高齢者雇用安定法の改正により、
- 定年の引き上げ
- 継続雇用制度の導入
- 定年の定めの廃止
の何れかの措置が義務付けられています。これは法律なので企業の都合で当社は一切対応しないという選択肢はありません。
しかし、形だけは法律を遵守という企業は少なくないようです。形だけ再雇用制度をとっていても、再雇用先ではクレーム処理だけをさせるとか、何も仕事がないとかそういった例すらあるようです。法律は再雇用の仕事の内容までは定義していませんので、形だけあればOKになってしまいます。
再雇用、再雇用といっても、定年を迎えた社員の中で、これまでの知見・経験を生かして業務改善や後進育成を行って欲しいという人材が一体何割居るでしょうか?
管理職の椅子でふんぞり返って、ろくにPCやOfficeも使えず、IT知識もなく、さりとて事務能力にたけているわけでもない。そんな再雇用者が多くないでしょうか?
企業にしてみれば、管理職として使えなくなった人材、管理職としては優秀だったがその地位を離れて価値のない人材というのは、再雇用としては全く不要な人材です。
可哀想なのは企業の側で、そうした人材も、本人が望めば雇用する義務があるというのは、随分無茶な話ではないでしょうか?企業の財産は人材だといっても、こういうのははっきり言って無駄飯食いの邪魔者です。
自分が過去何十人かの部下を持つ感力であり、現在、再雇用になった身として、これから定年を迎え再雇用に臨もうという方は、次の点をよく考えるべきです。
- 管理職を離れても、その会社で必要とされる何らかの専門知識と経験が豊富で、それを後輩に伝承できるだけの指導力があるか?
→この場合は、専門的立場での指導者・アドバイザの役割を会社は期待します。 - PC・Officeが最低限自由に使いこなせるか?そうしたつまらぬことで若手社員の手を煩わせることはないか?
→ろくにPCも使えない、専門知識もない、そんな人に何ができますか? - 管理職を離れた仕事にやり甲斐を見いだせるか?
→得意でもない仕事を続けるのは拷問です。会社にとっても成果が期待できないので、あらゆる合法的な手段を尽くして、早々にお引き取りいただきたい候補人材です。 - 管理職時代のプライドを完璧に捨てて、元部下であった人の若手管理職の新しい部下として仕事を遂行でき信頼を勝ち取れる自信があるか?
→これは大変重要です。自分より経験の浅い若手管理職の部下として、その指揮下で期待されている役割を果たせるか?そこにやり甲斐を見いだせるか?
いずれも重要です。私は自身をもってYESと言い切れます。
役職定年後は、後輩管理職の部下として、やり甲斐のある仕事をしていますし、時には後輩管理職にアドバイスを与える(もちろん二人きりのときにです、他のメンバーがいるところではメンツを潰しますからそんなことは絶対にしません)こともあります。
イントラのWebを構築して指導したり、IT系でも他にもいろいろやっていますので、給与は安くなっておりますが、楽しく仕事をしており、上司やメンバーからの信頼も得ていると自信を持っています。
とにかく、上記の4点をよく考えてください。
それらが一つでも大きな☓が付くようなら、再雇用は考え直したほうが、会社のためにも自分のためにも幸せです。