ご夫婦が新居購入と同時にベッドを買おうという場合のベッド選び指南の連載4回目となります。ピロートップは不要であるというのが筆者の指南主張ですが。そうはいっても体へのマットレスのあたりをソフトにしたいという方への、マットレストッパーの話をします。
マットレストッパーとは?
日本ではあまり馴染みがないのですが、寝心地改善を目的としてスプリングマットレスの上に乗せて使う主として低反発や高反発のウレタン系素材の薄いマットレスです。
厚みは3cm~8cm程度のものが多く、素材はウレタン系が主体で低反発は高反発素材があります。
有名所では低反発ならテンピュール、高反発ならマニフレックスといったところ(マニフレックス自身は低反発とか高反発という言葉を使っていません、マニフレックスはマニフレックス!だそうです)。
マットレストッパーは現状のマットレスがいまいち自分にフィットしないとか、寝心地を改善したいというときに用いるものですが、そもそも品質の劣るスプリングマットレスを高級マットレスの寝心地にするような魔法のパッドではありません。
マットレストッパー導入
いつ導入するか?
新しいマットレスを購入してすぐにマットレストッパーが必要だと感じるようなら、そのマットレス選び自身がまちがいだったということになります。
マットレスは使っているうちに、やはり体重のかかるお尻の部分のスプリングが弱ってきますし、詰め物もお尻の部分がへしゃげてきます。結果として、お尻のくぼみが大きくなりますが、さりとて買い換えるにはまだ早い、もう少し持たせたいというときにマットレストッパーの出番です。
マットレストッパーの効果
端的に言えばピロートップと同様の効果をもたらしますが、スプリングマットレスが本来もっているポヨンとした心地よい柔らかさはかなりスポイルされます。
特にポケットコイルで体のラインに沿うようにマットレスがフィットしてくれたのが、その上に敷布団を敷いてしまったのと同じ様になり、ポヨヨンとしたクッション性は感じにくくなります。
詰め物がいまいち薄いマットレスで体への当たりがちょっとねぇ、というときに詰め物を厚くしたのと同様の効果を生み出します。新しいマットレスで自分にフィットしたものであれば、マットレストッパーは必要ありません。
半分冗談、半分真面目で言えば、高価な分厚いピロートップ付きマットレスの寝心地の片鱗を味わいたいと思えば、新品マットレスであっても5cm程度の少々柔らかめのマットレストッパーを敷けば、高価なピロートップマットレスもどきの寝心地は味わえるかもしれません。
マットレストッパーのメリット
なんと言っても、ピロートップマットレスを買うより、スプリングマットレス+マットレストッパーのほうが通常はかなり安上がりになります。
また、使っているうちに少々くたびれてきて寝心地が落ちてきたが、買い換えるほどではないというときにうまく選べば、少ない投資で寝心地改善に繋がります。
ピロートップは汚れたり湿ったりしてもスプリングマットレスから外して干すことはできません。しかしマットレストッパーはもともとスプリングマットレスとは別物なのですぐに外して干したりできますし、新しいものと交換できます。
ピロートップはマットレスに固定されて分離できいのが普通なので、表裏をかえしてローテーションしたりできませんが、マットレストッパー使用なら外して好きにローテーションできます。
マットレストッパーは、高価なスプリングマットレスを長く使うための知恵でもあります。
マットレストッパーの選び方
素材には、冒頭に書いたようにメジャーなところでは低反発系と高反発系があります。どちらでも好みで選べば良いですが、大事なのはできるだけ通気性のあるものを選ぶことです。
低反発系は温度により固くなったりフニャフニャになったりしますので、夏と冬で決定的に寝心地が大きく変わることに注意が必要です。特に夏は柔らかくなって体が沈み、さらに低反発なので体の形沿った沈み方なので「暑く感じる」という難点があります。
高反発系は温度による硬さ変化は少ないですが、体を包み込む柔らかさには劣ります。
素材は好みで選べば良いと思います。厚みは3cmから精々5cm以内に留めるほうがいいと思います。
というのも、あまりに厚すぎると折角のスプリングマットレスの上に、分厚い布団を敷いたのと同じで、折角のスプリングマットレスのクッション性が損なわれてしまいます。
やわらかなで分厚いトッパーを敷くと、経験的にはお姫様気分(王子様気分)になります、それは間違いない。しかし、そのうちふにゃふにゃが鼻につくようになります。
まあ、高いものではないので、一度お姫様/王子様になってもいいかとは思いますが….。一週間くらいは幸せになります。
マットレスの寝心地補助という意味では3cm~5cmが良いと思います。
推奨するわけではありませんが、NITORIの実店舗に行くと多くの種類がありますのでご覧になってはいかがでしょうか。
今回のまとめ
スプリングマットレスはケチらないで頑張って良いものを選ぶがピロートップは一切不要。
寝心地の質が変わってきた(落ちてきた)と覆うようになったら、マットレストッパーを延命策として導入を考えると良い。
マットレストッパーの素材は好みで選べばよいが、厚みは3cm~5cmが適当で、分厚すぎるとスプリングマットレスのクッション性を損なうだけになる。