妻か娘が雨女なのかあるいは筆者が雨男なのか、はたまた、家族三人寄れば雨家族なのかわからないけれど、とにかく家族旅行の出発時にはあまり天気がよろしくない。今日も、朝6時に起きると東京の空はどんより曇って、降ったり止んだりという旅行の出発時としては、ちょっぴり悲しい天気である。
しばらく不在にするので、自宅を掃除したり、まだシュレッダーにかけていない古い書類をシュレッダーにかけてゴミに出したりしているうちに昼になった。朝ご飯は冷蔵庫の中身を処分してゆかねばならないので、朝ご飯としては相当に豪華になったが、その分昼にはたいしたものは残っていなくて、また時間もかけられないことから出発直前に豪華なランチを食べるはずもなくて、残りご飯でのおにぎりとカップ麺やパンですませる。
天気予報では昼前から雨だったのが、すでに朝から降っていたので、逆に予報より早く止むのではないかとかすかな期待を持ちながら、出発前のシャワーを浴びる。夜のフライトで現地に朝到着するときは、原則として出発前にシャワーを浴びて着替えておくのが我が家の習慣なのである。
荷物は大型と中型のスーツケースの二個で、大きい方は例によって空港宅配便で成田空港に送ってある。昔はクロネコヤマトを使っていたのであるが、第二ターミナルではJALの個人客チェックインカウンターのある側と反対側にクロネコヤマトのカウンターがあって不便なので、JAL系のABC宅配にした。それにABCのほうがマイルもわずかであるがたまるからね。
シャワーの後にはもう一度荷物のチェック。PDAとしてはiPAQを持参するが最後までクレードルに乗せてチャージというかAC駆動にしておくため、忘れないようにPDAirのアルミケースを他の持ち物と一緒に置いておく。
14時45分に自宅を出発。幸いにも一時的にせよ雨は止んでいた。東京電力の雨量・雷観測情報のサイトで雨の地域を見ると、東京の東側から千葉方面に移っていたので、もう都心近くで山手側にある我が家のほうは雨は降りそうもないが、成田空港に向かう途中でスカイライナーが雨雲に追いついてしまう可能性は高いけれど、電車に乗ってしまえば台風でも来ない限り普通の雨ならばもう関係はない。
大きいスーツケースはSpeccioに買い換えたが中型のほうは古い物のままでかなりガタもきていて何よりも転がすときにキュルキュルとうるさいのでこの旅が終わったら買い換えることにしよう。二ヶ月後には仕事でシドニー出張も予定されているし、そのときにはさすがにこのキュルキュル・スーツケースを転がしたくはない。
15時35分。JR日暮里駅に到着。京成の待合室は現在工事中ということで半分ほどの広さしかなくて混雑している。
16時5分、スカイライナー33号に乗車。座席は6号車の6A、6B、5Aの三席。乗車率はぱっとみたところ三割ほどだろうか。妻は小腹が空いたらしく日暮里の駅売店でオレオを買っており、それを皆で摘む。結局、皆、小腹が空いたってことか。
16時55分、成田空港第二ターミナル到着。ABC宅配にてカードで支払いスーツケースを受け取る。フライトは20時55分のJL5141便なので単純計算4時間もあることになる。例によって4Fの売店をうろうろする。以前は文庫本とか買っていたが、結局機内や滞在中にはまともに読まないので、ぱらぱらとめくって、あるいは拾い読みでも時間つぶしの助けになって現地で放棄しても心残りの無い雑誌(東洋経済)を購入。でも、新書コーナーで「若き数学者のアメリカ」というエッセイの著者である藤原正彦氏の話題の書「国家の品格」を見つけて結局これも購入。妻のほうは同じく4F売店で富士フイルムの「写るんです」を買った。他には100〜250V耐圧のコードを筆者が追加で購入。いや、ね、もちろん所有して持参しているが、このコードは充電などを考えるとある程度数があるほうがいいのである。
そうこうするうちに時計をみると17時50分。腹も減ってきたので、いつものように4Fの端にある讃兵衛(うどん屋)で軽く食事。妻と筆者はいつもの「梅香うどん」、娘は「玉子とじうどん」をいただく。以前、同じく4Fの「そじ坊」でざるそばを頼んだら、思い切り時間がかかったあげくに、そば全体が一塊になっているというとんでもないものが出てきて以来絶対そこでは食べなくなった。成田空港の「そじ坊」は絶対に入ってはいけない店なのである。その点、この「讃兵衛」は価格も成田空港としては手頃だし、どうせ夜には機内で夕食がでることを考えると、量的にも手頃であり梅干しの入ったうどんなのでおなかにも良い。
18時30分頃、出発まで二時間少々となったのでぼちぼちセキュリティチェックを受けることにした。世界ではセキュリティチェックが厳しくなる傾向にあるが、日本はまだまだ緩いというか甘い。テロリストとスパイの天国だってのもなんとなく理解できる気がする。欧米だとスーパーや鉄道の警備員ってのはマッチョな男性が多いが、日本は下手すれば爺さんだったりして、道路工事の交通整理じゃあるまいし、もっとがっちりした警備員をおかないといかん。特に空港警備とかそうだと思うのだが…。威圧感がなさすぎだ。
免税店で妻はエスティー・ローダーの化粧品二種を購入。筆者は珍しくトワレ(カルバン・クラインのCK1)を購入。オマケにショルダーバッグがついていたのに惹かれたってのもあるのだが、ユニセックスなこの香りが気に入った。ちなみに、普段出勤するときは、マサキマツシマのマットオランジェを愛用しているなが、これでCK1というバリエーションが増えることになる。我が家にしては珍しく免税店での大盤振る舞いだ。
筆者は先ほど雑誌として東洋経済を買っていたが、妻のほうはゲートの売店で週刊新潮を買っていた。ちなみに、週刊なんちゃらって系統の雑誌、筆者はほとんど買ったことも読んだこともない。内容的に興味がないから買うはずもないのだが…。機内用のミネラルウォーターは、カフェテリアのあるBLUESKYで150円と他のターミナル売店が200円なのに比べて安いので覚えておくとよろしい。
20時35分、一般乗客の登場開始。JALの上級会員でもなければ小さな子供連れでもないし、仕事で行くときのようにエクゼクティブクラスでもないので、いわゆるゼネラルボーディングで搭乗する。シートは前方よりの28A、28B、28Dである。昔のケアンズ線は747のdash400が使われていたが、乗客が減ったのかどうかわからないが、この路線は767になった。したがってシートは747の3-4-3ではなく2-3-2である。家族とは通路を挟んでいるが、トイレを考えるとむしろこのいほうが好都合だといえる。娘はジャケットをうっかり床におとしてしまい、潔癖症の気がある妻に叱られていたが、娘も叱られなれているのか平然としている。まあ、どっちもどっちというところ。まともな感性の持ち主は我が家では筆者だけかもしれぬ。
20時55分、カンタスとのコードシェアであるJL5141便は定刻通り離陸。
21時30分、ディナーの時間。小鉢(金平ごぼうと浅利佃煮、卵焼き)、メインは娘は鶏(若どりの治部煮、卵そぼろご飯)または妻と筆者は牛(ビーフカツレツのマスタードソース掛けバターヌードル添え)、マンゴパンナコッタのアプリコットソース添えがメニュー。筆者は他にワイン(LINDEMAN'S Bin65 CHARDONNAY 2004)を頼む。カンタスのエコノミークラスとしてはまあ上出来のほうではないかしらん。いつもは、クォーターボトルを全部飲むことはないが、今回は全部飲んだ。といっても、クォーターなのでたかだか187mlと全然たいした量ではない。
22時15分、食事も終わり映画を見始める。映画は「OVER THE HEDGE」、直訳すれば「垣根の向こう」とか「垣根を越えて」ということで、すなわち森の動物たちが垣根を越えて人間の世界に入ってくることを示しているのだが、なぜか邦題は「森のリトルギャング」というとんでもない馬鹿げた題。完全に日本語にするならともかく、リトルもギャングも英語であり、なぜ別の英語混じり日本語に変えてしまい本来のニュアンスを吹き飛ばしてしまうのか理解できぬ。日本の配給会社の連中のオツムの程度が知れるというものだ。腹をたてても仕方ないので映画を楽しむ。結構楽しい映画である。映画を見終えたのでアイマスクをして「おやすみなさい」
(出発当日終了)