて楽しむのが良い。駅に着いたのが11時20分ごろで、旅程表によればバスの出発時刻である15時に間に合うには、13時45分くらいにSkyrailに乗らないといけないということだ。それまで、まあ、十分とはいえないが、そこそこ楽しめる時間はある。ほんとに歩き回りたければ、Down Under Toursの筆者が選んだコースではSkyrailの時間を13時45分ではなくて、もう一つあとのほうにすべきだ。

Kuranda

Villageを散策しながら、ここで去年はオージーバーガーとスープを食べたというと、私たちもそれを食べるという。とはいっても、まだ昼には早いので、そのままVillageを散策しながら、Heritage Marketに行き、中をぶらぶらしながら、子供がカンガルーの毛皮の小銭入れを購入した。目指すはBird Worldだ。

列車は一日二往復でホームも二面ある Kurandaに到着!

Bird World

Bird WorldDown Under Toursのステッカーを胸につけていると割引になるそうで、大人2名と子供でAU$26.50だ。ここは巨大な鳥小屋に人間が入ってゆくという通常とは逆のパターンで、人間になれた鳥もそうでない鳥も飛び交い、ときに近づいてきたりして楽しい。ときには肩にとまることもあるが、その際にはイアリングには気をつけるように、とは係員のアドバイス。

実はここでとんでもないハプニングがあった。木に止まっていたオウムの写真を近づいてとろうとデジカメを近づけたら、そのオウムはデジカメに興味をらしく、デジカメのほうに近づいて身を乗り出してきた。あわわ、そんなに近づかれたらマクロでも焦点があわないぞ、と思っていたら、いきなりデジカメがひっぱられた。

こつだぁ!こいつがレンズバリアに食いついた!! なーんだ、食えねぇのか、つまらん、フン!
色鮮やかな鳥が多いが中でもオウムは素晴らしい オレンジに夢中で周囲にカスを撒き散らしている

何かと思ったら、自動開閉するレンズバリアの近くを加えてひっぱったのである。あわててふりほどいたら、「なーんだつまんねぇの」という顔をされてしまった。実はこのときは気づかなくて、後でSkyrailの中で気づいたのは、電源を切ってもそのレンズバリアが閉じなくなったのだ。どうも、中で曲がったのか何かでひっかかっているのか何からしい。あらら…。

「XXちゃん(妻の名前)、これは旅行中のアクシデントだから修理代は家計からだね。修理費予想は五万円くらいかな」とかいうとすぐに見破られて「馬鹿言うんじゃないの、修理+新しいのを買おうとしてもそうはいかないわよ」と天の声(笑)。

いずれにせよ、最低でも数千円以上はかかるであろう。帰ったら修理に出すか。お気に入りのIXY DIGITAL 200aなのに…。まさかオウムに壊されるとはねぇ。オフにしている間のレンズに気をつけさえすれば撮影には害がないのがラッキーだった。

Kurandaの昼食

さすがに腹もすいてきたので、昨年と同じ店で筆者は芸の無いことに同じメニュー(妻も同じ)を頼み、子供はラザニアだ。オージーバーガー&チップスが一つAU$7.90、スープがAU$5.40、ラザニアがAU$11.90だ。

これが目印の看板 奥で注文すると番号札をくれる
オージーバーガー&チップス ラザニア(かなりのボリューム)

このスープはかぼちゃがベースになっているようだが、妻に言わせると結構手間がかかっているものらしい。味もなかなか良くて、AU$5.40の価値はあると思う。ラザニアのほうは肉がびっしりで、これまたなかなかいけると思う。ここで家族全員満足して満腹になり、時刻は13時すぎ。

Skyrail

Skyrailの駅に行く途中で、最初にみつけたポロシャツを迷ったあげくにAU$20で購入した。やはり自分のものも少しくらいは買いたいもの。子供は途中でマグネットを購入したりして、店を覗きながらSkyrailの駅についたのが、13時15分ごろだろうか。

さて、Skyrailは途中のRed PeakでBoard Walkを歩きたいので、ちょっと早めの13時30分過ぎに乗る。熱帯雨林の絶景が広がる。ちょっと日本では見られない光景で、規模的には箱根のロープウェイもかなりのもので、大涌谷のあたりは迫力満点だが、こちらは違う意味で迫力がある。また、建設に当たって、自然保護を念頭に置き、建設用の道路などつくらず、全ての資材や人をヘリコプターで運び、鉄塔の周囲の最低限の部分だけ伐採したため、日本のロープウェイのように真下をみると木のない剥げた土地が続いているということが皆無だ。

途中バロンフォールズで下車できるが、前回ここで下車したら次に乗るときに、日本人ツアーの団体延々と乗っていて、誰もここで降りないためになかなか乗れなかった記憶があるので、ここは降りるのをパス。それに、大して時間の余裕があるわけでもない。

Red Peak駅

Red Peakはロープウェイがつながっていないので強制的におろされる。ここで十分ほどBoard Walkを歩いて熱帯雨林の中の散策を楽しむ。実に気持ちが良い。やはり人間にはこうした自然が必要なのだと身を持って感じる瞬間だ。こういう随所で時間を取りたければ、Kuranda Seenic Railwayのほうは、Cairns駅を8時30分に出るやつにのり、Skyrailは終点のCaravonica駅から街までタクシーかSunbusで戻ればよい。幸いにも、すぐとなりにTjapukai Aboriginal Cultural Park というアボリジニーのカルチャーパークがあり、ここにSunbusのRoute 1Eが来る(ただし土日は無くて平日のみなので注意)し、タクシーを呼んでもよかろう。こうすれば、鉄道以外は時間束縛はほぼなくなるといって良い。それにツアーだとSkyrailのCaravonica Terminalからホテルまで、いろいろな客を途中で降ろしてゆくので結構時間がかかるのである。

昨年も同じ様な写真が…。実に絵になる風景だ。 下はアマゾン?そんなわけはないが鬱蒼とした熱帯雨林
ゴンドラは6人乗り 眼科には熱帯雨林が広がる
Red Peak Stationで下車してBoard Walkを歩く ヒクイドリ(cassowary)の実物大模型
Red Peak Stationを抜けるといきなりの常夏の海 この劇的な変化は体験しないとわからない

Red Peakを境に風景はがらりとかわり、熱帯雨林の地帯は終わって、平野と海が広がる広大な風景が見るものを圧倒する。この激変を見るのは二度目だが、やはり感動を隠し切れない。この感動を味わえるのはSkyrailに乗ったときだけであろう。それだけも乗る価値がある。

Caravonica Terminal

終着のCaravonica Terminalについたのは、14時半ごろだったろうか。例によってここにも売店があるのだけれど、とくに買うものがない。Skyrailのロゴと写真いりマウスパッドがSALEになっていてAU$2.90なので、これを買う。このとき、ぼけていて、AU$1.00硬貨を二枚だして平然としているもので、レジの女性は「この外国人はオーストラリアの通貨に慣れていないのね、$1コインと$2コインがわからないのだわ」と思ったらしく「この硬貨がもう一枚たりないのよ」と言われて初めて気づいた。

真相は単にぼーっとしていただけであり、決して硬貨を知らないとか慣れていないわけではなかった。ただ、セントの銀貨は大きさと額面が比例するが、ドルの金貨は$2コインのほうが、$1コインより小さい(けれど分厚いが)ので混乱は否定できない。

ホテルへ

売店で時間をつぶしたりトイレにいったりしている間に時間がたち、旅程表の通りTjapukai Aboriginal Cultural Park の正面のバスの溜まり場にいるとDown Under Toursのバスがやってきた。係員の名簿と照合してもらい乗車する。今度はちゃんと大人2名、子供1名になっていた。

このバスは途中Freshwater駅に立ち寄り、そこでCairnsへ戻る列車でFreshwaterで降りてバスを予約してるツアーの客を乗せる。このとき、ホテルの方面によってここで他のバスに移動させられる客もいるが、筆者たちはそのまま乗車だ。そこで残っている人を確認するために、名前を点呼されるが、筆者の日本語カナで書くと5文字、ローマ字では10文字の名前は読めないらしく、いきなり綴りを言い始めて、筆者も含めて車内は爆笑。ついでに、そのあとに点呼された方は、呼ばれた後「J、O、H、Nだよ、大丈夫?」といい、またもや大爆笑。しかし、筆者のように長くて言いにくい(西欧人にとって)名前だと海外旅行のときに何かと不便なのは事実。田中とか佐藤と鈴木とかシンプルで短い名前がうらやましい。

バスドライバの案内ではPacific International Hotelは最後になる。うーん、確か前回もそうだったなぁ。他の客を全員おろして、筆者家族を乗せてPacific International Hotelに到着。"Thank you, good day!"と、オーストラリア流に挨拶をして、"See you!"とドライバーに別れを告げて終了だ。デジカメのレンズカバーをオウムに壊されたけど、楽しかった!

ちなみに、今回のツアーも普通のVisitor Informationで申し込んだ結果だろうが、周囲に日本人はほとんど居なかった。また、日本のオプショナルツアーのお客はどこかの車両にかたまっているのだろうなぁ。それはそれで日本語アナウンスが聞けるので便利であることは否定しなけれど、非日本人以外に囲まれた非日常な車内もなかなか楽しいものだ。

一旦部屋に戻って荷物を置いてちょっと休憩。おなかが全然すかない(笑)。絵葉書を書いてそれを出すのをかねて、夕食に街へでることにするが、何せおなかがあまりすいていないから、だれも何を食べたいか言い出さない。せっかく妻が提案してくれても、まだ腹の虫が鳴かない筆者が間接的に文句を言ったりしてどうにも申し訳ない。

Ciao Italia

結局、かなり歩き回ってようやくおなかもすいたので、PIER 2Fのチャオ・イタリアへ行く。あるWebでここのカルボナーラがうまいと読んだからだ。注文したのはカルボナーラの前菜サイズ、トマトとバジリコのパスタ(メインディッシュサイズ)、もう一品子供が頼んだトマトソースのなんちゃら(笑)、それにアイスティ、オーストラリアビールのLiteICEだ。

Webの紹介どおり、ここのカルボナーラは確かにうまい。量的には前菜サイズが丁度良い(といっても日本の大盛りくらいはある)。筆者はトマトとバジリコのほうをメインサイズで頼んだら、日本サイズの最低二倍はあるものが出てきた。シンプルで味は決してわるくないが、ビールとあわせてさすがに腹がむちゃくちゃ膨れてしまった。食べ終わったら、のどまでパスタがつまっている感じ。

一日の最後はWOOLWORTHS

このあと例によってWOOLWORTHSで水やジュースなどを買い求めて、めでたく一日が終了した。

(第3日目終了) 

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