Apple AirPodsがバカ売れしているらしく、国によっては昨年末のクリスマスプレゼント商品として人気があって入手困難なところもあったと聞きます。
ネットのニュースに目をやっていると、昨年あたりからいわゆる「完全ワイヤレス」が続々と発売されています。価格.comで検索すると価格掲載があるものだけでも42種類もあります。AirPodsは2016年12月とほぼ1年前の発売でして、それが完全ワイヤレスの最初かと思ったら違いました。
価格掲載が最初にあったのは、EARINというメーカーの左右独立の完全ワイヤレスで価格.comへの掲載はAirPodsの1年前2015年12月になっています。
現在私が使っている完全ワイヤレスは、
- Apple AirPods(2016年12月発売)
- GLIDiC Sound Air TW-5000(2017年12月発売)
の二種類です。しかし、他の商品のレビューを読んでいると、当たり前ですが紹介記事や提灯レビュー記事には悪いことは一切書かれて居ません。そりゃ褒めてナンボのものですからやむを得ません。レビュー記事が全てだと思う方が間違っています。提灯レビュー記事にはひどい嘘はないにしても都合の悪いことは書かないのが普通だからです。
AirPodsの出来栄えの良さ
それはともかく、TW-5000を使って思ったのはAirPodsがいかによくできているかということです。Androidでも使えなくはないですが、やはり複数のAppe製品(iPhone/iPad/Mac)ユーザーにはとんでもなくよくできた代物です。
- 一つのデバイスとペアリングしただけで、他のデバイス(iPadやMac)などでもペアリングなしで使える(ペアリング情報がiCloud経由で他のデバイスで共有されるので)。
- 充電ケースの蓋をあけるだけで、ペアリング済みの近くのデバイス(普通はiPhoneでしょうか)に感知されケースと本体のバッテリー残量などがわかる。
- Apple W1チップのおかげで単体でも最長5時間の使用ができ、充電ケース併用でのべ24時間。バッテリーが空になってもケースで15分充電するだけで3時間使えるだけ充電でき、30分の充電でフルチャージとなる。これは極めて高速な充電だと言えます。
- 今まで使用している範囲において、片側だけ繋がる(片側が繋がらない)ということは皆無です。
しかしAirPods単体ではできることは限られています。
左右のユニットをそれぞれタップすることで割り当てることのできる機能は、「Siriの呼び出し」「再生/一時停止」「次のトラック」「前のトラック」「オフ」のみです。デフォルトでは両耳とも「Siriの呼び出し」になっています。これら5種のアクションから2つを選んで左右に割り当てることができます。無理やり複雑な操作を割り当てていないのでシンプルです。私は左を「再生/一時停止」、右を「Siri」にしています。
また、オープンエアーであるがゆえに電車の中では音漏れ注意ですが、一方でイヤホンしたままで普通に会話もできますので、室内でイヤホンをしていて家族から呼びかけられても気づかないということにはなりません。
同じくオープンエアーであるため、外の音がバンバン入ってきますので、地下鉄車内で静かな音楽を聴いたり、外国語学習で聞き取りをしたりというのは相当むづかしいと思います。
一番いいのは、現在のAirPodsに加えて、カナル型&ノイズキャンセリング内蔵とか作ってくれれば最高なんですがねぇ。W2チップを使用してApple子会社になったBeatsから出してくれませんかね。
GLIDiC TW-5000はどうか?
・こころと丸い形状で表面はつるつる、ケースのマグネットが強力で簡単にはケースから落ちたりしない分、非常に取り出しにくい。提灯レビュー記事では、くぼみが深くとりだしやすいとかかかれていますが大嘘です。指先が乾燥してるときなどはハウジングがつるつるでよく滑り、さらにイヤーチップが内部の穴にひかっかってなかなかうまくでてきません。無理に出そうとすると、指から滑り落ちそうになり、丸っこいフォームゆえどこかに転がってなくなる恐怖があります。これはもう少し工夫して欲しかった。
右耳が制御を握っているため、右耳から先に取り出してオンにし、しまうときは左からしまうというアホな順序があります。AirPodsはどちらからしまっても関係ないです。TW-5000は右から出すと先に接続が復活しますが、左だけ出して装着しても電源は入りません。しまうときは、右から先にしまうと接続が切れるため、左からは音が出なくなります。右利きの人はそれでよいでしょうが、左利きだと左から取り出したくなりますよね。
こうした制約があるため、左から取り出し先に装着し後から右側を取り出して装着すると右側からしか音が出ません。
操作も相当複雑です。左右のボタンがあるだけですが、左右それぞれを一回押し、二回押し、長押し等で割り当てられている機能が違います。かなり複雑で煩わしいしこんなの覚える気にもなりません。(頭が悪いだけって話もあります)
切断されにくいという触れ込みではありますが、つかっていると、
- いきなり左側だけ切れてしまう
- 有線ヘッドホンでグランドを浮かしたような妙な音になってしまいBluetoothを切断しても復活せず一旦ケースに戻さないと復活しない。
まあ、こんなことがちょくちょくあります。なので、はっきりいって不完全な完全ワイヤレスです。
ですが、コストパフォーマンスは抜群に良いと言えます。音質は低音よりで解像度は高くありませんがそこそこ普通に聞ける音ですし、遮音性は比較的高いのでノイズキャンセリングがなくても地下鉄OKです。カナル型だと自分の足音とかも響いてくることがありますが、これはそんなことはなく気になりません。音質についていうならば、もともとモバイル環境で使うので、音質の微妙な良し悪しを論じる対象ではないと考えます。音質をいうなら、密閉度の高い大型ヘッドホンを静かな環境で使うべきだからです。完全ワイヤレスは普通の音がでればそれで良いでしょう。飛び抜けて高音質である必要はありません。
完全な完全ワイヤレスはない
他のは使っていないから知りません。が、Amazonや使用者ブログ記事などを見ていると、どれも似たようなもので、AirPodsほどの使い勝手の良さや接続安定性はなかなか見られません。
オープンエアータイプであり不安定な装着感を除けばAirPodsの安定性は、Mac/iPhone/iPadユーザーであれば非常に心地よいもので、これ以上に便利なものはありません。
結局私はどうしているかというと、駅まではやはり外の音が聞こえないと危ないのでAirPodsです。見かけはイヤホン装着ですが、実際には装着していないのとほとんど変わらない状態で外の音が聞こえます。そして電車の中では騒音対策でTW-5000に切り替えです。AirPodsは電車の中ではだめです、まじで聞こえない。
もともと、装着性の良さ、遮音性の高さ、外部ノイズへの強さ、危険防止のための外部音聞き取り、音質の良さについては、相反する要素が多数あり絶対全てを叶えることはできません。ケースバイケースで使い分けるしかないと思います。
そういう意味では、AirPodsとTW-5000は小型でバッグの中に両方入れていても邪魔になりませんので一緒に持つにはいいのではないでしょうか。価格的にもTW-5000は財布に優しく、価格の割にはよくできています。