iPhone 14 ProとGalaxy S23 Ultraの両方を使っている筆者からみると、クレジットカードをスマートフォンに登録して利用するという点において、iPhoneのApple PayのほうがAndroidより洗練されていて操作も簡単でセキュリティ上も安全性が高いのです。
連携積極派と完全否定派
同研究所の調査によれば、クレジットカードをApple Payに連携している人はiPhoneユーザーの33.6%、Androidユーザーは20.9%と大きな差があることがわかりました。
今後連携したい人を含めると連携積極派はiPhoneでは44.7%、Androidでは31,0%
今連携していないし今後も連携したいとは思わないという完全否定派はiPhoneでは16.7%に対しAndroidでは25.2%。
連携積極派は圧倒的にiPhoneが高く、完全否定派はAndroidが調査対象の1/4にも上るという結果です。
Apple Payが優れている理由
登録が簡単
どのクレジットカードであっても、あるいは電子マネーなどであっても操作は基本的な操作は統一されています。
登録したカードはカードのブランドにより「QUICPay」「iD」のいずれかのブランドアイコンがApple Payのカードイメージに追加されて、店頭では「QUICPay」「iD」のいずれかで支払い操作となります。
VISAブランドでカードイメージにタッチ決済アイコンも表示されている場合は、「Visaタッチ決済」も利用できます。
削除が簡単
使わないので削除したいという場合でも、そのiPhoneのWalletからだけ削除するということが簡単にできます。削除によりiPhone(とペアリングしたApple Watch)以外への影響はありません。Apple IDに紐づいているクレジットカード登録も消えるといったことはありません。
[2] 右上の円の中に中点三つのアイコンをタップ
[3] 「カードの詳細」を選ぶ
[4] カードの詳細情報が出てくるので一番下の「朔郎」をタップ
[5] 確認のダイアログが出るので「削除」をタップして完了
[6] クレジットカードに限らずWalletに登録されているカードは全て同じ操作で削除できます。
再登録は簡単で前述の登録操作を再度行うだけです。
セキュリティが高い
Apple Payによる支払いでは必ず生体認証またはパスコードが必要になります。
紛失した場合、盗難・紛失届を速やかに出さない限り物理的なクレジットカードでは金額にもよりますが簡単にタッチ決済で不正利用されてしまう可能性があります。しかしApple Payならばパスコードを複雑にする(これは必須です)ことで生体認証か複雑なパスコードがなくては支払えませんので物理カードより安全かもしれません。
AndroidのGoogleウォレットとおサイフケータイの弱点
ややこしすぎる
ガラケー時代のおサイフケータイの仕組みをそのまま引きずっており、その上にGoogle ウォレットという皮を被せたのでややこしいことになっています。
Apple Payと同じ感覚でGoogle ウォレットを入れれば良いのでしょ?と思うとこれが大きな間違い。
Google ウォレットを使おうとする場合には必ずおサイフケータイアプリが必要であり、Androidスマートフォンはおサイフケータイに対応している必要があります。Google ウォレットといえども海外ブランドのSIMフリー機では使えないものも多数あります。
クレジットカードは日本ではFelicaを使うiDやQUICPAYと、NFCに対応したVisaタッチ決済やmastercardコンタクトレスがあります。さらに両方に対応しているものもあり、例えばVISAブランドのANAカードはiDとVisaタッチ決済の両方に対応していますが両方使おうとするとiDとVisaタッチ決済の両方をアクティブにしないといけません。
この時点で「?」なのではないでしょうか。
新しくクレジットカードを登録したいのに、Googleウォレットでやればよいのかおサイフケータイアプリでやればよいのかわからない!Visaタッチ決済をしたいのにiDになってしまったとか….筆者も経験があり「?」でした。
各種ポイントカード Suicaなど | おサイフケータイで登録 |
クレジットカード | Googleウォレットで登録 |
Andoridの場合、Apple Payと異なり有効にできるiDは同時に1つのクレジットカードだけです。Apple Payであれば支払い時にカードを先に選んで生体認証して払いますのでiD対応カードが何枚あっても問題ありません。
AndroidではiDに対応しているプリペイドカードとiDに対応しているクレジットカードを使い分けるには、毎回Googleウォレットアプリで切り替え設定をしなくてはいけません。
売却時の処理が面倒
Androidはおサイフケータイの仕組みがベースなので内蔵のFelicaメモリエリアを空(未使用)にしないと売却できません。このエリアはスマホを削除してもクリアされないので何か残っていると中古買取店の買取拒否です。
AndroidはGoogleウォレットから削除すればOK…ではなく、おサイフケータイで利用しているFelicaのメモリエリアを完全に削除しなくてはなりません。これがサポートアプリごとに違うし、QUICPayのメモリエリアは最後まで残っていてなかなか消えず一筋縄ではいかない手強い存在。
セキュリティの不安
AndroidのiDなどは基本的に生体認証なしでタッチすれば使えます。したがって悪い奴がテーブルやデスクに放置したあなたのおサイフケータイのiDで支払うこともできるわけです。
その対策がiDの公式サイトにあります。すなわちNFC/おサイフケータイロックを使えとiDのサイトでは言っています。
これはNFCそのものも使えなくするので、NFCを使う他のアプリでも使えなくなるという天下無敵にアホな方法です。安全かもしれませんが失う利便性も大きいです。なにより支払いの都度NFCロック解除とかしてられないでしょう?そのうち面倒になってロックしなくなります。
ここはGoogleウォレットも支払い前には生体認証(Androidの顔認証はなんちゃって認証なので指紋認証限定)を要求すべきですが、スマホによっては指紋認証の精度も悪いものも多いのでそうもいかないのかも。
余談ですが、Google Pay経由での不正利用の申し立ては直接クレジットカード会社ではなくGoogleに申告して認められた場合のみクレジットカード会社が補償する仕組みであり、クレジットカード単体より補償される可能性が低くなるかもしれないとも聞きますのでご注意ください。
メリットはあるのか?
唯一「楽天Edy」が使えるのはおサイフケータイだけだと思います。
以前はApple Pay非対応だったnanacoやWAONも現在では対応しています。楽天としては楽天Payがあるのでそちらに移行したいのかもしれません。電子マネーの中では加盟店は少ないほうなので筆者個人的には全く問題なしです。
下の表に記載した使える場所の数ですが、企業により数値の単位が「箇所」「店舗」があります。「店舗」の場合は1店舗に何箇所端末やレジがあっても1でしょうけれど、「箇所」が何を意味しているのか明記されていません。対応レジ台数かもしれませんし、店舗数かもしれませんし、店舗の中のレジの場所の数かもしれませんので一律比較は危険です。
楽天Edy | 120万箇所 |
iD | 207万箇所 |
QUICPay | 205万箇所 |
Suicaなど交通系ID | 226万箇所 |
WAON | 117万箇所 |
nanaco | 104万店舗 |
<参考>PayPay | 374万店舗 |
<参考>楽天ペイ | 500万箇所 |
まとめ
iPhoneとAndroid両方使っている立場でいうと、スマートフォンにクレジットカードを入れて使いたいのであれば、設定の容易さ・削除の容易さ・スマホを手放すときの容易さ・セキュリティの高さからiPhone一択といっても過言ではない。