店頭に「USBケーブル」「USBハブ」「3.0」「3.1」「TYPE-A」「TYPE-C」といった言葉が並んでいて、ケーブルやハブを買うのにどうしていいかわからない。下手すれば店員さんもちゃんと理解していなかったりして…..いや、ほんとに。USBあるあるなのです。そこでUSBの速度規格やコネクタ形状の関係を明らかにします。
2.0/3.XとTYPE-A/C
最初に覚えておくべきことは、「USBの転送速度」とTYPE-AやTYPE-Cといった「コネクタ形状」は直接の関係はないということです。
え!マジっすか?
USB TYPE-Cって、なんか速度の速いやつでしょう?USB 3.0とかいった、さぁ。
いや、そんなことはありません。
現在のところ、USBの転送速度には初期のUSB1.Xを除外すれば480Mbps・5Gbps・10Gbps・20Gbpsがあり、その速度とは別の物理的なコネクタの形状としてTYPE-AとTYPE-Cがあります。これらは厳密には全く無関係ではないのですが、USB TYPE-Cは速いやつといった直接的な関係はありません。
速度の規格とコネクタ形状
言葉で書くとメチャややこしいのですが、表にすれば簡単です。
USB 3.X方式の呼称 | データ転送速度の規格と呼称 | コネクタ形状 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
データ転送 | USB3.0リリース | USB3.1リリース | USB3.2リリース | USB4 V1,0リリース | TYPE-A | TYPE-C | |
速度 | 2008年 | 2013年 | 2017年 | 2019年 | コネクタ | コネクタ | |
USB 2.0 | 480Mbps | USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 | ○ | ○ |
USB 3.0 | 5Gbps | USB 3.0 | USB 3.1 Gen 1 | USB 3.2 Gen1 | USB 3.2 Gen1 | ○(一般に内部が青) | ○ |
USB 3.1 | 10Gbps | x | USB 3.1 Gen 2 | USB 3.2 Gen2 | USB 3.2 Gen2 | ○(一般に内部が青) | ○ |
USB 3.2 | 20Gbps | x | x | USB 3.2 Gen 2×2 | USB 3.2 Gen 2×2 | x | ○ |
20Gbps | x | x | x | USB 4 Gen 2×2 | x | ○ | |
40Gbps | x | x | x | USB 4 Gen 3×2 | x | ○ |
USB3.Xの呼称の注意
上の表で5Gbpsと10Gbpsには同じ速度で異なる名称がついていますが、これは新しいUSBの規格がリリースされた時点で名称がかわっているだけで中身は同じです。
以下は「=」の左右は全て同じ規格であり呼称がことなるだけです。
USB 3.0 = USB 3.1 Gen 1 = USB 3.2 Gen 1 → 5Gbps
USB 3.1 = USB 3.1 Gen2 = USB 3.2 Gen2 → 10Gbps
USB 3.2 = USB 3.2 Gen2x2 → 20Gbps
名称が変わっても、すでに世に出ているPCやUSBケーブルやHUBのパッケージ・説明書・販売Webサイトなどを遡って書き換えるのは不可能ですので、同じ企画なのに複数の呼称がパッケージなどには存在しています。
USB 3.2はまだいいとしてもUSB 3.0は実はUSB 3.1 Gen 1でありUSB 3.2 Gen 1であり、USB 3.1は実はUSB 3.2 Gen 2ということ。
簡単な覚え方:
Gen表記がなければUSB 3.0は5Gbps、USB 3.1は10Gbps、USB 3.2は20Gbps。
Gen表記がある場合、USB 3.XのXに関係なくGen 1は5Gbps、Gen 2は10Gbps、Gen 2×2は20Gbps
TYPE-AとTYPE-C
基本的には速度と直接関係はなく、TYPE-CでもUSB2.0の480Mbpsというのが存在します。
ただしTYPE-Aは10GbpsまでのUSB 3.2 Gen2 (USB 3.1 Gen 1と表記している製品もある)どまりです。
USBケーブルは見た目では速度は判別できませんので、購入してパッケージから取り出して引き出しなどに他のケーブルと一緒に入れると区別がつかなくなります。
筆者愛用のケーブルチェッカーはこれです。
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充電線専用ケーブルなのかデータ通信もできるケーブルなのか、データ通信はUSB 2.0の低速なのかUSB 3.Xの高速なのか、USB PD対応ケーブルであるが60W(20V3A)までなのか100W(20V5A)まで使えるのかといったこともわかります。
一つ持っていて損はないツールです。
ケーブルやHUBを購入の際にはPCやMacのUSB規格と接続したいデバイスの規格の両方を見て選びましょう。