階段を上がるときに、否が応でも目につくのが前方を上がる人の足元後ろ姿、特に足首付近から踵にかけてであり、人が最も自分で目につかない場所の一つです。
もちろん背中なども目につきますし、後頭部もそうです。
しかし、後頭部や背中をそうそう見つめる機会はなくて、精々エレベーターの中に押し込まれたときくらいで、さして長い時間ではないと思います。
ですが、階段は少々違うように感じます。
階段を上るときには普通は足元のちょっと先を見て自分のつま先なんざぁ見ることあありません。丁度その時に視線の先にあるのが前を上がる人の踵付近なんです。
男性の場合では上はパリッとしていてもズボンの膝から下がヨレヨレで、靴の踵は辺にすり減って汚れているといったのは論外です。高級ホテルのフロントや航空会社のカウンターは客の足元を見るといいます。例えば飛行機の満席時の扱いが変わってくることもあるそうで、外国の航空会社カウンターは結構な権限を持っているらしくて、エコノミーが満席のとき(オーバーブッキング)ビジネスが開いてれば差額無しで乗せてくれるかどうかの判断の一つに足元がある「そう」です(あくまで伝聞)。
女性の場合は男性以上に膝から上への気遣いと膝から下の後ろ側への気の使い方に差が出ます。バシッと決まったヘアーでジャケット・スカートなのに、ストッキングがまっすぐではなく捻れていたり(離れているとわかりませんが、階段とかの近距離だと気をつけなくても分かってしまう)、パンプスのヒールが剥がれて後ろ側が汚れいたりすると台無しです。全てにわたってパーフェクトは無理ですが、自分の視線の届かないところというのは、実は他人にはすごくよく見えるところでもあります。
男女を問わない話ですが、特に女性は膝から下の靴の踵までの後ろ姿にご注意されたほうがよろしいかと思います。