第4日目 2nd August 2003

旅の終わりが気になり始める頃

目覚ましが鳴ったのは午前7時。早いもので、現地滞在4日目を迎えた。今日の予定は午前中はFlecker Botanic Gardenへ行き、午後は起床時点では未定だ。

いつものとおり、身支度をして一階のWATERFRONT GRILLでフル・バフェの朝食をとる。チェックイン時に滞在分の朝食バウチャーをもらっているのだが、これが最初は沢山あって嬉しいけれど、滞在半ばを過ぎるとだんだん少なくなってきて、あと三枚、あと二枚しかない、ああついにあと一枚になったと『逆算番町皿屋敷』となってしまう。

Sunbus Route 7 (North bound)

朝食を済ませてホテルを出たのが9時15分ごろで、向かうのはCity PlaceのTranist Mallだ。Flecker Botanic Gardenは、Sunbus北行きのRoute 7に乗る(行き方の詳細は「2002年おじさんケアンズ一人旅」を参照)わけだ。

このRoute 7は本数が少なくて、一時間に一本。毎時40分発だ。それまで時間があるので、向かいのOrchid Plazaで用を足したり、ニュースエージェントで新聞(Cairns Post)を買ってバス停で読んだりしているうちに、9時40分発のRoute 7がやってきた。

バスドライバーに、"Botanic Garden for return for 2 adoults and 1 child, please."といって、指示された金額(大人AU$4.95、子供AU$2.75)を支払う。小額紙幣なら札で出しても普通の店のようにおつりをくれるので大いに助かる。

Flecker Botanic Gardenは筆者にとっては二度目なので降りる場所もわかっているし気楽である。バスには他にもCity Placeから乗った乗客が居た。日本人の老夫婦(そもそも日本人乗客を見かけることが珍しいが、老夫婦となるとなお珍しい)、欧米系の老夫婦、欧米系の女性一人、それから我々くらいだ。

20分ほどかかったろうか、10時過ぎにFlecker Botanic Gardenに到着。前述の客もここで下車。本数が少ないことがわかっているので、道路の向かい側にあるCityへ向かうバスのバス停へ行き、時刻表をチェックする(これは必須だ)。ここから帰りのバスは毎時12分で土曜日は最終が午後3時12分と早いので要注意だ。まあ、バスがなくなっても、公衆電話が近くにあるからそこからタクシーを呼べば済むけれど。

Cityへ向かう時刻表 (2003/8現在) 路線図

Flecker Botanic Garden

昨年は正面ゲートが工事中だったが、今回はさすがにきちんと出来上がっていた。ゲートをくぐり、掲げられている地図を見ながら家族に説明する。

まず、行くのはOfficeのほうである。ここで、無料で使える虫除けスプレーを手足の露出部にスプレーすることが必要だ。現地の虫には現地の虫除けが一番効く。

食料等の用途にアボリジニに活用された植物群、熱帯果樹の類(といってもこの時期実はみられないが)、熱帯雨林など種々のゾーンがあり、それぞれにゆっくり歩きながら説明を読んだりしているといろいろな発見がある。

日本の花一杯の植物園も大変美しく素晴らしいが、ハワイのオアフ島のフォスター植物園、ニュージーランドはクライストチャーチのクライストチャーチ植物園など、どれも緑豊かな木を中心としたもので、野性的な庭園というかあえてたとえればそんな感じだ。

こういうところを、森林浴のつもりでゆったりと歩くのは悪くない。それにその土地の気候を感じるのは、実は色鮮やかな花ではなく、地味な木々であると思う。もちろん植生の違いは花にもあるが、その違いがいつでも明らかなのはやはり木々ではないか。

豊かさとは?

ここは入場無料なので、休日午前中に来ると地元の人が園内のカフェ(朝食価格は数ドル前後のものが多くて安い)で、休日のひと時を過ごす人が居たりする。同じような風景は、同じく入場無料のクライストチャーチ植物園のカフェで、子連れの散歩&ティーを楽しむ人々が居たりしたので、発想は同じだろう。

思うにこういう生活こそが「豊かな生活」なのではないか。東京の生活は確かに物質的には非常に豊かであることに間違いないが、精神的にも豊かであるかどうかは疑問だ。筆者も含め東京の人は気づかずしてかなりストレスがたまり心の豊かさに欠けてしまっているようにも思う。休日の午前中のひと時を無料の植物園のカフェで過ごすなんて過ごし方を筆者(と多くの大都会に住む日本人)は忘れてしまっているような気がする。人間の心にとって本当に大切なのはどちらの過ごし方だろうか、あらためて自問自答してみると、答えは自然に囲まれたときを過ごせるここの人たちのような過ごし方のほうだ。こういう風に思うようになったのも、歳をとった証拠かもしれない。

Boardwalk

園を一周して、今度はBoardwalkのほうに行く。ここは片道460mのBoardwalkであり、うっそうとした林のなかを気持ちよく歩いてゆける。時々すれ違う人とは互いににっこりと「Hello!」と挨拶を交わすのは、敵意のないことを示す意味もある。一人旅の女性も居れば、中高年の夫婦や、望遠レンズと三脚を抱えた写真目的のおじさんも居たりして、人それぞれに休日のひと時をここで過ごそうとしているのがわかる。このBoardwalkは歩くだけで本当に気持ちよくて、心が静けさを取り戻す。

ここを抜けると、Freshwater Lakeという湖があり、カモが沢山と、トキの一種が居たりする。カモは人がベンチに座って何かバッグからだしたりすると、何気にその近くに寄ってくる。多分、餌になるものを与える人がいるのであろう。ここで、しばらく休憩してから、もと来た道を戻る。実際には戻らなくても、バスに乗ることができるが、筆者はこのBoardwalkを歩くのが好きである。

鬱蒼としているが実に気持ちよい 途中から色が変わっている…
森の中のBoard Walkを歩くのは最高だ Freshwater Lakeで休憩

Flecker Botanic GardenからCityに向かうバスは12時12分だ。しばし時刻より遅れてやってきたバスに乗り、City Placeについたのが、12時半すぎだろうか。

City Placeでの昼食

腹の虫が鳴っているので、City Placeの角にある"Hides Coffee Cafe"というカフェで、またしても芸の無いことに、しかし美味しかったので筆者と妻はB.L.T.(AU$5.50…ちなみに一年前はAU$4.90)を、子供はサラミサンド(AU$5.90)を、そして飲み物には昨年とても気に入った"TROPICAL FRUIT JUICE COCKTAIL 400ml" (AU$3.50)を二本買う。

サラミサンド(AU$5.90) B.L.T.(AU$5.50)

ここのB.L.T.はパリッとパンが焼かれていて、トマトとベーコンによくあうし、なによりこのジュースが最高だ。妻は両方とも気に入ってくれて、またここで食べたいといってくれた。まあ、一人旅C級グルメもこうやって成果が出ればよいのだ(笑)。

Earlville Stockland Shopping Centreへ行くには?

さて、これからどうするか。実は、Flecker Botanic Gardenに行くときにバスの経路を見ていて、「Earville Stockland Shopping Centre」というのがあるのを見つけた。バスの本数も多く15分置きに出ているのだ。家族で協議した結果、ショッピングセンター(地元スーパー)好きの一家としてここを見逃すはずがないということだ。

乗ったバスは13時40分発のRoute 1A EDMONTON行きだ。バスを待っている間にルートの目印となる通り名などを路線図からメモに控えたのだが、これは降りる場所の参考にするためだ。バスはCarins Centralの前を過ぎて、Mulgrave Rd.に入る。この通りは中央分離帯がある片道2車線+αくらいの広い道路だ。路線図ではまっすぐ行くはずが、途中Brown St.を右に入る。あらら?と思ったら、そこはWestcourt Plaza Shopping Centreで、K-MartやCOLESなどが入っているようだ。したがって、Westcourt Plaza Shopping Centreに着たければ、バスがMulgrave Rd.に入って、Brown St.を右折したら合図すれば良い。バス停は行きも帰りも同じバス停だから、帰りには乗り間違えないように注意。

さて、バスはMulgrave Rd.に戻り、直進する。Brown St.に続いて、Tills St.を横切り、次に目安となるMcCombe St.を過ぎるともう直ぐのはずだ。両側を見るが規模もわからないので、さてどこだろう、どこでおりるか。バスドライバーに尋ねようと思っていたのだが、Westcourt Plaza Shopping Centreで地元のおばさんが筆者の隣の席に座ったので、これ幸いとたずねてみた。

どうも、これかな?というやつがあったのだが、「まだ先のほうだわ」「これじゃなくて、その次よ」とか教えてくれた。実際には、これまた非常に明確にわかって、バスはMulgrave Rd.から左折してショッピングセンター敷地内に入ってゆくと、そこが合図ポイントだ。左に折れて右側の先をみると、上部にカジキマグロの絵があり、その下に "CINEMAS" と目立つサインがあるからわかるであろう。そのおばさんは親切なことに、「市内へ戻るバス停はあそこ(降車したバス停の向かい側)よ」と教えてくれた。"Thank you very much. Have a nice day!"と礼を述べて下車した。

Earlville Stockland Shopping Centre

入ってみると、さすがにここまでくる観光客はほとんど居なくて、ましてCairns Centralでみかける日本人観光客はまず居ない。ハワイで言えばパールリッジセンターのような、クライストチャーチで言えば、リカートンモールのような感じだろうか。ショッピングセンターにはキーテナントとなるスーパーのチェーン店が入っているのだが、同じ店の同じ商品でも、物によってはケアンズ街中店よりも郊外のSmithfieldやEarville Stockland Shopping Centreの店のほうが若干安かったりする。

でかいカジキマグロが目印だ 意外と小さな正面入り口

ここのTERGETという雑貨スーパーで若干の買い物をして、WOOLWORTHSにて"DOUBLE 'D'"のハードキャンディをお土産用に購入した。ちなみに、ニュージーランドもそうだけれど、ここのスーパーも一方通行出口はレジのみという風になっている。一部の雑貨スーパーは別だけれど、基本的には入ったらレジを通らないと帰れない。したがって手ぶらであれば問題ないが、リュックとかバッグとか持っている場合は、バッグの中身をレジに見せるようにして通るようで、そういう風景をニュージーランドでもここでも(昨年)見かけた。

二時間ほどEarville Stockland Shopping Centreで過ごして、15時55分にやってきたRoute 1AのCity Centre行きに乗る。往復チケットなので帰りはそれを見せるだけ。前回同様、ドライバーによって、復路で破り目を入れる人もいれば、そのまま返すドライバーも居て必ずしも徹底した決まりはないのかもしれない。

City Placeに戻ったのが、16時過ぎだ。ここで一旦ホテルに戻り、ランドリーが占有されないうちに洗濯と乾燥を済ませることにして、その間、WOOLWORTHSで買ったマンダリンを食べる。種がひと房に多いと4個ほどもあるが、みずみずしくて甘みが強くて美味しかった。筆者がニュージーランドで食べたマンダリンとは種類がことなるようだが、どちらも大抵の日本の温州みかんより美味しかったのは嬉しいやら残念やら。

夕食はフードコートの中華麺

洗濯物も乾いたので、18時半過ぎに食事をとりに外へ出かける。二日間パスタが続いたので、子供の要望もあって中華系スープヌードルが良いというので、手軽なところでPIER二階フードコートの中華の店にした。カフェチャイナの本格的な店のほうへ行くほどでもないし、カフェチャイナの簡易フードコート風の部分では昨年ワンタン麺でひどい目にあっているのだ。この時刻だと店のウィンドウにある料理はなくなっているが、他の料理は注文すれば作る体制になっている。ここで、子供と私は "Seafood Noodle Soup"(AU$7.90)を、妻は "Chicken Satay Noodle Soup"(AU$6.90)を注文した。注文すると紙の番号札を渡してくれて番号を読んでくれる仕組みだ。

しばらくまって料理ができあがったので取りに行く。Chicken Satayのほうは正体不明の香辛料の匂いがしているが、Seafoodのほうはなかなか旨そうだ。といっても、具はカニ風味蒲鉾、イカ、小海老、ホタテ風味蒲鉾と若干の野菜が入っていた。

Chicken Satayのほうは、筆者には慣れない香辛料でどうしてもなじめそうも無い。東南アジア系の料理は癖があるが一旦慣れると病み付きになるらしい。だが、筆者の場合はどうしても駄目である。筆者が旅行先として比較的安い東南アジアを選ばないのは、衛生状態というものによるところが大きいが、食べ物がどうしても口に合いそうもないのも大きい。行かず嫌いと言われればそれまでだが、東南アジアだから安いとはいえ、費用を小遣いから捻出する一人旅の場合は決して安くない金額なので、たとえ行かず嫌いであっても嫌いなところへ行く必要はないのである。

一方Seafoodのほうは、麺は同じ春雨のような例によって潅水無しの細い麺だ。スープのほうは塩ベースの日本以外の中華料理店でよくあるタイプだが、なかなかうまい。量が少ないのが難点なので、もう一品何か頼んだほうがよいと思うが、価格を考えれば、まあいけるほうではないか。

一日の締めは定番のWOOLWORTHS

量が少ないから家族全員比較的早くに食べ終わってしまい、ようやく腹の虫が治まった程度、腹五分目くらいである。では、WOOLWORTHSで何か仕入れようということで向かったが、今日は土曜日であるのをすっかり忘れていた。ここのWOOLWORTHSは平日は21時までやっているが、土曜日は17時半までなのだ。すでに店じまいしたWOOLWORTHSをあとにして、しばしウロウロしてたどり着いたのはエスプラネードで、結局Cairns Night Marketだ。といっても中華ではない。

夜食の調達

Cairns Night Marketフードコートにある"La Italiana"という店の、"Fish and Chips (Fishはcrumbed, butter, grilledの料理方法から選ぶ)" (AU$7.90)、それにサラダ(AU$2.90)を加えて、take away (持ち帰り)にしてもらった。番号の紙札を渡されて、出来上がった料理の番号が上(店の看板の横)の番号表示につくのでそれを見て取に来てくれということだった。

夕方も19時を過ぎると、ナイトマーケットは大変に混雑して座るところを探すのも一苦労だ。食事をするわけでもなく、take awayにする筆者はそのまま店の近くでまっていた。まつこと十分ぐらいだろうか、番号"16"(筆者の番号札)が表示されたので、料理の受け渡し窓口のほうへ行く。

サラダにドレッシングはかけるか?と尋ねられたので、かけるよ、というと、近くにあったでっかいドレッシングボトルをよく振って渡してくれた。つまり自分で好きな量かけろということであり、手にとって気に入った量をかけた。ちなみに醤油ベースのドレッシングのようだ。そしてフォークのセットはいつく必要か?というので、とりあえず二つと言って、基本の1つにもうひとつ追加してもらった。

Fish and Chipsの味

ホテルに帰って、まだ納まりきらない腹の虫をなだめるべく、Fish and Chipsにありついた。レモンが添えられており、それを絞って魚とポテトにかける。Fishをgrilledにしたのは大正解で、レモンをかけると実にさっぱりして美味しいのである。白いご飯のおかずにでもなりそうなくらいだ。これは出来立てをその場でレモンをかけて食べるともっと良いかもしれない。

またしてもPASTA PRONT

これだけでもまだ足りないということで、妻が買っておいたカップパスタ("FANTASTIC SNACK"の"PASTA PRONT"のBEEF)を子供と分け合ったが、これもC級グルメとしてはなかなか立派なもので、スープが特にうまいのである。海外カップラーメンチャレンジ派(なんじゃそりゃ)の方、おためしあれ。

というわけで、現地4日目は無事終了だ。

(第4日目終了) 

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