現地第一日目 (2006/9/2[土])
天候:晴れ

ケアンズ国際空港

夜間の狭い飛行機の中でもぐっすり眠れる人も入れば、ほとんど眠れなくて着いた頃には寝不足で疲れて目に隈ができている人まで色々だけれど、筆者の場合はあえて分ければ眠れるほうに入る。といっても、さすがにエコノミーの狭い席で熟睡というわけには行かない。少しでもよく眠るためには、機内食のディナーのときのワインは重要だ。

朝5時20分、JL5141便はほぼ定刻にケアンズ国際空港に到着。一人旅だとイミグレーションを出たあとで、係員の質問にあうことが多い(そんなに挙動不審でもないと思うが…)。2006年1月のシドニー出張のときなどは、一緒にいった同僚のほうは何もなくて、筆者のほうはいつものとおりバゲッジクレームに居る係員の質問を受けたりした。だが、さすがに見るからにベタベタの日本人の顔をしている妻と娘が一緒だと、特に質問をされることもなく、無事荷物も拾い上げて、食物も一切持参していないので税関も申告なしで無事解放。

ちなみに、常備薬は当然持参しているし、私以外の家族は処方薬も飲んだりしているので、事前に医師の英文処方箋などを用意し、可能な範囲でその薬の英文説明書もプリントアウトしてもったりしていた。当然、入国審査では薬を持参していることを告げてあり、入国審査係員が入国カードにチェックを入れている。

ここまでやって係員が申告物なしのほうで良いというのだからその通りにしているだけで、何も準備をしてなくて、検査されて薬没収とかになったら困るではないか。とにかく、検疫や税関の厳しい国では、その厳しいルールにあわせて現地係員の指示に従っている範囲では大きな問題は発生しないはず。ま、食い物、飲み物は一切持参しないのが一番簡単なのは間違いない。

ケアンズ国際空港の国際線ターミナルは小さい。まずは端にあるボーダフォンショップへいって日本から予約しておいたレンタルSIMを借りる。日本ではボーダフォンの3Gなのでそのまま海外でも使えるが、現地の中で連絡を取り合ったりイザってときに必要なのは、やはり現地番号の携帯なのでいつも借りることにしている。

筆者は海外専用(GSM専用)でSIMロックされてないNOKIA 3120という今となっては単機能で古いモデルを持っているが、メールと通話が使えればOKなのでこれで十分といえる。ちなみに、この電話、日本国内で通販で買ったが、どうも香港から入ってきたモデルらしく、日本語、英語のほかに中国語表示も可能になっている。

ここからケアンズ中心部まではタクシーが一番速くて安いので、ターミナルを出てすぐ目の前にあるタクシー乗り場に行ってタクシーに乗る。運賃はAU$16.30と安い。

Cairns Aquarius

6時30分、宿に到着。宿はCairns Aquariusというアパートメント。住民のかなりの割合はリタイアした小金持ちのオーストラリア人が住んでいるというところで、全室オーシャンフロントである。正面入口の内側には受付の女性が座っているが、不在の時に(早朝とか夕方以降、休日など)は正面ドアにはロックがかかっていて、専用のICチップの入ったキーチェーンをかざすか、インターホンで目的の部屋の部屋番号を押して解錠してもらう必要がある。ちなみに、室内のテレビで正面入口の様子を見ることもできるので、言葉だけで騙されないように用心することも可能というか必要である。

我が家はついたばかりなので、当然ICチップの入ったキーチェーンを持っているはずもなく、予めメールで聞いておいた手順に従って、管理人の居る部屋番号をインターホンで押して自分たちの正体?を伝えると、今から下に降りるので待っていろということだった。

待つことしばし、中年のスリムな女性が現れて、内側からあけてくれて無事中に入れた。そのまま部屋へ案内される。ちなみにエレベーターも1Fから部屋のあるフロアに行くにはこのいICチップのキーチェーンが必要だ(ただし、1Fへ降りる分には必ずしも必要でないが、もっていないと部屋に戻れなくなる)。部屋に入れてもらい、一通りの説明を受けたら、もう彼女とはチェックアウトのときまで顔を合わせることはない。ちなみに部屋は10Fの大変景色の良いところである。

さて、とりあえず最低必要なものをスーツケースから取り出し、貴重品はセーフの中に入れて朝食へ出ることにした。時計を見ると7時40分だった。

エスプラネードで朝食

ケアンズは妻と娘は二度目、筆者は三度目なので勝手もかなりわかってきている。とりあえずエスプラネードのカフェのどこかで朝食にしようということになった。店の数が多すぎて迷うのだが、このあたりは観光客プライスでどこも結構高い。朝食にAU$20以上出すのもばかばかしいので、安い店を選んだ。

腰を落ち着けたのは、LICD CAFEというところで、妻と娘はAusie Breakfast(ドリンク付き)でAU$10、筆者はSpecial HashbrownがAU$7.50とCappuccino(AU$3.50)であわせてAU$30.80だった。味は悪くないしボリュームも結構あったのだが、いかんせん塩辛かったぁ。

Woolworth

さて、お腹も落ち着いたので、あたりを散策しながら市内中心部の行きつけ?のWoolworthで当座必要な最小限のものを買う。水(AU$0.69)、ジュース1L(AU$2.93)、トイレットペーパー4R(AU$1.60)、朝食用クロワッサン3P(AU$1.95)、ヨーグルト(AU$1.98)、紅茶10P(AU$1.63)、グリーンティ10P(AU$1.59)、コールスローサラダ(AU$0.98)、義理土産用動物チョコ(AU$2.09)、スーサーズ3PK(AU$3.21)、オレオ(AU$1.88)、といったところ。よくよく考えればあまりにもアンバランスというか足りないと思うが、なんせまだ到着した朝で頭もボーっとしているのでやむを得まい。それにどうせ後からCairns Centralへ行くからね。

宿の前ではちょうど週末のマーケットが開かれていた 前回の宿、Pacific International
高いです、ケン・ドーン でました、OK GIFTS PIER近くのラグーンプール
波も静かでおだやか」 Cairns Aquariusから真下を見る かなりの引き潮
部屋からはこういう風景が一面に広がります
ラグーンプール BBQエリアもある海辺
暮れかかるケアンズ そして夜景


Woolworthの薄いプラスチックバッグを提げて宿に戻った。ふと気づくと妻と娘はソファでうたた寝をしている。うーん、ってことで筆者はベッドに横になって意識を失うこと15分程度。この15分で随分スッキリした。

Cairns Central

時刻は11時30分、家族全員お昼寝をして復活!というわけで、予定通りCairns Centralへ出発。Cairns Centralはケアンズの街中にあり鉄道のCainrs駅と併設のこの付近では大きなショッピングセンターで、キーテナントとしては、デパートのMyre、雑貨スーパーのTarget、食品スーパーのBI-LOとColes、映画館のBirch Carroll & Coyle Cinemasが入っている。BI-LOは相対的に価格は高めで客の入りもColesより少ない。

実は今回の旅で探しているものがあって、それは足と尻尾付きのカンガルーのパペット、我が家では「ルー太郎」君と名前がついている彼の奥さん捜しである。筆者は彼をブリスベンのIndooroopily Shopping Centre内のAustralan Geographicで買ったのであるが、その後シドニーでも見つけることはできなくて、今回のケアンズで見つかればと思っていた。そういうわけでCairns Centralの中のお店を探したが残念ながら相棒は見つからなかった。

BI-LOとColesで幾ばくかの食品類を買い求めた。ホテル滞在だと食品スーパーへ行ってもたいていは眺めるだけになってしまうのだが、アパートメント滞在だとフルキッチンが使えるので、フルーツやら野菜、あるいはデリや肉などを普通の暮らしに近い感じで買うことができるのはとても楽しいものだ。

時刻は12時を回って少々お腹もすいてきたので、2FフードコートにあるMuffin Breakで軽くお茶にすることにした。Muffin Breakは筆者が初めてのニュージーランド旅行で知ったマフィンのお店で、しっとりとして実にうまいのである。それに大きさが日本のマフィンとは違ってばかでかいから一個食べれば十分お腹が膨れる。

何せ朝からボリュームのあるものを食べたので、お昼は軽くで良いというわけで、家族三人でオレンジ・マフィンとブルーベリーマフィン、それにそれぞれの飲み物を頼んで合わせてAU$15.60也。

悲劇は突然訪れる

お腹も膨れておいしいマフィンも頂いて満足したのでいったん宿に戻り休憩。時刻は15時になり、またちょっとその辺へ出てみようということになり宿を出る。だが、ここでこの旅行で最大のアクシデントが発生した。

今回の旅行では、デジタルカメラは愛用のコンパクトであるRICOH Caplio R3と、娘が使うためにPENTAX Optio S5zを持ってきたのであるが、まず出かける前に部屋の中でCaplio R3のスイッチを入れたら何故か日付や各種設定が完全にリセットされた。理由は不明のまま設定しなおして外へ出て宿の正面を撮ろうと電源を入れたら再び設定と日付がリセットされた。そういうするうちにバッテリーを入れ直さないと電源が入らなくなり、最後にはレンズ(鏡筒)が出たまま引っ込まなくなり、バッテリーの抜き差しも効果無くあえなくダウン。

Caplio R3は「ダブルリトラクティングレンズシステム」採用により28mmから200mmまでの高倍率ズームを実現しているが、それが仇になってレンズがひっこまくなるという故障が多いことが知られていて、この病気は残念ながらR3の後継モデルのR4やR5でも引き継がれているらしい。この、レンズがひっこまくなってダウンしたR3を手にしたときのブルーな気持ちといったら、ケアンズの気持ちよい天気とはおよそ対象的で超大型台風に見舞われた気分である。この瞬間に、二度とCaplioの高倍率レンズ搭載機は二度と買うまいと思ったのである。いったんそう思い出すと欠点ばかりが目についてくるもので、画質的にも正直なところたいして特徴もなくあえていてばノイジーだし、何よりフラッシュ調光がめちゃくちゃへたくそでデタラメなのである。さすがに、GR DIGITALはそんなことはないが、Caplio R3はかなりデタラメで、Caplio GXもCaplio GX8もことフラッシュにかけては三流メーカー以下だった。この直後、筆者は帰国したら速効で修理に出してうっぱらってしまい、違う物を買うことを決めていた。ブルーな気持ちのまま、二度目のWoolworthへ出かけてちょっとした買い物を済ませた。

幸いだったのは、もう一台デジカメを持ってきていたことだ。それまで娘が持っていたOptio S5zを取り上げ、この瞬間Optio君は脇役から主役に抜擢された。一方、自分用(といっても所有者は筆者だ)のデジカメを取り上げられた娘は少々むくれていたがやむを得ない。

海外旅行にデジカメを持って出かける方、悪いことはいわない、絶対に複数台のデジカメ持参を進める。機械類はまさに必要なときに壊れるというジンクスもあるのだ。もちろんプロカメラマンじゃないから片方がデジタル一眼なら、もう片方もデジタル一眼である必要はない。ただし、デジタル一眼なら異なる種類のボディを持参するという手はある。たとえば筆者はOLYMPUS E-1とOLYMPUS E-500を持っているから、片方はボディだけを持参することでレンズが壊れない限りカバーできる。あるいはコンパクトデジカメ二種類でも良い。とにかく複数台のデジカメは必要だ。

Villa Romana

ぼちぼち夕方になってきて夕食を考える時間になった。この日はエスプラネードにあるイタリア料理のVilla Romanaと決めている。18時までに入れば食べ物が25%オフになるアーリーバードの割引があるのだ。飲み物は割引にならないが、我が家のように食べるのが主体の家族ではそのほうがありがたい。

三人でSpaghetti alla Marinara、Linguine al Salmon、Lamb Crostiniと三種の料理を頼んでシェアする。飲み物は我々夫婦はクラウンラガー(ビール)、娘は一応未成年なのでアップルジュース。チップを入れてもAU$80でおつりがきて、おいしいイタリア料理で満腹となり、カメラが壊れたブルーな気持ちも吹き飛んで満足満足、大満足。

Lamb Crostiniは、最初はエビのPrawnなんちゃらを頼んだはずだったが、筆者か店員かどちらかが間違えたかでLamb Crostiniがきた。ただし、筆者も間違ったものが出されたのには全く気づいていないと情けなかったが、結果的には大正解でLambは牛肉タタキみたいなのとグリーンサラダにフランスパン、それにシーザードレッシングがかかっていてとても美味であった。Liguineもクリームソースがとてもうまかった。

ケアンズへ行かれて夕食に迷ってなおかつイタリアンが好きならば、18時前にVilla Romanaへ行くことをお勧めしたい。

お腹も膨れておいしい料理でブルーな気持ちも吹き飛んで機嫌も良くなったので、散歩がてらにPIERのほうへ行ってみることにした。夕日が大変美しくて、ああ、ケアンズへ来て良かった!と思った瞬間だ。

PIERは以前きたときも寂れていたが、今回訪れてみると2Fが閉鎖されており中央の吹き抜けにあった2Fへゆくエスカレーターそのものが無くなっていて、2Fにあったレストランの類もなくなったか、1Fへ移動していた。ありゃま、である。PIERを後にして。前回の家族ケアンズ旅行の宿になったPacific Internationationalとなりの酒屋でワイン(LINDEMAN'S βin 65 CHARDONNAY 2005)をAU$12.50で購入。

おやすみなさい

部屋に戻ってシャワーを浴び洗濯をする。やはりインルームランドリーのあるアパートメントは楽ちんだ。このころには夕食が早い時間だったせいもあって小腹が空いてきたので、三人で一つのカップ麺(チキンフレーバー)を食する。妻は痩せ我慢をしてスープを飲んだだけだったが…。歯磨きをして妻と娘は先にベッドに入ったが、筆者はパソコンを取り出してネットに接続しCaplio R3のトラブル事例を探してみたが、どうも即解消できそうなネタは見つからなくて再びブルーになってベッドに入った。

(第1日目終了)

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