非中華ハイエンドクラスのスマホ比較、パフォーマンスとバッテリー寿命の掛け合わせで比較してみた

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非中華ハイエンドクラスのスマホはマニアックな性格が強くなり特徴的にも尖ったものが多く、同時に価格も10万超えは当たり前という世界になります。このクラスのスマホを選ぶのはなかなか難しくて、パフォーマンスはいいんだけどバッテリーの持ちがよろしくないとかいった不満もでがちがなのがこのクラス。そこでなんとか数値比較できないかと工夫してみました。

本記事ではデータとしてGSMArena の情報を使用しています。

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比較した機種

今回は以下の機種を取り上げました。

Samsung Galaxy S23
Samsung Galaxy S23 Ultra
Apple iPhone 14 Pro Max
Apple iPhone 14 Pro
Sony Xperia 1 V
Nothing Phone (2)
Sony Xperia 5 IV
Google Pixel 7
Sony Xperia 1 IV
Google Pixel 7a
Google Pixel 7 Pro

筆者がハイエンドクラスのスマートフォンを選ぶときに気にするファクターは「非中華であること(絶対厳守)」、「パフォーマンスが高い」「バッテリーの持ちが良い」「カメラ(写真と動画)性能が良い」ことでメインスマホであれば「カメラには3倍以上の望遠必須」「グローバル展開しているモデル」です。

グローバル展開していることで専用アクセサリなどの選択肢が格段に増えます。

そういう視点でいくと、メーカーは自ずから限られてしまいます。

Apple
Google
Nothing(最近気になっている)
Samsung
Sony

これ以外はまあ、ちょぼちょぼ。

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比較結果

今回はいつものとおりGSMArena記載のスペックやLab Test結果を使わせていただきました。

MODELCPUCPU FoundryBattery(mAh)AntutuEnduranceEfficiancyOver All Rate
Samsung Galaxy S23SM8550-AC Snapdragon 8 Gen 2 (4 nm)
Octa-core (1x
3.36 GHz Cortex-X3 & 2x2.8 GHz Cortex-A715 & 2x2.8 GHz Cortex-A710 & 3x2.0 GHz Cortex-A510)
TSMC390012310751012531
Samsung Galaxy S23 UltraSM8550-AC Snapdragon 8 Gen 2 (4 nm)
Octa-core (1x
3.36 GHz Cortex-X3 & 2x2.8 GHz Cortex-A715 & 2x2.8 GHz Cortex-A710 & 3x2.0 GHz Cortex-A510)
TSMC500012415311262531
Apple iPhone 14 Pro MaxA16 Bionic (4 nm)
Hexa-core (2x3.46 GHz Everest + 4x2.02 GHz Sawtooth)
TSMC43239558841212726
Apple iPhone 14 ProA16 Bionic (4 nm)
Hexa-core (2x3.46 GHz Everest + 4x2.02 GHz Sawtooth)
TSMC3200968412862626
Sony Xperia 1 VSM8550-AB Snapdragon 8 Gen 2 (4 nm)
Octa-core (1x3.2 GHz Cortex-X3 & 2x2.8 GHz Cortex-A715 & 2x2.8 GHz Cortex-A710 & 3x2.0 GHz Cortex-A510)
TSMC500011279311152325
Nothing Phone (2)SM8475 Snapdragon 8+ Gen 1 (4 nm)
Octa-core (1x
3.0 GHz Cortex-X2 & 3x2.5 GHz Cortex-A710 & 4x1.80 GHz Cortex-A510)
TSMC47008954341032119
Sony Xperia 5 IVSM8450 Snapdragon 8 Gen 1 (4 nm)
Octa-core (1x3.00 GHz Cortex-X2 & 3x2.50 GHz Cortex-A710 & 4x1.80 GHz Cortex-A510)
Samsung50008350381162319
Google Pixel 7Tensor G2 (5 nm)
Octa-core (2x2.85 GHz Cortex-X1 & 2x2.35 GHz Cortex-A78 & 4x1.80 GHz Cortex-A55)
Samsung4355813114962217
Sony Xperia 1 IVSM8450 Snapdragon 8 Gen 1 (4 nm)
Octa-core (1x3.00 GHz Cortex-X2 & 3x2.50 GHz Cortex-A710 & 4x1.80 GHz Cortex-A510)
Samsung50008388321002016
Google Pixel 7aTensor G2 (5 nm)
Octa-core (2x2.85 GHz Cortex-X1 & 2x2.35 GHz Cortex-A78 & 4x1.80 GHz Cortex-A55)
Samsung4385765281761713
Google Pixel 7 ProTensor G2 (5 nm)
Octa-core (2x2.85 GHz Cortex-X1 & 2x2.35 GHz Cortex-A78 & 4x1.80 GHz Cortex-A55)
Samsung5000796369831613

画像ファイル版の表(PDF)はこちらです。

非常に面白いというか予期した通りの結果となりました。

CPU Foundry:CPU(チップセット)を実際に製造したメーカー
Endurance:GSMArenaの所定の方法によるバッテリー駆動時間であり、例えば100hの場合は毎日通話1時間、動画再生1時間、Web閲覧1時間を行うときに100時間ごとにフル充電する必要がある、いいかえれば毎日それぞれ1時間ずつ利用し残り21時間はスタンバイにしたときに、100時間でバッテリーが切れるということになります。
Efficiancy:今回筆者が独自に計算した値で、Enduanceの時間をバッテリー容量で割ったもので、計算上1mAhでどれくらいのEnduranceなのかといったこと、平たく言えばバッテリーの使用効率ともいえます。みやすい数字にするために割り算結果を1000倍しています。
Over All Rate:EfficiancyにAntutuスコアを掛け算したもの。みやすい数字にするために1000で割っています。これが大きいほどバッテリーの利用効率がよくパフォーマンスも高いことになります。

Over All Rateの降順で並べたのが上の表です。

昨今CPU(チップセット)の製造会社がSamsungのハイエンドチップは消費電力が高く発熱も大きい傾向があり、一方でTSMCの4nmプロセスのCPUは相対的に発熱も少なくバッテリー消費も少ないといわれており、Snapdragon 8+ Gen1やSnapdragon 8 Gen 2はTSMCの製造によるものです。

表を見ると、Over All Rate上位は全てTSMC製造のCPUを使ったスマートフォンが占めています。

一方で残念なのがPixel。以前Pixel 6 ProとGalaxy S21 Ultra 5Gを使っていたとき明らかにPixel 6 Proのほうがバッテリー消耗が激しかったのをよく覚えており、それもPixel 6 Proを手放した理由の一つです。

こうしてにると、Samsung製造によるTensor G2チップを使っているPixel 7シリーズは非常に残念なのですが上位組には太刀打ちできません。それ以外にはカメラ性能もよくOSもGoogle純正なのでセキュリティアップデートの提供もタイムリーなので、このあたりが改善されればまた手を出したいと思っています。

Tensor G3がTSMC製造になり発熱や消費電力が大幅に改善されることを期待したいところです。

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気になるNothing Phone (2)

おサイフケータイ非対応で防水防塵性能も低めですが、サブスマホとしてちょっと気になるのがNothing Phone (2)。

CPUはSnapdragon 8+ Gen 1 (4nm, TSMC製造)ですが、若干クロックダウンされています。

Snapdragon 8+ Gen 1は通常盤はCortex-X1が3.2GHzですが、Nothing Phone (2)は3.0GHzです。

Snapdragon 8+ Gen 1はSamsung製造のSnapdragon 8 Gen 1のTSMC版とも言われており、Snapdragon 8 Gen 2ほど発熱など従来の問題が解決されているわけではないという情報もあるようです。Samsung Galaxy S23 Ultra(筆者も使っています)は逆に標準のSnapdragon 8 Gen 2よりクロックアップされれいてるのは、Xperia 1 V と比べるとわかると思います。

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どうなるPixel 8 ProとNothing Phone (3)

改善を期待したいのがPixel 8 ProとNothing Phone (3)。

しかしどうも芳しくないです。Pixel 8シリーズに搭載されるのはTensor G3であるのは間違いないようですがTensor G3のfoundryは?

Tensorチップは設計はGoogleであるとはいうものの事実上Samsungとの共同開発みたいなものなので、foundryだけTSMCに持っていくのは困難のようです。となるとSamsungの技術力次第でもありますがこれがまあ期待薄。

チップセットの詳細やプロセスはあきらかではありませんが、TSMCが製造しているSnapdragon 8 Gen 2に追いつけないという巷の噂もあります。噂は噂なのですが、これまでのSamsungのチップをみていると、劇的に進化してTSMCに追いつくことは期待薄のような気がします。

処理速度がより向上したといっても、今の用途ではAntutuスコアだと80万を超えていれば、特定のゲーム以外では十二分だと思います。それよりもやはりより少ない容量のバッテリーで長い時間駆動できるほうが大切だと思います。

一方Nothing Phoneは(2)になってかなり射程内に来た気がします。

Nothing Phone (1)が2022年7月、Nothing Phone (2)が2023年7月なので来年7月にはNothing Phone (3)が出るでしょう。

その時点で最新鋭のCPUを搭載するとコストアップするので、(2)のnapdragon 8+ Gen 1 (4 nm, TSMC)からSnapdragon 8 Gen 2 (4 nm, TSMC)になってパフォーマンスが向上するのではないでしょうか。

予想としては現在のXperia 1 Vの望遠カメラをのぞいて、CPUを来年の時点で型落ちハイエンドのSnapdragon 8 Gen 2を使用して今の価格で攻めてくるでしょう。

Nothing Phone (2)は日本市場では知名度が致命的に低い(笑)のと、防水防塵がIP54相当とか低め、日本市場で必須なおサイフケーターに対応していないので、すぐには難しいかもしれませんが期待したいところ。

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