アトピー性皮膚炎で悩む人は私も含めて非常に多いと思われます。ですが、決定的かつ効果が恒久的に期待できる治療法が存在しないことから、脱なんちゃらという、半分人間を捨てたような重篤な状況に陥る方法がWEBで氾濫していたり、なんだか良さげな話が書いてあると思って読み進めたら、「ア●●●●●●」とかなんとかいうやたら高価なクリームのPR記事だったりステマだったり。
こういう状況だから、怪しい伝説・怪しい民間治療法・怪しいクリームなどが出回るわけで、アトピーに苦しむ人は結構多額の費用をこれらに投資しては、今度もダメだった、とため息をついているわけです。
そもそも、民間療法でも何でも、それが確実に効果を認めることができる方法であれば、世界標準療法の一つとして定着しているはずです。それが、なんだかわからない人たちがもっともらしく進めているなんて、冷静に考えればおかしいと思うはずです。
一つ言えるのは、良い皮膚科医を選ぶこと。
この両方満たす専門医を通院可能な範囲で探してみるといいかもしれません。少なくとも「何ちゃら科、かんちゃら科、うんたら科、皮膚科」といったように皮膚科の看板が最後に出てくるような医院・クリニックよりははるかにいいはずです。
そして、徹底的その医師と話すこと。
私のかかりつけの医師は上記を両方みたしますが、世評では1分診療とかいう人もいます。確かに私も最初はそう思いました。しかし、こちらも真剣にいろいろ勉強したり、相談したいことについて話すと、この医師は実に丁寧に対応してくれることがわかりました。病だけではなく医師とも真剣に向き合おうとする姿勢は大切だと思います。これ、医師に限らず、すべての対人商売にいれるかと思います。サービスを提供する側の気持ちを想像して御覧なさい。
閑話休題。WEBでアトピーを検索すると、脱ステのえげつない画像(これ普通入院治療でしょうって感じ、少なくとも表を普通に歩けないじゃんレベル)とか、私は薬を使わないで直したとかね、いろいろ見つかります。前者は好きに放っておけばいいとして、問題は後者。アトピーと一口に言いますが、局所的で軽いものから、私のように顔以外ほとんど全部に発疹がでてしまう重症タイプまでさまざまです。そのあたりを抜きにして治療方法の議論なんか存在しえません。藁にもすがるといいますが、どうせすがるなら何の根拠もない怪しい都市伝説よりは、上記専門医の意見を聞くべきです。
そして、アトピーって保湿ひとつとっても、変な話題になっているヒルドイドとか処方保湿剤よりは、薬ではない市販のもののほうがずっと良いものが多くあります。ただし、あう合わないはひとそれぞれなので、これはもう試してみるしかありません。
サプリなんかも医師は処方できませんが市販にはいろいろあります。サプリ活用で掌蹠膿疱症に効果があると認められているビオチン療法(自分で調べてください)はアトピーにも効果があるようです。これらも勝手に使うのではなく、信頼している医師に相談してみることです。あとは亜鉛も必要といわれますが、亜鉛は体内に蓄積します(ベートーベンが聞こえなくなったのは当時赤ワインに含まれていた亜鉛による中毒といわれています)ので過度の摂取には注意が必要です。男性成人で10mgが推奨摂取量で上限が45mgだそうです。食物で亜鉛を多く含むのは牡蠣ってのは知っている人が多いと思います。牡蠣はあまり常食しないと思いますが、牛肉も意外に多くて100gあたり部位によりますが4〜6mgとか含んでいます。なので、サプリであればマルチビタミン・ミネラルで亜鉛は数mg程度にとどめたほうがよいですね。食品だけだと足りないことも多いので、それを補うのがサプリです。食が主役。サプリは脇役。
ともかく、信頼できかつ客観的に専門性を認められた皮膚科医に相談するのが全ての始まりです。そして真面目に気長に付き合うこと。私などは若くないこともありますが、まあ、コントローラブルで症状がある程度以下に収まっていればいいと考えています。完治するに越したことはないですが、それを直近のゴールとしてめざすから辛い。アトピーも自分の特徴の一つだと思えるようになりたいですね。
そうはいっても、症状が憎悪して夜も痒くて眠れないようになったら、その状況を素直に専門医に相談することです。恒久策ではありませんが、軽快につながる療法というのは存在するはずです。何とは具体的にいえませんが、私はそれで随分助かりました。
もう一つ。アトピーWEBとか見ていると、ストレスが悪いとかかてれているのが多いですね。でも、症状のひどい患者にとって、一番のストレスは実はアトピーそのものなんです。平気で患者の前で他のことをさておきストレスが….なんてほざく医師がいたらとっとと変えてしまった方が身のためです。自分がアトピーになったことがないから、ストレスが原因だからといえるのです。確かにそうだとは思いますが、最大のストレスがアトピーそのものだってことがわかっていないんですよね。痒みで夜もろくに眠れず、昼も痒くてチクチクして寝不足でぼーっとしてしまうような、経験がその医師にはないでしょう。想像すらつかないでしょう。
今回はこのあたりで。