今日は事実上の滞在最終日である。帰国は明日朝なのでフルに一日ケアンズで過ごせるのは今日が最後となる。日本で毎日仕事をしている時は長いけれど、バケーションはあっという間に終わってしまうのが世の常である。
寝坊するのは勿体ないので6時半に起きる。窓の外では朝日がのぼってゆくところで大変に美しく、最後の日を十分楽しむようにという天の声でもあるかのようだ。
今日はFlecker Botanic Gardenへ行く予定である。朝食メニューはパン、マーガリン、ベイクド・ビーンズ、キウィ、リンゴ、ポテトクリーミーサラダ、スクランブルエッグ、サラダ、オレンジジュースと最後の日の朝にふさわしく豪華な朝食だ。ベイクド・ビーンズは筆者の好物で、日本だとなかなか売っていなくて東京では広尾にあるナショナル麻布スーパーマーケットで買うしかない。いや、他にも売っているとは思うが、成城石井とか紀ノ国屋では知る限りにおいて見たことがない。都内のブリティッシュパブには売っているらしいが行ったことがない。だから、仕事でオーストラリアに来たときでも朝食のレストランでベイクド・ビーンズがあれば必ず食べるし、一人旅でも滞在中最低一度は小さな缶を買って食べる。
8時前食事と後片付けが終わり、女性陣はぼちぼちと出かける支度に取りかかる。男性と違って出かける前の支度に時間がかかるのはいつもの話で、我が家だけの話ではない。待っている間にテレビなんぞを見る。
バスは例によってCity Placeから出るので、8時40分前にはバス停についていた。事前にWebサイトで調べておいた情報では8時42分というRoot7のバスがくるはず。だが、あきれたことに30分まってもこない。ベンチに座っている黒人のおばちゃんも筆者達家族と同じくらい待っているので、ひょっとして同じ方面に行くのかも知れない。暑くなってきたので、近くのNewsagencyで水を買う。
ようやくやってきたバスに乗ろうとして行き先を告げると、wrong busだという。え?え?wrong bus?そんなはずはない。よく聞くと今はRoot7はBotanic Gardenに寄らないらしい。え?そんなのちゃんとバス停とかWebに書いてちょーだいよ。ドライバーからBotanic Garden Loopは違うバス停から出ているのだそうだ。そんなことWebにも無ければバス停にもないじゃんか。いや、正確にはバス停に貼り付けたパンフレットには書いてあったが、今日はその期間(違うバス停から出る期間)ではないのだが…。ごくテキトーなのがオージー流かもしれない。
ともあれ、なんだかんだと時間を潰しながら、10時30分発のBotanic Garden Loopに乗る。運賃は片道AU$2.95だ。
Botanic Gardenの入口 | Office & Shop |
園内マップ(Garden) | 園内マップ(Board Walk) |
ここは園内を歩いているととても落ち着くところで、その上入場は無料ってのが嬉しい。日本の植物園は「花」ありきって感じがするけれど、こちらのほうはそういう意味での花は少なくて木が一杯って感じだ。それでも亜熱帯のケアンズではいろいろな花が咲いていて結構楽しい。通りを挟んでBotanic GardenとBoard Walkがあるが、Board Walkのほうも大好きでここを歩くのはとても気持ちが良い。
だが、その前に見逃しては惜しいのがOrchid Houseである。
Botanic Garden内のOrchid Houseにて撮影 |
Board Walkに入って歩き始めるとこの3月の台風の爪痕が痛々しい。いたるところで、大きな木が倒れている。なかにはBoard Walk上に倒れたらしいのを切って歩けるようにしたところも見受けられる。
Board Walkを抜けるとFreshwater Lakeに出る。以前は鳥も多くいて水もきれいだったのだが、今日は水はおどろおどろしくよどんで、湖というより沼みたいになっていて、最近クロコダイルが発見されているという警告看板が立っている。以前は、この湖の周囲にピクニックにきている家族も散見されたのであるが、クロコダイルがいるとなってはそんなところにピクニックにくるのは危険なので、もはやそんな風景を見られないし、水鳥もいないあれた沼になってしまったのはとても残念である。
歩き疲れたのでBotanic Gardenのほうに戻ってBotanic Garden Cafeで一休み。娘と筆者はPineapple Juice、妻はApple Juiceで各AU$3.50だ。休憩のあとOfficeの売店でフリッジマグネット(AU$2.50)を購入。
お腹もすいてきたのでCityへ戻ることにして、12時50分のバスでCity Placeへ戻りCairns Centralへ行きフードコートでランチとなった。
フードコートについたのは13時20分。妻はSurf'n' thaiというタイ料理の店でButterd fish&chips(AU$7.50)とChicken Choppy(AU$2.95)、娘はGolden Wokという中華料理でWongtang noodle soup(AU$7.95)、筆者は迷ったあげくにRed RoosterでDouble Cheese Burger Combo with Diet CokdeでAU$7.95。ヌードルのほうは香草が聞いていて筆者には苦手だ。Chicken ChoppyはSydneyのWoolworth Metroのデリコーナーで揚げたてを売っていておいしかった記憶があって、ここで巡り会えたのは嬉しかった。
Wongtang noodle soup | Butterd fish&chips | Chicken Choppy |
最後の日ということもあって、Cairns Centralのなかのショップをゆっくり見る。The Australian Madeで、フリッジマグネット、消しゴム、ペンギンの置物、キーリング、クリスマスカードなどの雑貨を購入(AU$15.80)して部屋へ戻る。
そういえば部屋の精算をどうするか考えていなかった。事前にカードで支払い手続い済みなので追加支払いは無いはずだが、支払いゼロならゼロで精算しなくてはならないしキーを返さなければならない。マネジメントオフィスに電話をして、明日は午前9時頃出発だが、精算は明日の朝なのか今日のうちのほうがよいのかを訪ねると明日朝でよいというのでオフィスの場所を聞いておく。ちなみに精算するってのはいろいろな言う方があるが、私がよく使うのは "settle one's account"という言い回し。つまり「精算する」ですな。
最後の夕方をエンジョイすべく、16時頃部屋を出てPIERのほうへ歩いてみる。前回、スパゲティを食べた2Fのチャオ・イタリアは1Fのハーバー側に移動して営業を続けていた。もともと2Fは寂れていたけれど、よく見てみると完璧に消えたのは2Fのフードコートだけのようで、レストランの類は場所を変えて営業をしているようだ。
PIERを出て、Night Marketへ行き今回最後のNew Zealand Naturalのアイスを食べる。うまいんだねぇ、ここのいアイスが!クッキークリームとバニラの二種(おのおのAU$3.60と高い!)を三人で食べる。
そういえばCairns Centralの"Angus&Robertson"という本屋で皮カバーの文庫本サイズノートが売っていたのが忘れられなくて、これは買わないと絶対後悔するという「迷ったら買え」の原則に従って、再びCairns Centralへ。ここでLeather Refill Notebook(AU$14.99)とA5 Hardback Notebook(AU$2.99)を買って、文具フリークの筆者は大満足。だって、皮カバーのノートは千円ちょっとじゃ買えないもんね。
今日の夕食は何にするか。さすがに最後の夜に調理も面倒だし食材も食べ尽くしているので、フードコートへ。筆者は腹ぺこになったが、妻はあまり腹がへらないという。結局、Fujiというスシショップで照り焼きチキン(AU$2.60)、タルタルPrawn(AU$2.60)の二本を買ってtake away。時間はすでに17時40分なので、ほとんどの店は閉店直前状態で食べられるものはほとんどなくて、Night Marketのフードコートへ行くことにした。
Night Marketのフードコートの "Lacucina Italian"という店で、妻と娘がフィットチーネ・カルボーナーラ(AU$9.95)をシェア、筆者はフィッシュ&サラダ(AU$8.90)、水(AU$1.50)。このフィッシュ&サラダは魚のフリッターのようなもので、それにライスをつけて、備え付けの醤油を魚にかけるとオー・ジャパニーズ・フェイバリット・フレーバー(爆笑)な感じ。そういえば前回ここでグリルのフィッシュを食べたときにはご飯がほしくなったっけ。妻と娘はフィットチーネ・カルボーナーラにFujiで買ったスシロールだ。
お腹も満足して部屋に戻って、シャワーを浴びてパッキングをする。この最後の夜のパッキングというのは実に悲しいものだ。我が家の場合、全部だしてクロゼットに入れたりしないし、買ったものも順次詰めているので、最後の夜だからといって大げさにパッキングすることは何もなくてすぐに終了。
娘は先にベッドに入ったので、妻と二人でベランダに出て、テーブルの上にはクラウンラガー(ビール)とワイン。気持ちの良い夜の空気を吸いながら、二人でビールの後、ワインを飲んで語り合いなんだか久しぶりにゆっくり話をしているような感じだ。東京での日常だと話をしているつもりでもコミュニケーションが不足しているのかもしれない。結婚してそれなりの年数が経っているからこそ、ツーカーで通じるなんて考えずに、ときにゆっくりリラックスしながらいろいろな話をするというのも重要なことだ。ケアンズの夜景を肴にワイングラスを手に妻と話をしていると、なんだか、新婚時代にもどったような暖かい気持ちになった。
こうして時のたつのも忘れてケアンズ最後の夜は更けてゆくのであった。
(第6日目終了)