スマートウォッチを選ぶ基準は何でしょうか?機能・価格・スマートフォンとの相性といったところがメインですよね。しかし忘れてはいけない重要なポイントがあります。スマートウォッチは何よりも基本的に「時計」でありますので、いつでもどこでも見やすくなければいけません。店頭で選ぶ時にわからないのが屋外での見やすさです。これからの季節、ディスプレイの種類によっては晴天下の屋外ではほぼ何も見えなくなるものも多くあります!
ディスプレイによる得手不得手
ディスプレイは種類により屋内・屋外・鮮やかさなどで得手不得手があります。
めちゃくちゃざっくりと線を引くとこうなるでしょう。
屋内 | 屋外(直射日光) | 鮮やかさ | |
有機EL(AMOLED, OLED) | ◎ | △(見えなくはないというレベル) | 室内などでは非常に鮮やかだが、同じ画像を表示し続けると焼き付く |
半透過型MIP | ○(暗いとバックライトが必要になる) | ◎(明るければ明るいほど見やすい) | 色の鮮やかさには欠けるが、直射日光下では抜群の視認性 |
液晶 | ○ | △(見えなくはないというレベル) | 有機ELと半透過型MIPの中間くらいかもしれないが自信なし。 |
Apple Watch Series 6やAmazfit、Huawei WatchなどはOLEDを採用。Garminは機種によりAMOLEDもあればOLEDありMIPもあります。
有機EL系は一般に色の再現性が良いと言われていおり、AMOLEDは曲線加工ができることから平面ではないブレスレット型で湾曲ディスプレイを持つスマートウォッチなどもAMOLEDを採用しています。
有機EL系は色が鮮やかである一方で、周囲の明るさに負けてしまうことが多く、特にバッテリー消耗を防ぎたいスマートウォッチではそんなに輝度もあげられないことから、どうしても直射日光の下では見にくいあるは全く見えなくなります。
MIP液晶というのは平たく言えば液晶の1画素(ピクセル)ごとにメモリーを持った液晶のことでMemory in pixelの略です。Garminは半透過型のMIP液晶を使っています。
半透過型というのは液晶の奥に一種のマジックミラーのような板を置いて、外光が強いときは外側から入った強い光をマジックミラーが反射して液晶表示をくっきりと描き出し、外側が暗い時は内部のバックライトを光らせて液晶の表示を視認できるようにするものです。
半透過型MIP液晶は画像維持のために大きな電力が必要がなく、また常時バックライトは不要なためスマートフォンの盤面を常時表示するのに向いています。一方でAMOLEDのような表示の鮮やかには欠けるためお店の店頭で見比べると結構見劣りしてしまいます。しかし、Garminの半透過MIP液晶では有機ELのスマートウォッチがバッテリーとの戦いとなる常時表示の壁をあっさり乗り越えています。
Garminの半透過型MIP液晶モデルは、Apple Watchでも不可能な秒も表示する常時表示(逆に表示を消せない)を実現しており、時計として当たり前の機能を当たり前に実現している。
実機で比較
以下の写真はとても天気の良かった4月30日の昼間に屋外で行いました。
Garmin Instinct Dual Power(モノクロ半透過型MIP液晶採用)
直射日光下
めちゃくちゃくっきりと見えます。
常時表示で秒も表示されています。
ま、普通の時計。
屋外の日陰
少しくっきり度は落ちますが全然問題なしです。
HUAWEI Watch GT 2e(AMOLED採用)
直射日光下
薄っすらと見えますが、パット見では細かい字はわかりません。
時刻を読み取るには手で覆う必要があります。
屋外の日陰
さすがのAMOLEDでとても鮮やかです。
Garmin vivosmart 4(OLED採用)
ディスプレイの不良じゃなくてディスプレイドライブのチラツキが出ているためシャッターとの関係で部分しか写っていません。
白く写っている文字の破片(笑)で推察ください。
直射日光下
AMOLED同様ほとんど見えません。
屋外の日陰
Fitbit Inspire 2 (ディスプレイ詳細不明、おそらくOLED)
実はFitbit Inspire 2が屋外では全くやくたたずの糞でした。
屋内専用スマートウォッチであります。
直射日光下
肉眼でもこの通りで全く何も見えません。
手でおおうとかろうじて時刻がわかります。
屋外の日陰
日陰でどうにか見えるようになります。
Fitbit Inspire 2の購入を考えている方、これからの日差しの強い季節になりますので屋外での利用も用途にある方は考え直しましょう。
まとめ
直射日光下の屋外でもくっきり見えることを望むのであれば、半透過型MIP液晶搭載で常時表示を行うモデル(Garminなど)一択。
屋内での表示の美しさを欲するなら、大抵のスマートウォッチが搭載しているAMOLED採用モデルで良い。ただし直射日光下ではかなり見づらいか見えないこと、常時表示は基本的にNGであり、常時表示対応モデルでも常時表示するとバッテリーを大幅に消費し、なおかつ常時表示時には頻繁に画面を書き換える秒表示がないのが普通。