Google DriveやOneDriveなどのクラウドストレージは、データ・ファイルをデバイスの種類・場所を超えて、いつでもどこでも参照・編集でき、スマートフォンのバックアップなどにも有効です。単なる倉庫代わりに使うには勿体なさすぎます。ここでは筆者が使っているGoogle One、Microsoft 365(OneDrive)、Evernoteの3種類について比較・紹介します。
Google One(Google Drive)
AndroidではなくiPhoneユーザーであっても使っている可能性が高いのがGoogle Driveでしょう。
以前筆者はGoogle Workspaceというビジネス向けのものを使っていましたが、Microsoft 365のビジネス版と重複がかなりあり月額費用削減のためにも現在はコンシューマー向けGoogle Oneを使っています。こちらはクラウドストレージとしてはあまり重要なものは入れていなくて、主にデータ交換用などのテンポラリー的に使っています。
Google Oneの契約プランは以下の通りで、違いはストレージ容量のみです。いつでも大きくできますので、最小容量から始めるとよいでしょう。
ベーシック | スタンダード | プレミアム | |
Google Drive容量 | 100GB | 200GB | 2TB |
月額 | 250円 | 380円 | 1,300円 |
年額(16%割引) | 2,500円 | 3,800円 | 13,000円 |
共有ユーザー | 最大5人 | 最大5人 | 最大5人 |
Googleフォト機能※1 | OK | OK | OK |
VPN | OK | OK | OK |
ダークウェブモニタリング | OK | OK | OK |
※1 Googleフォト機能とは、消しゴムマジック、HDR、コラージュ用スタイル、ポートレートのぼかし、ポートレートライト、カラーポップ、スカイ(空の色の調整)をGoogle Pixelスマーとフォンでなっくても、iOSやAndroidのGoogleフォトアプリで使えるようになる機能。
Googleフォト機能をあまり使うことはないのですが、Pixel以外のZenfone 10やiPhone 15 Pro Maxで消しゴムマジックが使えるというのはなかなか斬新な経験です。SNS用の写真などには面白いです。
このGoogle Driveの容量にはGmailとGoogleカレンダーで使用される容量も含まれます。
筆者のGoogle Drive(Google One)用途:
・Gmail(容量はGoogle Driveから利用されます)
・Googleカレンダー(容量はGoogle Driveから利用されます)
・Google Drive(主にデータ交換用)
・Googleフォト機能の利用
Microsoft 365(OneDrive)
Microsoft 365 Business Standardを利用中
コンシューマー向けサービスのほうではなく、ビジネス向けサービスのほうを契約しています。ビジネス向けといっても法人じゃないと契約できないとかはなくて、個人や個人事業主でも契約できます。
Microsoft 365 Business Standardを契約し独自ドメインでのメールボックスも利用しています。
こちらのほうは契約パターンが少々多いので、詳細は以下をご参照ください。
法人向けサービスですので料金は1ユーザーにつき幾らという感じで、ストレージ容量はどのプランでも1TB/ユーザーとなっています。
最新のオフィスアプリを全く必要としないのであれば、Google OneやGoogle Workspaceだけで事足りますが、Microsoft Office無しでは筆者の場合何もできなくなってしまいます。
筆者が契約しているMicrosoft 365 Business Standardにはざっくり以下ようなものです。
・月額1,716円
・デスクトップ版Word、Excel、PowerPoint、Outlook (プレミアム機能付き)、Teams、OneDrive、SharePoint、Exchange、Publisher(Windowsのみ)、Access(Windowsのみ)
・デスクトップアプリは最大 5台の WindowsまたはMac、5台のタブレット、5 台のスマートフォンにインストール可能
・1TB/人のOneDrive
Mac2台、Windows2台、iPad Pro、iPhone 15 Pro Max、Zenfone 10に全てWordやExcelは入れて使いますので、これは非常にありがたいです。
<参考記事> 2種類のOneDrive(2018/7/25執筆の記事で情報も当時のものです)
Microsoft 365 Personalとの差
コンシューマー向けではMicrosoft 365 Personalがあります。
・月額1,639円
・デスクトップ版Word、Excel、PowerPoint、Outlook (プレミアム機能付き)、OneNote
・1TBのOneDrive
両者を比較してみましょう。
大きな違いは利用できるアプリケーションの差、個人用メールアドレスの有無、独自ドメインの有無、サポートレベルの差です。主な違いだけ表にしてみます。
ストレージはどちらも1TBまでとなっています。
Microsoft 365 Business Standard | Microsoft 365 Personal | |
対象ユーザー | 法人(個人も利用可能) | 家庭(個人) |
ユーザー数 | 1ユーザー単位課金のため特に制限なし | 1ユーザーのみ |
月額料金 | 1,716円/月・人(年契約) | 1,639円/月 |
アプリインストール台数 | Windows・Mac計5台、タブレット5台、スマートフォン5台まで | 無制限 |
メールボックス | 50GB | なし |
同時利用 | 5台まで | 5台まで |
Word/Excel/PowerPoint/Outlook/OneDrive | ○ | ○ |
個人用メールアドレス | ○ | 2023年11月30日以降は取得不可 |
独自ドメイン | ○(別途1,506円/年) | 不可 |
Teams/SharePoint/Exchange/ | ○ | X |
Access | Windows PCのみ | X |
Publisher | Windows PCのみ | X |
OneNote | ○ | ○ |
サポート | 電話とWebでの24時間サポート | チャットやメールのみ |
Microsoft 365 Business Standardで電話サポートを利用したことがあります。オペレーターにつながるまでの待ち時間は短くて、こちらの問い合わせに対する理解も非常に的確、その後の結果がどうであったかのフォロー電話も翌日にいただくなど十二分なクオリティでした。さすがに法人向けサポートだけあってサポート担当者のレベルが高いです。
Microsoft 365 Business Standardは法人でないと契約できないような誤解があるかもしれませんが、個人でも普通に申し込めます。価格はMicrosoft 365 Personalとほとんど変わらないですし、管理機能も充実していますので、おすすめします。
Microsoft 365 Business Standardは一つの組織に複数ユーザーが居るのが前提のシステムなので、費用面を別にすれば家族に1つずつアカウントを割り当てる(費用はx人数分になります)のは、管理者(自分!)がユーザーを増やすだけの手間となります。
さらに法人同様にセキュリティ管理で、家族外へのOneDriveのアクセス公開規制なども簡単でOffice利用ライセンスの割り付けなども行います。
Evernote
情報記録と整理に欠かせないのがEverenote。
テキストでも画像でもなんでもとにかく放り込めるのがEvernote。
筆者は日記、物品(主としてガジェットや周辺機器)購入・売却記録、旅行の記録や旅行用データ(予約内容など)、健康に関するメモなどとにかく多くの記録を入れています。
Evernoteの契約パターンは現在は3種類です。
FREE | PERSONAL | PRFOESSIONAL | |
月額 | 0円 | 1,100円 | 1,550円 |
年払い | 0円 | 9,300円 | 12,400円 |
最大ノート数 | 50個 | 100,000個 | 100,000個 |
最大ノートブック数 | 1個 | 1,000個 | 1,000個 |
月間アップロード容量 | 60MB | 10GB | 20GB |
ノート上限サイズ | 25MB | 200MB | 200MB |
画像、文書、画像、文書、PDF 内の文字検索(OCR) | 非対応 | OK | OK |
PERSONALとPROFESSIONALでは上記以外にもPDFへのエクスポートができるといったより高度な機能での違いがあります。筆者が使用しているのはPERSONALプランです。
FREEプランはノートの数やノートブックが1個しかないのでお試し程度しか使えませんので、実用上のミニマムはPERSONALプランです。
PERSONAL以上のプランだと、Evernoteにアップロードした文章はもとより、画像やPDFの中の文字もOCRで検索が可能です。
物理的な紙の日記から特定の言葉で記録を探すのはほとんど不可能に近いのですが、EvernoteであればスキャンしてPDFにした書類や写真の中の文字も検索可能なのが凄いところ、なのですが…。
しかしEvernoteは近年改悪・機能低下・値上げが酷いです。
これ以上Evernoteには付き合いきれません。
現在のライセンスは2024年12月29日まで有効なので、今後はNotionに移行する予定です。
クラウドにデータを集めるメリット
昔はPCやMacのローカルディスクに入れていたような種々のファイルを、現在は写真・動画以外はほとんど全てをOneDriveに入れています。
ほぼ全てをOneDriveに入れることでPC、Mac、iPhone、Androidでいつでもどこでも必要な情報が参照できるようになりましたし、デバイス自身に入れておくべきデータが非常に少なくなったので、万一不調になって初期化してもデータに関しては被害はほとんど発生しません。
データを参照するのはスマートフォンがメインになったとしても、そのデータを作るのはPCやMacが圧倒的に楽です。特に旅行前の交通機関情報や宿、観光先情報などは事前に整理しておくと旅先で役立ちます。
写真はサイズが大きくクラウドストレージのデータ容量を食いますし、アップロード時に通信容量も食います。これに関してはローカルでの保存のほうがいいでしょう。