NW-M505は万能選手の凄いやつだった!

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2013年12月7日に発売されたスティック型WALKMANのNW-M505は、FMラジオ付きWALKMANとしての機能はもとより、ノイズキャンセリング付きワイヤレスイヤホンとしても使える超すぐれものでした。残念なのは販売終了しており性能アップした後継モデルが存在しないことです。

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SONY NW-M505とは?

こんな子でした

一言で言えば、スティックタイプで何でもこなす凄い子でした。

・WALKMAN(16GBメモリ)
・フルデジタルアンプ「S-Master MX」搭載
・周囲の騒音を約98.0%カットするデジタルノイズキャンセリング機能
・電車・バス/航空機/室内と3種のノイズキャンセリングモード対応(手動切替)
ワイドバンドFMラジオ搭載(FM補完放送対応)
・ワイヤレスステレオヘッドセット機能
SBC/AAC/aptXと3種のコーデック対応

メーカー問わずで価格.comにて調査してみると、AAC/aptXの両コーデック対応、FM補完放送対応ラジオ搭載、ノイズキャンセリング、ワイヤレスステレオヘッドセット(Bluetoothイヤホン)機能の全ての条件を満たすのは以下の3機種のみのようです。

世に数多DAP(Digital Audio Player)やBluetoothイヤホンがありますが、たったの3機種だけ!

SONY NW-A55
SONY NW-A55HN
SONY NW-A56HN

これらA50シリーズの話は後でしましょう。

話をNW-M505に戻します。

外観はこれ

本体右側のジョグダイヤルで機能切り替えなどができます。

NW-M505は2つまでのマルチポイント接続が可能で、ディスプレイがあることを生かしてどの親機と接続するかをメニューから選ぶことができます。

上の例は、筆者のメインスマホ HUAWEI Mate 20 ProとJelly 2を接続した場合です。ここで選んだスマートフォンをリモコン操作で音楽などを聞くことができます。

右側の色が違う部分がジョグダイヤルになっていて、機能選択・アルバム/楽曲/アーティストの選択、放送局選択などに使います。

操作はこの面に集中しており、ボリュームはHOLDもこちら側にあります。

反対側にはWALKMANロゴがあるだけ。

充電とPC接続はmicroUSBです。
まさかのWM-PORTではありません(幸いにも大きさ的にWM-PORTは無理ですから)

ジョグダイヤルの側には3.5mmのイヤホンジャックがあります。

ノイズキャンセリングWALKMANですので、イヤホンにノイズキャンセリング用マイクが仕込まれた5極の3.5mmミニプラグのイヤホンを使います。

付属イヤホン以外ではMDR-NWNC33などが使えます。

ジョグダイヤルは左右にひねるだけではなく、引っ張ってからひねることも可能です。

例えばFMラジオではジョグダイヤルを普通にひねるとプリセットした局の選択になりますが、ジョグダイヤルを引っ張ってからひねると0.1MHz単位での選局に切り替わります。

クリップは結構強力です。

外したイヤホンケーブルを丸めてここに挟めば絡む心配もありません。

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NW-M505の良いところ・困ったところ

良いところ

・スティックタイプでコンパクトである
・ノイズキャンセリング内蔵
・S-Master MXで高音質
・ワイドバンドFMラジオ内蔵
・Bluetoothレシーバー機能内蔵
・AAC/aptXの両方のコーデック対応

FMラジオ(FM補完放送対応のワイドバンド)というのは、災害で中継局が被災してネットワーク通信が途絶しても、放送局の電波が届けば情報を継続的に入手できる重要な手段です。

日本のような災害多発国ではスマートフォンにも必須機能だと思うのですが、現在ではFMチューナー搭載スマホなんて数えるほどしかありません。

CDからリッピング(iTunesでAAC VBR)した楽曲を聞くと、SONYらしく伸びの良い音を聞かせてくれます(イヤホンはMDR-NWNC33でNCオン)。

WALKMANとしてローカルストレージに入れた曲は元の音質さえ良ければ、安心のSONY音質ともいえます。(筆者はSONYオーディオのファンでした)。

困ったところ

・電源ON時に必ず数秒間の「データベース更新」で待たされる
・Bluetoothイヤホンとして音量が小さすぎる
・Bluetoothイヤホンの音質<MDR-EX31BNの音質
・有機ELの表示が暗いくて屋外では見えない

データベース更新

どんなモードにあっても電源を入れると必ず数秒間は「データベース更新」が実行され、数秒間はいかなる操作もできません。なんでこういう仕様になっているのか理解に苦しみます。

Bluetoothの音量

最大の問題はBluetooth経由での音量。NW-M505の音量調整はソースごとにあるのではなくFMラジオでもWALKMANでもBluetoothイヤホンでも全て同じ一つの値でコントロールとなっています。

FMラジオとWALKMANの音量はどちらも6~9程度で自分にとって適切な音量になりますが、これをHUAWEI Mate 20 ProやJelly 2にBluetooth接続してBluetoothイヤホンとして使うとめっちゃ音が小さい。しかしMDR-EX31BNやWI-1000Xなど他のBluetoothイヤホンでは、HUAWEI Mate 20 Pro側の音量設定は同じでも普通の音量になりますので、明らかにNW-M505の問題でしょう。

Bluetoothイヤホンで適切な音量になるようにNW-M505のボリュームを設定すると、WALKMANやFMラジオに切り替えた時に爆音になってしまいます。

SONY NW-M505 ヘルプガイドより引用
「再生音が大きくならない、または再生音を大きくしても音が小さい」
→Bluetooth接続しているスマートフォンの音楽を聞いている場合は、スマートフォンの音量を上げてください。
https://www.sony.jp/support/walkman/manual/m500s/jp/contents/TP0000060056.html

身も蓋もないです。

スマートフォン側を大きくすると他のBluetoothイヤホンを使った時に爆音になるんですってば。

昔はそんな事なかったように記憶していますので、Bluetoothの相性というかバージョンやプロファイルのバージョン差によるのかもしれません。真面目に調べていないのでこれ以上は今の所情報なし。

HUAWEI Mate 20 Pro、 Jelly 2で同じ結果。iPhone 8 (iOS14.4) でも同じです。

実はAndroidだと解決方法があります(iOSは調べていません)→後述します

Bluetoothの音質

これもデジタルアンプ経由での内蔵音源からの再生とBluetoothではいくらaptXでも内蔵音源とは違っていても仕方ないといえば仕方ない。

といっても、極端にひどくなるわけではありません。連続で聴き比べると明らかに差が聞く取れる程度です。許容範囲内ではあります。

何と言っても7年以上前のデバイスですから。

有機ELが暗い

今の有機ELで屋外で暗くて見えないなんてのはあまりないと思いますが、7年前ですからね。

まだまだ有機ELは暗いディスプレイだった時代。

これはどうにもなりません。

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NW-M505に代わるモデル

前述の通り同様の機能を持った現行モデルは前述の通り以下の3モデルです。

SONY NW-A55
SONY NW-A55HN
SONY NW-A56HN (生産終了)

今のモデルといっても、2018年のモデルで以降は前述の条件を満たすものは出ていません。

この3機種は基本は同じで55が16GB、56が32GBでHNとあるのはハイレゾ対応イヤホン IER-NW500Nが付属しており、無印の55はイヤホンが付属していません。5極プラグでノイズキャンセリング対応のMDR-NWNC33などが利用できます。

2013年よりは新しいですが、2018年ですからもう2年半ほど前。PCとの接続や充電も何を今さらの「WM-PORT」です。

WM-PORT採用というだけで入手してみようかという気が100%消失します。

後継機ではありませんが、手のひらサイズでこれに近いことができるのはJelly 2です。

ただ、本体機能でのノイズキャンセリングがありませんので、ここはノイズキャンセリングイヤホンを使うしかありません。FMチューナーはイヤホンケーブルをアンテナとして使うので、有線のノイズキャンセリングイヤホンですね、ちょっと時代遅れ?

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Bluetoothデバイス間の音量再調整

私の持っているBluetoothイヤホン・ヘッドホンは幸いにもNW-M505を除けばどれもほぼ同じ音量で再生されます。

たまたまラッキーだっただけかもしれませんが、デバイス間の音量差で困っている人は結構多いようで、Androidにはそれを吸収するアプリがありました。

問題のNW-M505ではこんな感じにすると他のデバイスとの音量バランスがとれます。
ぶっちゃけ、最大音量です(笑)。

これでNW-M505も生き返ります。

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まとめ

NW-M505をあらためて今のスマートフォンで使ってみるとBluetooth経由の音質では一歩劣る感じは否めないが、aptX/AAC両対応なのでまだまだいける。

他のBluetoothイヤホンに比べると、Bluetooth経由での音量が極端に小さくなってしまう。これはAndroidなら”Bluetooth Volume Manager”アプリで吸収できる。

下記機能搭載で性能アップの後継モデルはA50シリーズのみでスティックタイプはもうこの世にはない。

・Digital Audio Player機能
・FMラジオ(ワイドバンド)
・ノイズキャンセリング
・Bluetoothレシーバー(イヤホン)

 

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